年次改良にも力を注ぐレクサス
国内自動車メーカーのイヤーモデル試乗会は、少し前まで皆無だった。
一方の輸入車、特に欧州車はそのあたりに敏感だ。
採算に見合うとなれば、見えない個所を変更することが多々ある。
レクサスは自動車メーカーでは国内唯一のプレミアムブランドだ。だからこそ意識も高く、丁寧に年次改良を行っている印象がある。
今回はとフラッグシップセダンのLSと、ラグジュアリークーペのLCの改良モデルに試乗したので、その模様をお届けしたい。
フラッグシップらしく乗り心地と静粛性が向上
まずはLSから試乗だ。
ハイブリッドモデルである初期のLS 500hは、瞬間的に路面とのコンタクトを探るようなエアサスのセッティングが顕著に表れていて戸惑った。
しかし、2018年に年次改良されたモデルに試乗した際には、少しの変化がみられた。サスペンションが路面に追従して心地くなっていたのだ。
今回はネガティブな部分が、どのくらい払拭されているのだろうか。
1年ぶりのLSの試乗だ。フラッグシップだけに、素材を改良し質感の向上には余念がない。
Dレンジに入れてスタートした。走り出しは本当になめらかだ。
以前のような思いがけない前後のシェイクがかなり低減されていて、乗り心地がよい。
これはサスペンションセッティングだけではなく、最適なセッティングを求めた変更点だ。
簡単に言うとドライバビリティの、ギクシャク感が少なくなった。
その結果、乗り心地まで変化が出てきている。
そして何よりもスロットルの開け方をマイルドにしやすくなっているために、静粛性も向上している。
フラッグシップは乗り心地と静粛性がモットーである。
意図的なのか、それとも様々な部分を最適化した恩恵なのか、負荷をかけてエンジンが始動したときの回転の立ち上がりも抑えられているように感じられた。
これはハイブリッドの高級車に求められるセッティングである。
新しいプラットフォームとともに発売から2年が経過したが、確実に良質な乗り心地の質感に変わってきている。
上品な配色で質感を統一されたLC
同じプラットフォームで、LSより半年以上早く市販されたフラッグシップグランドツアラーのLCも、イヤーモデルで様々な改良点があるという。
中でも“パティーナ エレガンス”という特別モデルは、試乗前に見た瞬間から興味津々だったので楽しみだ。
今回の試乗車である、テレーンカーキマイカメタリックのボディカラーは、華やかでいて上品さがある。
内装のパティーナブラウンは使い込んだレザーのような色合いで、それとのマッチングもいい。個人的に好きな配色だ。
LCにはV型8気筒エンジンを搭載したLC 500と、もうひとつLS 500h同様のパワーユニットのLC 500hがある。
500hの初期モデルは、サスペンションがしなやかではなかったが、年次改良で確実に良い方向に向かっている。
トランスミッションとエンジン&モーターのマッチングも、初期に比べるとスムーズになっていた。
今回は、LC 500を試乗したのでそちらをお伝えしたい。
天気は曇りであったがテレーンカーキマイカメタリックは、近くで見ても遠くから見ても本当にいい色だ。
ビロードを張ったようなしなやかさを持ち合わせたレザーは、レクサスでは最も品質がいいと言っても間違いないであろう。レザーの香りも本物だ。
一般的に車のシートに使われるレザーのほとんどは塗装のようなコーティングで、吸い付くような肌触りは皆無である。
しかし、このパティーナブラウンのレザーはとてもいい。
インテリアにも使われる人工スエードとの相性も抜群だ。
ステッチも本ステッチで、細部にも丁寧な作り込みを感じられる。所有する喜びをさらに高めるアイテムだ。
高速走行に向く乗り味
エンジンを始動して試乗だ。急激なトルクの盛り上がりもなくスマートに加速する。
デビュー当初よりもステアリング系がより緻密なセッティングになった印象で、ステアリング操作すべてが連続的でしっかりとしてなめらかだと感じる。
しかも確実に路面とコンタクトをとっている。フロントが軽くなったような印象だ。
コンフォート、スポーツ、スポーツ+とモードを変化させて走る。タイトで路面状況が細かく変化する道路よりも、中速から高速のドライビングを楽しむにもってこいなセッティングである。
この色とこのインテリアで、必死になってドライビングするのはナンセンスといえる。
今後もレクサスのセッティングを探す道は続くはずである。
そして基本を充実させた、新しいLCの乗り味に早く出合いたいものである。
文/松本英雄、写真/篠原晃一【試乗車 諸元・スペック表】●LS 500h型式6AA-GVF50最小回転半径5.6m駆動方式FR全長×全幅×全高5.24m×1.9m×1.45mドア数4ホイールベース3.13mミッションCVT前トレッド/後トレッド1.63m/1.64mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)2.15m×1.62m×1.16m4WS◯車両重量2210kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量2485kgミッション位置フロア最低地上高0.14mマニュアルモード◯標準色ソニッククォーツ、ソニックシルバー、ソニックチタニウム、ブラック、グラファイトブラックガラスフレーク、レッドマイカクリスタルシャイン、ソニックアゲート、スリークエクリュメタリック、ディープブルーマイカオプション色マンガンラスター掲載コメント※G-Linkは新車登録後3年間無料です エンジン型式8GR-FXS種類V型6気筒DOHC過給器-可変気筒装置-総排気量3456cc最高出力299ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm356(36.3)/5100環境対策エンジンH30年基準 ☆☆☆☆☆使用燃料ハイオク燃料タンク容量82リットル燃費(JC08モード)15.8km/L燃費(WLTCモード)13.6km/L└市街地:10.4km/L└郊外: 13.8km/L└高速: 15.5km/L燃費基準達成R02年度燃費基準 +30%達成車エンジン型式8GR-FXS環境対策エンジンH30年基準 ☆☆☆☆☆種類V型6気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器-燃料タンク容量82リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)15.8km/L総排気量3456cc燃費(WLTCモード)13.6km/L└市街地:10.4km/L└郊外:13.8km/L└高速:15.5km/L燃費基準達成R02年度燃費基準+30%達成車最高出力299ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm356(36.3)/5100エンジン型式8GR-FXS種類V型6気筒DOHC過給器-可変気筒装置-総排気量3456cc最高出力299ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm356(36.3)/5100環境対策エンジンH30年基準 ☆☆☆☆☆使用燃料ハイオク燃料タンク容量82リットル燃費(JC08モード)15.8km/L燃費(WLTCモード)13.6km/L└市街地:10.4km/L└郊外: 13.8km/L└高速: 15.5km/L燃費基準達成R02年度燃費基準 +30%達成車
●LC 500 パティーナ エレガンス型式DBA-URZ100最小回転半径5.4m駆動方式FR全長×全幅×全高4.77m×1.92m×1.35mドア数2ホイールベース2.87mミッション10AT前トレッド/後トレッド1.63m/1.64mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)1.87m×1.55m×1.08m4WS-車両重量1940kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員4名車両総重量2160kgミッション位置フロア最低地上高0.14mマニュアルモード◯標準色ソニックチタニウム、グラファイトブラックガラスフレーク、テレーンカーキマイカメタリックオプション色-掲載コメント※国内100台限定販売※G-Linkは初度登録後3年間無料型式DBA-URZ100駆動方式FRドア数2ミッション10ATAI-SHIFT-4WS-標準色ソニックチタニウム、グラファイトブラックガラスフレーク、テレーンカーキマイカメタリックオプション色-シート列数2乗車定員4名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径5.4m全長×全幅×全高4.77m×1.92m×1.35mホイールベース2.87m前トレッド/後トレッド1.63m/1.64m室内(全長×全幅×全高)1.87m×1.55m×1.08m車両重量1940kg最大積載量-kg車両総重量2160kg最低地上高0.14m掲載用コメント※国内100台限定販売※G-Linkは初度登録後3年間無料エンジン型式2UR-GSE環境対策エンジンH17年基準 ☆☆☆☆種類V型8気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器-燃料タンク容量82リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)7.8km/L総排気量4968cc燃費(WLTCモード)-燃費基準達成-最高出力477ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm540(55.1)/4800エンジン型式2UR-GSE種類V型8気筒DOHC過給器-可変気筒装置-総排気量4968cc最高出力477ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm540(55.1)/4800環境対策エンジンH17年基準 ☆☆☆☆使用燃料ハイオク燃料タンク容量82リットル燃費(JC08モード)7.8km/L燃費(WLTCモード)-km/L燃費基準達成-
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