野球に関心のある人もない人も、最近大注目の人物といえばMLBエンゼルスの大谷翔平選手をおいてほかにいないかもしれない。
何かとフラストレーションや悲しみの募る話題が多いなかで、彼の活躍は本当に励みになる。
負担ばっかり増えてないか?? 高速道路の料金が最近何かおかしい
前半戦が終わった本日時点で、本塁打は33本でトップ。56本の長打(2塁打+3塁打+本塁打)も誰よりも多く、長打率など他の数字も軒並みトップ。さらに投手としても4勝を上げるなど、マンガよりもマンガみたいな活躍を続けている。明日(13日・日本時間)から始まるホームランダービー、そしてオールスター戦(こちらは14日・日本時間)をワクワクしながら待っている人も多いことだろう。
前置きが長くなったが、大谷選手といえばもちろん「二刀流」、そんな大谷選手のような「二刀流」の魅力を持ったクルマを探してみようというのが本企画の趣旨だ。
さて、どんなクルマが出てくるか? 自動車ライターの大音安弘、永田恵一両氏がご案内。
※本稿は2021年4月のものです
文/大音安弘、永田恵一 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年5月26日号
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■アレもコレもできるマルチな魅力を持ったクルマたち。二刀流は大いなる価値だ(国産車編)
●ホンダe(エンタメ+EV)
愛らしいスタイルのコンパクトEV「ホンダe」は、ホンダのアイデアと最新技術が満載。こだわりのRRレイアウトが生む走りは、軽快かつ俊敏! まさに未来のスポーツハッチとも呼べるだろう。
ただホンダeの魅力で忘れてならないのが、エンタメ。大画面モニターでは、熱帯魚アプリでの餌やりや高音質サウンドシステムを活かした映画鑑賞も楽しめる! 小さいけれど動くマイルームといっても過言ではない。(大音)
●編集部からひと言…エンタメ+EVにデザインのよさも加えて三刀流とも言えそう。ただ補助金があるとは言え、このサイズで451万円~の価格は厳しいね。
ホンダe(エンタメ+EV)
●ダイハツ ミラ トコット(ゆるキャラ+実用車)
吉岡里帆出演のちびまる子のCMも話題となったミラトコット。シンプルだけど、ゆるキャラ的なスタイルは、軽セダンの革命的存在。またデザインで遊べるスタイル提案も面白く、カスタムベースにも最適だ。
しかし、個性的な見た目とは裏腹に、低燃費、スマアシによる先進安全機能、シートヒーター付きフロントシートの快適性などクルマの基本もしっかり磨く! 可愛くとも、意外と優等生なのだ。(大音)
●編集部からひと言…営業車然としたミライースがおとぎの国のクルマに変身。デザインの力は凄いと実感。価格は20万円ほど高くなるが、その価値は充分にある!
ダイハツ ミラ トコット(エンタメ+EV)
●トヨタ ハリアー(高級車+SUV+お手頃価格)
歴代モデルすべてがヒット作という驚異的なハリアーは、セダンの快適性を備えるSUVに、スペシャルティカーのエッセンスを取り入れたもの。つまり、二刀流以上の魅力を備えた強者なのだ。その基本姿勢は、今も揺るがない。
その価値観は、懐かしのハイソカー的。バブルの香り漂う現代車である。だからこそ、かつての若者が乗れば、ギラついたあの日を思い起こさせる。これはトヨタ製タイムマシンでもあるかも!?(大音)
●編集部からひと言…ベースはRAV4。そう考えれば、ひとつの土台でRAV4とハリアーを作り分けている事実こそ「二刀流」と言えるかもしれない。
トヨタ ハリアー(高級車+SUV+お手頃価格)
●トヨタ アルファード/ヴェルファイア(高級車+ミニバン)
マイルドヤンキー憧れの大型高級ミニバン「アルファード」は、現行型が第2次ブームの真っ只中。昨年の年間販売台数は、なんと5位。今年も3カ月連続3位を記録するほど。
持ち味は、大型ミニバンと高級車のクロスオーバーであること。今や日本のエグゼクティブからの支持も厚く、その人気はアジアを中心に海外にも波及。だからリセールのよさも抜群で、お得感のある高級車でもあるのだ。(大音)
●編集部からひと言…高級とオラオラ系が同居しているのがこのクルマの凄いところ。「高級ホテル」も「あおり運転」も似合う二刀流。すみません、言いすぎました。
トヨタ アルファード/ヴェルファイア(高級車+ミニバン)
●トヨタ GRヤリス(ラリーベース+全天候型GT)
GRヤリスの1.6Lターボ4WDはサーキットからグラベルや雪道まで速い、万能なスポーツモデル。さらにRZ系にアダプティブクルーズコントロールなどから構成される予防安全パッケージを加えると、長距離ドライブも楽ちんな全天候型GTカーという要素も持つ二刀流どころではない万能車。
私のGRヤリスも約25万円の予防安全パッケージ付きで、小さくない出費だったが、「付けてよかった」と断言する。(永田)
●編集部からひと言…実際に運転してみたが、確かにGTと呼ぶにふさわしい高速での乗り心地。で、高回転まで回せば速い。まさにジキル博士とハイド氏のようだ。
トヨタ GRヤリス(ラリーベース+全天候型GT)
●プラグインハイブリッド(ハイブリッド+EV)
プラグインハイブリッドは充電設備があれば、買い物や通勤といった普段使いは電気自動車、それ以外の時は燃費のいいハイブリッドカーとして使える便利なクルマである。
さらに輸入車やRAV4PHVなどはそこに強烈な動力性能という付加価値も加わり(後者は動力性能だけで納得できる価格差というお買い得感も備えるのがポイントとなる)、さらに日本車のPHVなら給電も可能と実に多用に使える(永田)
●編集部からひと言…ハイブリッド車からEVへの橋渡しモデルとなりそうなのがこのPHEV。ガソリン車とEVのいいとこ取りみたいな感じだしね。
プラグインハイブリッド(ハイブリッド+EV)
●三菱 デリカD:5(SUV+ミニバン)
デリカD:5は「ミニバンに軸足を置いたSUV」といえる存在だ。軸足となるミニバンとしてはラージサイズらしく7人ないし8人が快適に移動できるスペースを備え、申し分ない。
SUVとしても185mmというSUVに近い最低地上高+実績ある三菱自動車の4WDにより、オフロード走行も余裕で可能な悪路走破性を備えており、頼もしい。それだけに登場から2014年が経っても堅調に売れているのもよくわかる(永田)
●編集部からひと言…まさに唯一無二の存在なのがこのD:5。本格的なオフロード4WDでありながらしっかりミニバンしている。ほかに代えがきかない二刀流だ。
三菱 デリカD:5(SUV+ミニバン)
●スバル フォレスターSPORT(スポーツカー+SUV)
4代目モデルまで設定されていたターボ車、特に全高が1500mm台だった2代目モデルまではフォレスターの持つ高い悪路走破性はそのままに、オンロードでもスポーティに走れる「SUV+スポーツカー」の元祖といえる存在だった。
現行型では現在ハイパワーターボは設定されないが、SGPを使う現行モデルはちょっと皮肉なことに車体のポテンシャルが高いだけに、早期のハイパワーターボの復活を熱望する(永田)
●編集部からひと言…スポーツカーとしての走りならEJ20ターボの初代のほうが上だった。2代目にあったSTIバージョンを二刀流として復活させてほしい!
スバル フォレスターSPORT(スポーツカー+SUV)
●光岡 バディ(SUV+ネオクラシック)
かつてのシボレーブレイザーやフォードブロンコなどのアメリカンクロカンを彷彿させるスタイルの中身は、RAV4。だから使い勝手も抜群。欲張りな二刀流だ。(大音)
光岡 バディ(SUV+ネオクラシック)
■輸入車編
●ランボルギーニ ウルス(スーパーカー+SUV)
SUVブームが生みだしたモンスターであるウルス。このアグレッシブなスタイルのクーペSUVは、悪路にも対応できる最低地上高と実用的なユーテリテイスペースを備える。
しかしながら、その本質はスーパーカーそのもの。その上、いかなるステージでも最高のパフォーマンスを発揮。たとえ、砂地や雪道であっても……。その点からも、史上最強のランボといっても、過言ではないだろう。(大音)
●編集部からひと言…高級ブランドがSUVを作るのは今や当たり前になったが、スーパーカーブランドのランボも参戦。ライバルのフェラーリの動向が気になるところだ。
ランボルギーニ ウルス(スーパーカー+SUV)
●ポルシェ タイカン(EV+スポーツカー)
タイカンはポルシェ初の量産電気自動車となる、4ドアスポーツセダン&スポーツワゴンである。
電気自動車といってもポルシェが作るモデルだけにその性能はトップグレードとなるターボSのセダンで0-100km/hは加速2.8秒と日産GT-Rの2012年モデルと同等、ニュル北コースのラップタイムも7分42秒34とポルシェケイマンGT4と同等と、この速さにはEV+スポーツカーという言葉しか見つからない(永田)
●編集部からひと言…モーター走行でありながらしっかりとスポーツカーであるポルシェの走りを体現しているのがタイカン。これぞポルシェの二刀流にふさわしい。
ポルシェ タイカン(EV+スポーツカー)
●ロールスロイス カリナン(超高級車+SUV)
カリナンは日本車ではセンチュリーが近い車格となるセダンのゴーストをベースとしたSUVである。カリナンはロールスロイスだけにロールスロイスの名に恥じない豪華さはもちろん、定評ある安全性もSUVなので特に側面衝突ではセダンより有利と、非常に高い。
それでいてSUVだけに悪路走破性も高く、超高級車とSUVを融合したという意味ではロールスロイス史上最もマルチに使えるモデルだ(永田)
●編集部からひと言…超ド級の高級ブランドであるロールスロイスのSUVだから、オーナーにも金持ちにして冒険野郎という二面性が求められるに違いない。
ロールスロイス カリナン(超高級車+SUV)
■編集部厳選 現代の二刀流グルマ キラリと光る代表3台
ここまで10車種以上の二刀流グルマを紹介してきたが、その代表モデルを3車に絞ってみたいと思う。順位はつけないが、表彰台に上れるクルマということですね。
まずハリアー。このクルマの万能ぶりはかなりのもの。高級感とスペシャルティカー的雰囲気を持ち、SUVだから実用性も遊び心も兼ね備える。それでいて、ガソリン2Lなら299万円からという安さなのだから売れるのも納得。このコストパフォーマンスの高さは相当なものだ。
トヨタ ハリアー。いくつもの魅力を備え、二刀流以上の能力を発揮するSUV。コストパフォーマンスも抜群で、さすがトヨタと唸らせられる
続いてデリカD:5。SUVというよりクロカン4WDと呼びたい悪路走破性を持ったミニバンなんて、世界的にもそうあるものではない。
もちろん、本来のミニバンとしての実用性や室内の広さも高レベルで、どちらも一級品の二刀流。しかも最近の流行を狙っているわけではなく、初代は’69年登場で50年以上の歴史もあるのだから凄い。もっともっと売れていいクルマである。
三菱デリカD:5。こんなにも悪路が似合うミニバンは世界中にこれだけ。2019年のマイチェンで都会的な雰囲気も身に付けちゃった欲張りさん
表彰台最後の3台目は、少し異色かもしれないがランボルギーニウルスを推したい。なんと言ってもあの「ランボルギーニ」の「SUV」なのだ。これだけで強烈な二刀流。日本車で言えば「GT-R」の「SUV」みたいなもの。あるいは逆に「レクサス」の「軽自動車」でもいい。
とにかく相反する要素を備えているということで、これぞ最多勝も本塁打王も狙える大谷翔平的クルマと言えるだろう。あっぱれである。
ランボルギーニウルス。V8、4Lターボは650psを発揮。スーパーカーの性能にSUVのボディを被せた二刀流。価格は約3068万円!
■究極のマルチパフォーマンスカーはR35 GT-R!
ワーワーやってきた二刀流企画だが、最後に結論を出したい。現在最高の二刀流は何か? 日本には上記の代表3台を超えるクルマがあるのだ。
それは日産R35GT-Rだ。 水野和敏氏が「マルチパフォーマンススーパーカー」をコンセプトにして開発したクルマ。2007年に登場した時のプレスリリースには「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」と記されている。
今は速さばかりが注目されているが、本来は天候、路面、ドライバーの腕を問わず、さらには実用性も確保した誰もが楽しめるスーパーカーというのが本質だった。
二刀流どころか四刀流、五刀流の性能を持つクルマで、だからこそ14年間も世界で売れ続けているというわけだ。クロスオーバーSUVならまだしも、スーパーカーでやってのけたことが凄い。改めて脱帽である。
速いだけでなく雨でも雪でも安全に走れ、スーパーカーとしては望外の実用性も持つ。また、高級な仕様もあって、まさにマルチな性能を持つGT-R
【番外コラム】マニア目線で思い出す 絶版二刀流
2007年デビューの古参モデルとなったプレミオ/アリオンだが、そのシートアレンジの多彩さがセダンらしからぬ使い勝手を誇る二刀流モデル。後部座席はヘッドレストを取り外すことなく、レバーで前方へ倒せ、前席はヘッドレストを取り外して前方に移動すればフルフラットな空間を作れる。
1999年登場のアヴァンシアは高級サルーンの要素を持ったステーションワゴンで、現代で言えば二刀流だった。ホンダは4ドアクラブデッキと自ら呼称していたのはナイショだ。
トヨタ コンチェルト
また、5ナンバーセダンでありながら上級車のイメージを持たせたのは1988年に登場した初代コンチェルトで、プログレやブレビスに先駆けていた。
セダンとステーションワゴンのいいとこ取りを目指したのはマークXジオだった。
トヨタ マークXジオ
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ジョークがクソ寒い。