世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスに参戦しているヴァンウォールは、ル・マン24時間レース本戦に向けて、チームのLMH車両『バンダーベル680』が暑いコンディションで出力低下に悩まされていると明かしている。
コリン・コレス率いるバイコレスがチームを運営するという形で、1台体制で参戦しているヴァンウォールはル・マンの予選で15番手。ハイブリッドシステムの問題によってアタックできなかったJOTAの38号車ポルシェ『963』を除けば、ハイパーカークラス最後尾だった。
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トム・ディルマンが予選で記録したベストラップは3分29秒745。このセッションでトップタイムをマークした50号車フェラーリ『499P』からは4.532秒落ち、ハイパーカークラスで唯一のハイブリッド非搭載車となるグリッケンハウス『007』の708号車からも1秒以上遅れた。
ハイパーカークラスの車両は、性能調整(BoP)適用前の状態で最大出力が520kW(707PS)に制限されているが、これは気温20℃、大気圧1010mbの”基準”条件下での数値となる。
環境条件によって性能が低下する場合”補正係数”を使って調整がなされるが、ヴァンウォールの関係者によると、ル・マンの夜が冷え込むことが考慮された影響でライバルマシンに対する性能差が色濃く出ているという。
補正係数が1に近づくと、ハイパーカークラスの大半を占めるターボエンジン搭載車がそのポテンシャルを最大限に発揮することになる。ギブソン製の自然吸気V8エンジン搭載のバンダーベル680は、より不利な立場に立たされるのだ。
「僕らは少しパワー不足で、ラップタイムが犠牲になっている」とディルマンはmotorsport.comに語った。
「暑いコンディションになると限界が出てくるということは分かっている。だから日中は厳しいし、夜間はより良くなる」
「シャシー面でも改善できるけど、ある程度の範囲内の話だ。マシンはドライブしやすいとは言えない。でもこうやってパワーを失うと、かなりの犠牲を強いられることになる」
またディルマンは、予選ではセンサーの問題が発生しさらなる性能低下を強いられたとして、問題がなければグリッケンハウスの2台に割って入ることも可能だったと付け加えた。
「3分29秒台前半か3分28秒台後半は狙えたと思うけど、あの問題が起きたら無理だね」とディルマンは言う。
初代F1コンストラクターズチャンピオンであるヴァンウォールの名を冠するチームは、前述したようにバイコレスが運営している。LMP1車両が参戦していた時代にもバイコレスは『CLM P1/01』を走らせていたが、ル・マンでは一度も入賞はおろか、完走もできていない。
ディルマンも当時メンバーのひとりだが、共に参戦した2018年大会、2019年大会、2020年大会でリタイアを味わっている。
バイコレスとしても2020年以来のル・マン参戦となるが、今年こそは24時間を走りきり、チェッカーを受けることができるとディルマンは考えている。
「僕らには24時間の連続走行経験は無く、セブリングで8時間走ったのが最後だ。今回はその3倍は走らないといけない」とディルマンは言う。
「(フリー走行3回目では)レース用エンジンを使ったから走行距離を抑えたけど、テストデーとフリープラクティスではしっかりと走り込めた」
「かつてのマシンで学んだことが全てこのマシンに活かされているから、完走にはかなり自信がある。かなり堅実で、信頼性に関しても大きな問題はなく、ひとつかふたつの単発的な問題を修正しただけだった」
「僕らは謙虚な気持ちでいるけど、以前と比べれば、より自信を持つことができている」
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