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フェラーリ初のSUVはこんなクルマに 最新プロトタイプ発見 V12エンジン搭載か

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フェラーリ初のSUVはこんなクルマに 最新プロトタイプ発見 V12エンジン搭載か

フロントミドシップのクーペSUV

フェラーリは、2022年にSUVを導入する準備を進めている。そして、これまでに目撃されたマセラティ・レヴァンテをベースとした開発車両ではなく、市販仕様のボディワークを採用したプロトタイプのテストがついに始まった。

<span>【画像】新型「プロサングエ」の試作車【ライバルと写真で比較】 全123枚</span>

デザインの詳細は、厳重なカモフラージュでまだよく確認できないが、構造を共有するマセラティとどれほど違うものになるかをはっきりと示している。重要なのは、大きく弧を描くルーフラインで、クーペSUVのスタイリングを示唆していることだ。

短いオーバーハングと長くて低いボンネットも特徴的で、フェラーリ初のSUVとして、ビッグパワーと優れたハンドリングを実現すると期待される。

ボンネットの前縁が低いことから、重量配分の改善のためにエンジンをできる限り後方へ押し込み、812スーパーファストのようなフロントミドシップのレイアウトを採用していると思われる。

イタリア語で「サラブレッド」を意味する「プロサングエ(Purosangue)」というコードネームで開発されており、2022年の発表を見込んでいる。アストン マーティンDBX、ベントレー・ベンテイガ、ランボルギーニ・ウルス、ロールス・ロイス・カリナンなどとは異なるポジショニングにより、ライバルとの差別化が図られるだろう。

既存のライバルとは異なるポジション

社内では「175」とも呼ばれている新型SUVは、昨年明らかにされた15台のニューモデルのうちの1台で、2023年までに発売される予定だ。

これらのニューモデルは2つの専用アーキテクチャーをベースに作られる。1つはF8トリブートのようなミドエンジンのスーパーカー用、もう1つはプロサングエを含むフロントミドエンジンのGTスタイルのモデル用となっている。

フェラーリのマイケル・ライターズ最高技術責任者は独占インタビューで、「このクルマと技術的コンセプトには確信を持っている」と明かした。

「真のSUVであり、SUVのお客様を納得させるコンセプトとパッケージを持っていますが、その一方で既存SUVとの大きな差別化コンセプトを備えてます」

このコンセプトは、フォルクスワーゲン・グループのMLBプラットフォーム(トゥアレグ、アウディQ7、ベントレー・ベンテイガ、ランボルギーニ・ウルスで採用)のような、グループで共有されている構造とは対照的に、自前のアーキテクチャーを組み合わせることで、SUVならではの室内スペースや快適性、フェラーリに期待されるパフォーマンスを実現するというものだ。

ライターズは次のように語っている。

「課題は、フェラーリの新しい分野を開拓することです。わたし達は常にシャープなポジショニングを持っています。特定の要素に焦点を絞って開発し、ある種のトレードオフを行うのです。ここでは、全く異なるトレードオフが必要になります。全く新しいエンジニアリングの課題を抱えることになるでしょう」

V6ハイブリッド or V12エンジン?

2種類のアーキテクチャーのうちミドシップではない方は、V6、V8、V12のエンジンに対応し、ハイブリッドの有無にも、トランスアクスル・デュアルクラッチATにも、後輪駆動や4輪駆動にも順応できる柔軟性の高さを持つ。定員も2名か2+2、4名かを選べるほどホイールベース長は伸縮が可能で、クーペやスパイダー、車高の高いSUV形状に対応するという。

この調整幅の中から、SUVの場合は全長5mの4シーターに設定された。高めの最低地上高は車高調整可能なサスペンションによって実現されるだろう。オフロード性能とオンロード性能を両立させるため、アンチロール・システムも採用されるはずだ。パワートレインはSF90ストラダーレのものを派生させ、環境規制に合わせてプラグイン・ハイブリッドも採用するようだ。

SF90のハイブリッドシステムでは、4.0LのV8エンジンに3基のモーターを搭載。モーターの1基はエンジンとトランスミッションの間に配され、2基はフロントタイヤを駆動することで、4輪駆動を実現する。新型SUVでは、開発中のV6ターボが採用される可能性が高い。また、フェラーリはV12エンジンの開発に取り組んでおり、新型SUVへの導入も検討されているようだ。

「SF90は、非常に多くの革新技術を投入した新しいクルマです。ここから、多くのモデルへと発展していくでしょう。ですが、SUV開発の課題にはまったく異なるものも含まれています。イノベーションも必要とされ、組織としても多くの学びがありました」

初のSUVにおける技術面での課題とは

レイターズはエンジニアリング面で取り組んでいる課題についても触れた。

「広いだけでなく、人間工学に基づいた快適で安楽な空間を生み出すには何が必要でしょう?スポーティでありながら、快適性にも重点を置いたデザインとは?ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)のより民主化された理想とは?本当の意味での快適性とは?フェラーリの純粋なDNAを備えた快適性とは何でしょうか?」

「それが取り組むべき課題であり、面白さでもあります。それぞれの概念は近いところにありますが、開発ではラインナップの広がりを構築し、異なるモデルを生み出すことを目指しているのです。V6やV12の搭載については明言できませんが、想定はしています。わたしの仕事は新しいモデルの可能性を示すこと。そして市場ニーズに耳を傾けることです」

「求められる機能性はお客様によって異なります。どれだけの広さが必要なのか。6気筒や8気筒は必要なのか。ホイールベースは長い方が良いのか。そこでV6、V8、V12エンジンを用意し、フロントミドシップやミドシップ、ハイブリッドの有無や駆動方式、シートレイアウトなど幅広い選択肢を用意します。ホイールベースの長さも自由です。最小限の影響で、ドライブトレインやレイアウトを変更できるのです」

フェラーリのデザイン部門の主任であるフラビオ・マンツォーニによれば、物議を醸すであろう同社初のSUVのために、デザイナーは当初からエンジニアリング部門とともに仕事を進め、より最適なプロポーションを目指してきたという。

「最初のステップでクルマのデザインが定義されますが、エンジニアと協力しながら方向性を決めていきます。プロポーションとボディサイズを決定することで、優れたデザインのベースが生まれるのです。それはSUVの場合でも同様です」

「多くのSUVは、他のクルマの派生モデルです。デザイナーは技術要件での制約をクリアしなければなりません。フェラーリの場合、妥協は許されないのです。エンジニアと一緒にデザインを進めなければ、パッケージの決定段階で問題が発生します。新しいプロジェクトを始める時は、(他部署との)協力を推奨しています」

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