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グローバルメガサプライヤー「AUMOVIO」が本格始動! コンチネンタルからオートモーティブ部門が完全独立 社長が語る「グローカル戦略」と未来像とは

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グローバルメガサプライヤー「AUMOVIO」が本格始動! コンチネンタルからオートモーティブ部門が完全独立 社長が語る「グローカル戦略」と未来像とは

■オートモーティブ部門が独立、世界的な“大変革”に対応

 2025年12月5日、ドイツのメガサプライヤー「コンチネンタル」から独立した新会社「AUMOVIO(オモビオ)」日本法人の会見が行われました。

【画像】コンチネンタルから独立した「AUMOVIO」会見の様子

 会見では代表取締役社長の難波祐一郎氏が登壇。独立の背景や、日本市場での戦略を語りました。

 オモビオは、コンチネンタルグループのオートモーティブ部門分社化によって誕生した独立企業です。2025年9月にフランクフルト証券取引所へ上場。それに伴い日本法人も11月より新社名での取引を開始しています。

 このスピンオフの背景には、難波社長が指摘する自動車業界を取り巻く四つの大きな変化があります。それは、地政学的な変動、温暖化対策、AI技術の発展と浸透、そして電動化やSDV化といったモビリティ分野の「かつてないスピードでの変貌」です。

 難波社長は、この変化の波に対応するため、「フリーで迅速、柔軟な体制を整える必要がある」と感じ、独立に踏み切ったと説明。コンチネンタルが150年以上にわたり培ってきた安全、品質、信頼の伝統を受け継ぎながらも、「自らのスピードと創造性で新しいモビリティの価値を作っていきたい」と、新たな船出への強い決意を表明しました。

 同社は現在、全世界で約8万6000名の従業員を抱える巨大なサプライヤーであり、2024年の年間売上高は200億ユーロ(日本円で約3兆6000億円)に達する見込みです。また、保有する56の製品群のうち、その8割が世界市場でトップ3のポジションを占めているという、技術的にも強力な基盤を持っています。

 このように強固な基盤を元に、オモビオは「未来のモビリティをけん引するパワーハウス」として、進化を続けていきます。難波社長は「コネクテッドと自動運転の技術を通じて安全でエキサイティングなモビリティを実現したい」とし、「Safe」「Exciting」「Connected」「Autonomous」という4つの目的を示しました。

 特に「Autonomous」、自動運転の分野においては「まだまだ我々の技術を革新させて、特に安全面、交通事故を削減することは可能だと思っている」と強調。日本における交通事故死亡者数は、1970年をピークに減少を続けていますが、それでも2024年は2663人が交通事故で命を落としています。さらに、海外に目を向けるとインドでの交通事故死亡者数は16万人以上にのぼります。

 難波社長は下記のように、課題解決への意気込みを語りました。

「高齢者の運転操作ミスによる事故も多発しており、アシスト機能や自動運転などへの関心は高まっています。より多くの人命を守るため、高性能かつ、多くの車両に搭載できるような、安価なシステムが求められている。

 オモビオは、メガサプライヤーとしての業界の一角を担っており、交通安全やモビリティを背負う立場にあります。その社会的責任を果たすべく、真摯に、これらの問題に取り組んでいきたいと思っています」

●日本市場を最重要視する理由と独自の「グローカル」戦略

 オモビオは、日本市場をグローバル戦略における極めて重要な拠点と位置づけています。その理由として、2030年においても日本の自動車メーカー(JOEM)がグローバルマーケットシェアの約25%をキープする見込みであること、その中核となる日本の強固な自動車産業とサプライチェーンが存在することを挙げました。

 この日本市場で成長を加速させるため、難波社長が提唱するのが「グローカル(GLOCAL)」戦略です。これは、オモビオの持つグローバルな技術力とスケールに、日本の優れた特性を融合させることを意味しています。

 難波社長は「日本流の良いところ、例えば『おもてなしの気持ち』や細部にまで考え抜かれたプロセスによって築き上げられた高い品質基準を、グローバルスケールと掛け合わせて、我々の強みにしていきたい」と述べました。

 この戦略に基づき、日本の品質管理の考え方を世界に広める活動や、日本独自のイノベーション創出のため、国内スタートアップ企業との協業も積極的に視野に入れているとのことです。

「これまではどちらかというとドイツからの提案、ドイツメーカーの車両に搭載された製品を日本のお客様に紹介していくという少し一方通行のようなところがあったと思いますが、だいぶ時代も変わりました。

 やはりローカルに適した、現地のお客様のニーズに合った仕事をしていかないとこれ以上の成長はないので、このような戦略が必要だと思っています」(難波社長)

 オモビオ ジャパンは、神奈川県横浜市の本社、エンジニアリングセンターをはじめ、全国に12拠点を展開しており、約1300名の従業員を抱えています。これは、国内の自動車メーカーやティア1サプライヤーに対して、より近い距離で、日本独自の要求に応える体制を整えている証しといえます。

 また、日系自動車メーカーとの関係構築のフロントラインやグローバル各市場に向けた戦略、技術ロードマップのインテリジェンス、エンジニアのみならず品質・営業担当者も含むエキスパート人材の確保など、様々な役割を担っています。

●SDV時代を牽引する革新技術と具体的な製品ロードマップ

 SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の進化が加速する中、オモビオは、ハードウェア、ソフトウェア、AI、クラウドサービスまで、全てのバリューチェーンをおさえた「ワンストップ」での対応力を最大の強みとしています。

 同社の事業は、「Safety and Motion」「User Experience」「Architecture & Network Solutions」「Autonomous Mobility」の四つの柱で構成されています。

「Safety and Motion」事業部では、ブレーキキャリパー、制御用コントローラー、車輪速センサー、エアバッグのECUなどを展開。

「User Experience」事業部は、センターディスプレイやヘッドアップディスプレイ(HUD)などを扱います。

「Architecture & Network Solutions」は、ゲートウェイECU、ボディECU、キーフォグ、デジタルスマートキーなどを担当。難波社長はこの部門が、「今後最も伸びるであろう、まさにSDVを実現していく、キーとなる事業部」としています。

「Autonomous Mobility」は、レーダー、レーダー、カメラ等を担当しています。完全自動運転の駐車支援システムの開発もまもなく終了するとのことです。

 技術革新の具体的な製品ロードマップとして、特に注目すべきなのは、自動運転技術とブレーキシステムの進化です。

 オモビオは、米Aurora Innovation社とパートナーシップを組み、主に商用車(トラック)向けに2027年頃からレベル4自動運転の実用化を目指しています。

 オモビオがハードウェアや、万が一の際の安全を確保するフォールバックシステムを提供し、Aurora社のオペレーションシステムと融合させることで、この革新的な自動運転の商用展開を牽引していく方針です。

 また、ブレーキシステムは同社の伝統的な強みの一つですが、電動化時代に合わせて進化を続けています。EVやハイブリッド車(HEV)に適した油圧フォールバック機能付きブレーキバイワイヤ「One Box ブレーキシステム」は、2028年から2029年にかけて製造・供給が開始される予定。従来の油圧と電気を組み合わせたシステムから、油圧を排除した「フルドライブレーキシステム」の開発も進めています。

 ほかにも、運転支援システム(ADAS)の分野では、悪天候時の視界不良をAI技術でサポートするカメラシステムや、単なる大型車載ディスプレイではない、情報を3Dで表示することが可能な「ナチュラル3Dディスプレイ」を開発中。ドライバーが直感的に情報を理解できるデザインを追求し、車内体験(UX)をより「エキサイティング」なものに変えていく提案を続けていくとのことです。

●未来のモビリティを「共に創るパートナー」へ

 オモビオが目指すのは、単なる部品供給にとどまらない、未来を「共に創るパートナー」としての存在です。難波社長は、技術の進化だけでなく、パートナーシップにおける信頼関係の重要性を強調し、会見を締めくくりました。

「技術だけではなく、人とのつながり、信頼を大切にすることが重要です。世界中のメンバーがそれぞれの知見を活かし、グローバルのワンチームとして強固な連携を持ち、日本のお客様の求める高い品質を確実にプロセスに落とし込み、信頼されるパートナーになっていきたいと思っています」

 電動化、SDV、自動運転が加速する激動の時代に、日本の自動車産業の伝統と手を携え、その成長を「スピードと柔軟性、そして競争力」を武器に支えていくとしています。

※ ※ ※

 なお、同社は2026年1月6日~9日までアメリカのラスベガスで開催されるテクノロジー見本市「CES 2026」に出展。SDV技術、インテリジェントディスプレイ、次世代自動運転システムなどが融合した、オモビオの最新技術を紹介する予定です。(くるまのニュース編集部)

文:くるまのニュース くるまのニュース編集部
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