「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2013年にワールドプレミアされた、メルセデス・ベンツ CLAの海外試乗会レポートだ。
メルセデス・ベンツ CLA(2013年:ニューモデル)
メルセデス・ベンツはA/Bクラスのプラットフォームを用いて何種類かニューモデルを出すと公表している。今回、第三弾として登場したのは、スタイリッシュなコンパクト4ドアクーペの「CLA」だった。これも日本導入が待たれる1台だ。
ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
2013年は、フォルクスワーゲン ゴルフのフルモデルチェンジをはじめ欧州コンパクトカーの戦いがいつになく激しいようだが、中でも強烈な存在感を示しているのがメルセデス・ベンツだ。コンパクトカー戦略を一変し、FF用の新たなプラットフォームとパワートレーンを仕立てあげ、すでにAクラスとBクラスを日本導入しているが、さらに第3のモデルとして、欧州でセダンのCLAを発売した。それも単純に3ボックス化しただけのモデルではなく、CLSの弟分といえるクーペ風のボディスタイルを採用した。
さらに、カッコ重視なだけではなく、燃費トップランナーモデルならCd値=0.22、通常モデルでも0.23という市販車世界一の空力の良さを達成している(これまではメルセデス・ベンツ Eクラスクーペとトヨタ プリウスの0.25が最高だった)。理論的な造形でもあることがドイツ車らしい。
ハードウエアはAクラスに準じているので乗り味も同じかと思いきや、さにあらず。かなり快適志向だった。Aクラスはビックリするぐらいスポーティなモデルになり、数多くある欧州スポーツハッチと対決させても、もっとも硬派と思えるくらいだ。そのぶん、乗り心地も引き締まっているが、CLAはセダンらしい快適な方向を目指したのだという。
従来からのメルセデス・ベンツらしい乗り心地は継承された
モノとして違うのは、リアアクスルのサブフレーム取付け部分にブッシュを追加して、角張った入力感をなくしたこと。あとはセッティングを変更しただけだが、ショックアブソーバーのチューニングには念を入れたという。たしかに、しなやかなサスペンションの動きは、いかにも質の高いショックアブソーバーのそれだ。
低速域ではあたりがソフトだが、速度を上げていけばしっかり感があり、フラットな姿勢を保ち続ける。従来からのメルセデスらしい乗り心地だ。それでいて、Aクラスのようなスポーティなハンドリングもキープしている。ステアリングホイールを切ったときの俊敏なノーズの動き、コーナーの立ち上がりでアクセルペダルを踏んだときの強力なトラクション性能などは健在だ。
1.6L/2Lの直噴ターボエンジンと7速DCTの組み合わせは、すでにA/Bクラスでも採用されているものだが、登場から1年ほどで早くも熟成感が漂っている。絶対的な性能には変わりはないが、アクセルペダルを踏む量やスピードに対してのトルクの出方や変速プログラムが自然で、一体感がある。
コンパクトながらプレミアム感絶大なスタイルのメルセデス・ベンツ CLA。こいつは日本でも、新たな潮流を巻き起こしそうだ。
メルセデス・ベンツ CLA250(日本仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4685×1780×1430mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1500kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1991cc
●最高出力:155kW(211ps)/5500rpm
●最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1200-4000rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●JC08モード燃費:16.6km/L
●タイヤサイズ:225/40R18
●当時の車両価格(税込):459万円
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