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鮮烈な欧州選手権デビューウイン! GRヤリス駆るコルホネンがオストベルグらを撃破/ERC第2戦

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鮮烈な欧州選手権デビューウイン! GRヤリス駆るコルホネンがオストベルグらを撃破/ERC第2戦

 2025年シーズン最初のグラベル(未舗装路)イベントとなるERCヨーロッパ・ラリー選手権第2戦『ERCスタッフ・ハウス・ラリー・ハンガリー』が5月9~11日に開催され、チームMRFタイヤからエントリーしたフィンランド出身のルーペ・コルホネン(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、最終日の逆転劇でデビュー戦を制覇。昨季イベント覇者のシモーネ・テンペスティーニ(シュコダ・ファビアRSラリー2)や、レグ1首位を奪ったピレリ装着のアンドレア・メベリーニ(シュコダ・ファビアRSラリー2)に、有力候補のミコ・マルチェク(シュコダ・ファビアRSラリー2)、そしてミシュランを履いたマッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)らを退け、鮮烈な欧州選手権デビューウインを飾っている。

 スペインのアンダルシア地方で開催された開幕戦のターマック勝負から一転。本格グラベルが待ち受ける第2戦は、予選ステージからMRF陣営が勢いを見せ、初参戦コルホネンが最速をマーク。続くSSSでもMRF装着の前年度覇者テンペスティーニが主導権を握る初日となった。

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 明けた土曜の本格ステージ群では多くのドライバーを翻弄するトラブルを回避し、6つのトリッキーなグラベル路面のうち4SSで最速を叩き出したメベリーニが、コルホネンとの差を10.6秒に広げて1日を終えることに。その過程でコドライバーのヴァージニア・レンツィがジャンプからの激しい着地で背中に違和感を覚えるという一幕もあったが、そのまま競技続行が許可された。

「ペースは非常に速かったが、明日はまた別の日だ。今日は素晴らしい時間を過ごせたと思う。今朝のジャンプについては(コドライバーの)ヴィルジに申し訳なく思っている」と語ったメベリーニ。

 一方、SS5では同率首位タイムを刻むなど速さを見せたMスポーツ・フォード・ワールドラリーチームのジョン・アームストロング(フォード・フィエスタ・ラリー2)は、総合3番手走行中にタイヤのダメージにより2度の停車を余儀なくされ、ポイント獲得圏内から後退してしまう。

「コンディションはかなり厳しかった。最初のパンクは荒れたセクションで起きたが、2度目は埃に埋もれてスローペースで走っていた。何が起こったのかさえ分からなかった」とピレリを装着するアームストロング。

「ひとつのステージで2度のパンクは本当に不運だ。今はどうなっているのか分からないが、すべてが順調に進んでいただけに本当に残念だ」

 そのフィエスタが巻き上げたダストに視界を遮られるカタチとなったのがコルホネンで、午後のループに向け首位からわずか4秒差にいたスター候補生は、埃に巻き込まれ初優勝への挑戦が痛手を受けたかに見えた。しかし当初29.5秒遅れて4番手まで後退したポジションは、オフィシャルが修正タイムを発表したことで2番手に返り咲く。

「今日は“クリーンな1日”だったし、明日は何ができるか見てみよう」と皮肉を含んだコルホネン。「もちろんタイヤのダメージを避けるのは困難だけど、幸いにもタイヤは良いから、僕らは大丈夫さ」

 背後にはテンペスティーニ、マルチェク、オストベルグの続くトップ5となったラリーは、続く最終日に劇的な展開を見せる。勝利へのドラマチックな道のりを演出するべく、初出場コルホネンが午前のループステージ3本を制覇すると、首位メベリーニとの差をわずか1.9秒まで縮めてみせる。

 しかし続く15.54kmのSS10でシケインに接触したとして、競技管理官から10秒のペナルティが科せられ、逆転勝利への望みが絶たれたかの空気が漂うと、これに奮起した新星フライングフィンはタイヤをリムから外しながら、続くSS11でトップに躍り出る。

 一方のメベリーニはこの重圧からか、タイヤダメージで26.2秒遅れると、なんとSS11でシュコダ・ファビアRSラリー2のサスペンションが損傷し、まさかのリタイアを余儀なくされる。

「ジャンプ直後に大きな岩があり、それに引っかかって大きな衝撃を受けた。避けようがなかったんだ」と、やはり前日ジャンプからのハードランディングでペアのレンツィが腰痛を患い、現場の理学療法士による治療が必要になっていたと明かしたメベリーニ。

「チームをはじめ、僕たちの背後には多くのメンバーが全力を尽くしてサポートしてくれている。このような事態になってしまい、本当に申し訳なく思っているし、こんな終わり方は決して望んでいなかった。ヴィルジは昨日の負傷後も素晴らしい仕事をし、戦い続けていたんだ」

 同じくルーマニア出身の前年度覇者テンペスティーニも、SS10でタイヤにダメージを受け表彰台獲得の望みが絶たれると、続くステージではステアリングアームの破損によりリタイア。これでオストベルグとマルチェクがポディウム圏内に浮上し、そのオストベルグに37.0秒という比較的大きなリードを築いたコルホネンが首位で最終パワーステージへ臨むことに。

 ここでクルージングに徹するMRFヤリスに対し、直接的ライバルのマルチェクに対し1.3秒差をつけたオストベルグが、2023年の同地ハンガリー制覇以来となるERCでの表彰台を獲得した。

「正直に言って、とてもうれしい。厳しいラリーが続いていて、昨年はリタイア寸前だったからね」とひさびさの2位を射止めたオストベルグ。「今年の最初のラリーもトラブルだらけだったが、上位で戦えるペースはあった。こういう状況では豊富な経験をもとにリラックスするように心掛けている。でも今回は少し慎重になりすぎたかもしれないね(笑)」

 そのオストベルグに30.1秒差、全13ステージ中5ステージを制する素晴らしい走りを披露したコルホネンが、ERC初参戦で劇的な初勝利を収めた。

「本当に素晴らしい気分だ。最後のステージは本当にタフだった。支えてくれた皆に『ありがとうございます』と言いたい。そしてもうひとつ大切なこと。母の日、おめでとうございます!」

 引き続きグラベル戦の続く2025年ERCシーズンは、スウェーデンのカールスタッドを拠点とする超高位イベント、第3戦『バウハウス・ロイヤル・ラリー・スカンジナビア』が7月29日から31日まで開催される。

[オートスポーツweb 2025年05月16日]

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みんなのコメント

1件
  • エガちゃんねらー
    ラリーやってる人は例外なく頭がおかしい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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