バイク製造で培った技術を生かしてスピーディに開発可能!
本日、ヤマハが四輪車を含めたEVモビリティ向けに、電動モーターユニットの試作開発受託を開始することを発表しました。いまやクルマの世界ではEVの開発がどんどん加速していますが、今回の発表は、EVの要である電動モーターの試作開発をヤマハが請け負いますよ、というもの。
オートバイの生産は基本的に少量多品種生産。少な目の台数ですが車種のバリエーションは多く、メーカーはそれぞれのモデルに合わせ、多彩な部品を造る必要があります。そんなオートバイメーカーであるヤマハが持つ技術とノウハウを活かして、今回EVモーターの試作開発を行うことになったわけです。
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それの何がスゴイかというと、ヤマハに試作開発を依頼することで、EV開発のフットワークが飛躍的に高まるのです。専用の形状やサイズなどのオーダーにも柔軟に、かつ短期間で対応できるので、モーターの設計の自由度が格段に高まり、車両開発のテンポも格段に早くなるわけです。
さらに、モーターを自社生産できる大メーカーでなくても、EVの開発スピードが速くなり、またEV開発自体のハードルも下がるので、さまざまなメーカーがEV開発に参入できるようになるのです。今回の発表は、EV開発の未来を大きく変えるかもしれない出来事なのです。
今回発表されたモーターユニット。現状は35kWクラスだそうですが、出力密度(ユニット単体重量当たりの出力。ガソリンエンジン車で言うパワーウエイトレシオのようなもの)は業界最高クラスだそうで、高出力が求められる4輪EVには最適なモーターです。
ヤマハらしい「官能性能」でEVスポーツカーにもピッタリ!
このモーターを組み合わせた、4輪EV用のモジュールユニットがこちら。モーターはフラットツインのように水平対向で2機組み合わされ、中央にはまだ試作段階ですが、ヤマハ自社製のギアボックスユニットが、ブルーのカバー部分には、こちらも試作段階ですが自社製インバーターを搭載しています。ちなみにモーターは水冷式です。
こちらの動画にもあるように、目下精力的に開発は進んでいるようですが、そのベースマシンにはミッドシップの小型スポーツカーが選ばれています。理由はふたつ。ユニットがコンパクトなので、搭載スペースに制約のあるミッドシップスポーツカーにも対応できるから、そしてスポーツマインドを大切にする「ヤマハらしさ」にこだわったからです。
こうして見ると、無機質なモーター、というよりは、マシンに生命を吹き込むガソリンエンジンのよう。ヤマハらしくモーターサウンドにもこだわっていて、ドライバーの気持ちを駆り立てるような特性に仕上がっているようです。電動でも「官能性能」にこだわるあたりは、さすがヤマハですね。
少量生産にも柔軟に対応できる高出力ユニット、ということで、近い将来、このヤマハ製モーターを搭載するEVスーパーカーが登場する可能性も十分にありますし、4輪にとどまらず、ここで磨かれた技術を使った大型EVスポーツバイクが誕生する可能性だって十分にあります。
カッコいいEVスーパーカーや電動スポーツバイクの心臓部をヤマハが担う日は着実に近づいています。今後の展開がますます楽しみですね!
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