現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ビジネスクラスな快適性!「AK550」1週間インプレ【キムコ】

ここから本文です

ビジネスクラスな快適性!「AK550」1週間インプレ【キムコ】

掲載 更新
ビジネスクラスな快適性!「AK550」1週間インプレ【キムコ】

キムコ社創立50周年のアニバーサリーモデルとして発表されたAK550。新設計のフレームとエンジンに加えて、スマートメーターやデュアルパワーモードといった最新機能まで標準採用する、まさしくフラッグシップモデルなのである。(REPORT:近田 茂 PHOTO:山田俊輔)

試乗車を目の当たりにした瞬間、そのスタイリング、車格感等、全ての雰囲気がヤマハTMAX530の真っ向ライバルであることを主張しているように感じられた。そもそもTMAX530やこのAK550といった大排気量のスポーツスクーターは、日本より巡航速度の高い欧州各国において支持を得ている。

200項目のアップグレードってスゴい! 「トライアンフ新型タイガー1200」

後発の新規参入で話題を巻いたマキシスクーターのBMW C650GT/SPORTや、アドベンチャーツアラーとして独自の個性を加味したホンダX-ADV 等が凌ぎも削る同カテゴリーにおいて、キムコのフラッグシップモデルであるAK550 は127 万4400円というやや高めの価格設定で2017年に発表。ご存知かとは思うが、BMW C650 GT/SPORTのエンジンはキムコが供給元。その開発にはドイツBMW の意向が反映されたことは間違いなく、発売後の信頼性も含めてそこで培われた物に、キムコもかなりの自信を育んだ。AK550の強気の価格にはそんな所にも一因があるのではないだろうか。

また斬新な装備として注目できるのは、革新的スマートメーター「Noodoe」の採用だ。あらかじめ専用アプリケーションをダウンロードしたスマートフォンと、「Noodoe」をブルートゥースでペアリングすれば、ディスプレイ画面の様々なカスタマイズやスマホデータの連携表示ができるようになっている。
時刻や天気予報、あるいはSNS の更新情報などをメーター中央部の丸形ディスプレイに表示可能。駐車場の位置を自動記憶したり、仲間の走行位置を把握するといった機能もある。ユーザーが用意した画像をアップロードすれば、メーターの壁紙として飾ることも。つまりスマホ機能を連携させることを可能とするのが新しい。

エンジン始動などはスマートキーで対応。キーレスセンサーは半径80cmで作動するとマニュアルには記載されていたが、実際にはそれ以上離れていても作動し、非常に扱いやすく感じた。ライダーはそれをポケットに忍ばせていればイグニッションやシート等の解錠、そしてハンドルロックも簡単に操作できる。
一週間程様々なシーンで試乗してみたが、日常的には扱いが重く車体サイズも大きい点が印象深い。この類のスクーターは皆大柄で車庫スペースもかなり奪われるが、そこからの出し入れが結構しんどかった。10kg程軽いT-MAX と逆に重いX-ADV との中間的なデータ。200 kgをゆうに超える車重は、TMAX530よりも軽く、X-ADVよりも軽い数値である。押し引きした際の印象も、この数値の通りの印象で、転がりのフリクションを含めてかなりの重量感があった。

その一方で、一度高速クルーズにシーンを移すとその鈍重だったキャラクターは激変する。ウインドプロテクションに効果的なスクリーンの存在やハンドルヒーター等、そこには快適な移動空間がもたらされる。航空機でいうならばビジネスクラスとでもいうべきだろうか、ドッシリと落ち着きのある直進安定性と素直な操縦性とのバランスも良い。頼れるブレーキ性能も含め、どこまでも距離を伸ばしてみたい、あるいは遠くまで疲れ知らずで走れる感覚を覚えた。前後15インチホイールとロングホイールベース、そしてかなりシッカリ造り込まれたフレームとサスペンションはスポーツスクーターのそれに相応しいポテンシャルを発揮しているのだ。

またエンジン性能もこのマシンの要といえる部分。水冷DOHC4バルブ550cc並列2気筒エンジンは、このAK550のために作られた新設計で、最高出力53.5ps、最大トルク55.64Nmとクルージングには十分すぎるほどの実力を誇る。手元のスイッチで簡単に切り替えることができる「デュアルパワーモード」も標準採用。スポーツ走行向けの「フルパワーモード」と、エンジン出力やスロットルレスポンスを抑えた「レインモード」から環境に合わせて選択できる。つまり単なるツーリング用途としてだけではなく、走りにこだわりを持つスクーターフリークも存分に楽しむことができる1 台なのである。

なお今回の実走燃費は、高速道路、都内市街地と郊外をほぼ均等に約220 km走り、トータルで16.5km/Lだった。


見どころの一つが新搭載のスマートメーター

足周り、エンジンも最新鋭

小ぶりながらも便利な収納スペース

足着き性はやや難ありか

【Specifications】
・環境性能Euro 4
・総排気量水冷DOHC4バルブ並列2気筒 270度クロスプレーン
・排気量550.4cc
・燃料タンク容量15リットル
・最高出力39.3kw(53.5ps)@7,500 rpm
・最大トルク55.64Nm@5,500 rpm
・クラッチ湿式多板オートマチック
・変速機形式CVT無段変速
・最高速度161.7 km/h(実測値、計測条件により結果は異なります。)
・シート高(mm)785mm
・シート下収納スペースフルフェイスヘルメット×1 + 1/2ヘルメット×1
※フルフェイスヘルメット寸法 L365 × W290 × H270 mm
・装備重量226 kg
・パワーウエイトレシオ4.22 (226kg÷53.5ps)
・前後重量配分49:51
・フレームアルミニウムフレーム
・全長×全幅×全高(mm)2,165 × 795 × 1,400 mm
・軸距(mm)1,580 mm
・バックミラー折り畳み式 防眩ミラー
・グリップヒーター標準装備
・シート 調整式バックレスト(工具不要)
・ウインドスクリーン 2段階調整式
・フロントサスペンション形式 41mm倒立式サスペンション
・リヤサスペンション形式 ホリゾンタルトレーリングアームリヤサスペンション
・フロントタイヤ 120/70-15(メッツラー)
・リヤタイヤ 160/60-15(メッツラー)
・パワーモードフルパワー / レインモード
・タイヤ空気圧モニタリングシステム標準装備
・ヘッドライトLED
・リヤライト LED
・ウインカー LED
・ABSBosch 9.1標準装備
・フロントブレーキ形式ブレンボラジアルマウント ダブルフローティングディスクΦ270mm
・リヤブレーキ形式シングルディスク Φ260mm
・カラーラインナップ マットブラック、マットメタリック
・メーカー保証3年保証(距離無制限)
・生産地 台湾
・メーカー希望小売価格(税込)1,274,400円

関連タグ

こんな記事も読まれています

キドニー・グリルからキンクまで 「BMWらしいデザイン」とは何か 8つの特徴を紹介
キドニー・グリルからキンクまで 「BMWらしいデザイン」とは何か 8つの特徴を紹介
AUTOCAR JAPAN
3/4サイズの「セブン」は50ccの原付きカー! ワンオフで製作してナンバー取得済み。左足アクセル仕様の理由とは【マイクロカー図鑑】
3/4サイズの「セブン」は50ccの原付きカー! ワンオフで製作してナンバー取得済み。左足アクセル仕様の理由とは【マイクロカー図鑑】
Auto Messe Web
「しっとり」と「猛烈」の共存 BMW i5 M60 xドライブ 電動の旗艦が見せた幅広い守備範囲に脱帽
「しっとり」と「猛烈」の共存 BMW i5 M60 xドライブ 電動の旗艦が見せた幅広い守備範囲に脱帽
AUTOCAR JAPAN
自動車のカタログ好きは集まれ! ACC・JAPANが東京交歓会を開催
自動車のカタログ好きは集まれ! ACC・JAPANが東京交歓会を開催
driver@web
B-Max Racing Teamが厚木基地の日米親善春祭りにレースカーを展示。乗車体験やサイン会で盛り上がる
B-Max Racing Teamが厚木基地の日米親善春祭りにレースカーを展示。乗車体験やサイン会で盛り上がる
AUTOSPORT web
ホンダ「ヴェゼル」マイナーチェンジ!アウトドアスタイルの新パッケージ「HuNT」登場!
ホンダ「ヴェゼル」マイナーチェンジ!アウトドアスタイルの新パッケージ「HuNT」登場!
グーネット
メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
レスポンス
マルチクラッシュ決着を突破したタイラー・レディックが今季初勝利。MJも現地で祝福/NASCAR第10戦
マルチクラッシュ決着を突破したタイラー・レディックが今季初勝利。MJも現地で祝福/NASCAR第10戦
AUTOSPORT web
藤原慎也、2026年にダカールラリー挑戦へ「自分史上最大のプロジェクト。果てしない過酷な道を走破したい」
藤原慎也、2026年にダカールラリー挑戦へ「自分史上最大のプロジェクト。果てしない過酷な道を走破したい」
AUTOSPORT web
“6速MT”もある新型「トルネオ」!? SUV風デザインが超カッコイイ! 日本でも”最高にちょうどいい“「コンパクトミニバン」とは
“6速MT”もある新型「トルネオ」!? SUV風デザインが超カッコイイ! 日本でも”最高にちょうどいい“「コンパクトミニバン」とは
くるまのニュース
ホンダアクセス、新型ヴェゼル用・純正アクセサリーを発売開始
ホンダアクセス、新型ヴェゼル用・純正アクセサリーを発売開始
月刊自家用車WEB
これからの物流の要となる小型EVトラック普及の鍵! EV充電スポットが「小型EVトラック」にも開放された
これからの物流の要となる小型EVトラック普及の鍵! EV充電スポットが「小型EVトラック」にも開放された
WEB CARTOP
横浜ゴム「GEOLANDAR X-CV」「GEOLANDAR A/T G31」がトヨタ 新型「ランドクルーザー250」に新車装着
横浜ゴム「GEOLANDAR X-CV」「GEOLANDAR A/T G31」がトヨタ 新型「ランドクルーザー250」に新車装着
くるまのニュース
スフィアライトから「純正LEDフォグパワーアップバルブ」が発売
スフィアライトから「純正LEDフォグパワーアップバルブ」が発売
レスポンス
明るい話題だけではやっていけない。メルセデスF1代表、終わらない苦戦から「チームが一歩踏み出す必要がある」
明るい話題だけではやっていけない。メルセデスF1代表、終わらない苦戦から「チームが一歩踏み出す必要がある」
motorsport.com 日本版
WRC育成2期生、初のターマック戦『クロアチア・ラリー』を完走。グラベルクルーとの連携も経験
WRC育成2期生、初のターマック戦『クロアチア・ラリー』を完走。グラベルクルーとの連携も経験
AUTOSPORT web
どこがどう違う?ボルボの最新コンパクトEV「EX30」とレクサス「LBX」を徹底比較
どこがどう違う?ボルボの最新コンパクトEV「EX30」とレクサス「LBX」を徹底比較
@DIME
日本で大人気の「軽自動車」なんで海外で売らないの? コンパクトで「燃費・性能」もバツグン! “高評価”でもメーカーが「輸出しない」理由とは
日本で大人気の「軽自動車」なんで海外で売らないの? コンパクトで「燃費・性能」もバツグン! “高評価”でもメーカーが「輸出しない」理由とは
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

113.4150.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.042.0万円

中古車を検索
クルーズの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

113.4150.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.042.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村