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シトロエン・サクソ VTS x プジョー106 GTi(1) エンジン&シャシー共有の小さなお宝

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シトロエン・サクソ VTS x プジョー106 GTi(1) エンジン&シャシー共有の小さなお宝

若者も選べる小柄で安価なフレンチ

1990年代の欧州は、必ずしもクルマ好きにとって望ましい時代とは限らなかった。1980年代に大幅な成長を見せたホットハッチは、人気の上昇とともに自動車盗難の対象に。そこへ事故率の高さも重なり、任意保険料は高騰した。

【画像】小さなお宝 シトロエン・サクソ VTSとプジョー106 GTi AXに205 現行C3と208も 全106枚

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIは3代目へ代替わりを果たすものの、パワーダウン。フォード・エスコート・コスワースも、当初のような輝きは失っていた。

憂うグレートブリテン島へ救いの手を差し伸べたのは、フランスのメーカーだった。小柄・安価で、若者が賄える維持費で乗れるモデルがリリースされた。シトロエン・サクソ VTSと、プジョー106 GTiの2台だ。

今では信じられないが、シトロエンはサクソ VTSの任意保険を無料で付帯するサービスを展開。お手頃な価格設定と相まって、ホットハッチのベストセラーへ躍り出ている。106 GTiは割安感で及ばなかったが、対立候補として支持を集めた。

1.6L 4気筒エンジンを共有 普通のシャシー

この2台は、実は1587ccの自然吸気4気筒エンジンと、前輪駆動シャシーを共有していた。しかし動力性能では、0-100km/h加速を7.7秒でこなす、サクソ VTSの方が勝った。106 GTiは、8.2秒がうたわれていた。

この差が生まれた理由は、今でも明らかではない。馬力やトルク、トランスミッションは同じだった。サクソ VTSは、2速で引っ張って計測したから、という憶測はある。保険料を抑えるため、プジョーはウエイトを積んでいたという噂も当初から流れていた。

そんな謎もはらむ2台だが、クルマとしての構成は実にシンプル。16バルブの4気筒エンジンは121psを発揮し、ショートレシオの5速MTを介して前輪を駆動した。複雑な電子制御技術や、高度なディファレンシャルは、もちろん搭載していない。

サスペンションは、通常のモデルと同じく、前がマクファーソンストラット式のコイルで、後ろがトレーリングアーム式のトーションバー。至って普通のスタイルといえた。

かなり珍しい良好なオリジナル状態

スタイリングの差別化も限定的だった。広げられたトレッドに対応するオーバーフェンダーや、ボンネットのパワーバルジにエアインテーク、エアロキットといったアイテムは、ほぼ与えられていなかった。

アルミホイールは14インチ。血気盛んな若者の手で、容赦なくインチアップされたことはいうまでもない。結果として、2025年にオリジナル状態の車両を見つけることは簡単ではない。サビの少ない個体は、更に限られる。

今回手配した2台は、グレートブリテン島に存在する最高コンディションの部類に入るはず。オーナーも、お宝として大切にしている。

当時のオーナーとはまったく異なる趣向

106 GTiは1999年式で、カール・ランパード氏が7年間維持してきた車両。レストア時にサンダンス・イエローへ全塗装され、新車と見間違えるような美しさを誇る。細部に至るまで、「ど」が付くほどのノーマル状態だ。

サクソ VTSは、1997年式でザック・ジギンズ氏がオーナー。クォーツ・シルバーの初期型で、リアスポイラーすら背負っていない。購入してから5年が経つそうで、最近エンジンをリビルド。こちらも完璧なオリジナルに仕上げてある。

2人ともお若く、新車時に憧れていた世代とは異なる。しかし感心するのは、純正状態を保つために時間と予算を費やしていること。当時のオーナーとは、まったく異なる趣向といっていい。

2003年にAUTOCARが実施した、1万5000ポンド以下のモデルによる比較試乗の印象を、そのまま再確認できると考えて良い。当時は、その価格内で25台も揃えることができた。結果は、サクソ VTSが106 GTiを僅差で上回っている。

この続きは、シトロエン・サクソ VTS x プジョー106 GTi(2)にて。

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