パーツは欠品の嵐でどうなる!?
北関東某所で発見した三菱「ギャランAMG」は、納屋モノの1台。前オーナーは健在だがもう乗らなくなったそうで、「これから乗り続けていくのなら」という条件のもと、筆者が譲ってもらうことに。そこで、路上復活への道から、ギャランAMGとのカーライフを不定期でお届け。第2回目は「ナンバー取得までの道のり」をお届けする。
北関東で発見した納屋物件! 正真正銘AMGがチューニングした「ギャランAMG」路上復活作戦スタート【ギャランAMG長期レポ】
ボディは綺麗だが下まわりにダメージが多い
いわゆる納屋モノ物件(納屋などで眠っていたクルマ)だった6代目三菱ギャランAMG。前オーナーから快く譲り受けたものの、はてさて、現状どうなっているのかをチェックしてみないことには、再生もままならない。まずは車両を引き取ってしかるべきところへ持ち込む、という作業が必要だった。
走行距離6万1900kmの「ギャランAMG(前期型)」を発見したのが2018年3月のこと。とっくに車検は切れており、ブレーキを引きずってはいるものの、とりあえず動きそうだ、という状態。盛大にホコリをかぶっていたが水洗いをして砂埃を流し落とすと、それなりにキレイであることに気が付く。さすがに屋根付き保管だったことはある。しかし、下まわりはそれなりにダメージがあることが分かった。
まずは車両を引き上げるにもローダーが必要ということで、取り急ぎ主治医を探す。何でもできそうな三菱系ショップであるとともに、レース活動も展開してきており、三菱オーナーでは知らない人がいない神奈川県川崎市にある「テストアンドサービス」に連絡。とりあえず車検を通すところまでの整備をお願いした。
車両を引き上げてもらって、まず、車両を確認してもらう。
「車両は平成2年登録の車両だが、すでにパーツなどは欠品の嵐で、どうよみがえるか全く見えない状態だ」と担当者からはさっそく厳しいコメント。補修できるところは補修でなんとかして、とりあえず走ること、そしてナンバーの取得ができるまでの状態にしてもらうということで話はまとまった。
昭和から平成にかけての時代に生産された車両の中には名車と言われる車両も多く、いまだ現役感を損なっていないうえに、各社がレストア事業を始めたり、いまだに乗り続ける層に向けたアフターサービスが充実する中で、6代目E30系ギャランはあまりにもマイナーである。さらにそのE30系の4年間の歴史の中でもさらに埋もれた超マイナー車であるギャランAMGなのだ。
希少車というハードルは極めて高い
そういった逆境の中でのレストア作業となった。まず取りかからねばならないのが、下まわりの錆。とくに触媒から後ろのセンターマフラーの錆がヒドく、フランジ側はボルトまで真っ赤っ赤、タイコ側には亀裂もあり、このあたりは補修および加工作業を依頼した。
またブレーキも、リアは固着がひどくピストンの再利用は難しそうだ。それでも数少ない在庫純正パーツを全国くまなく探してもらい、さらに補修できるところはしっかり補修し、とりあえず純正パーツおよびその補修で車両を走らせられる状態にまで復活となった。パーツをかき集める担当者は苦心。人の手による作業が非常に多いため、少し時間はかかったものの、2カ月弱の期間でナンバーの取得ができた。
そしてようやくわが手元にやってきたギャランAMG。実際に身近に置いてみると、ある違和感に気が付く。
三菱ロゴがない外観はまるでスズキ ラパンのよう……
日々付き合っていく中で、この車両の「三菱感」が極めて薄いことに気が付くのである。三菱グループの証であるスリーダイヤマークは外観に2カ所のみ。もっと言ってしまうと「MITSUBISHI」の表記は外観にはひとつもないのである(社名であるMitsubishi Motors Corporationの略字として当時使用されていたMMCのロゴマークがひとつあるのみ)。
それに気づいた著者はふと、「SUZUKI」のロゴマークの入っていないスズキ「ラパン」にも通ずるのでは……と思った。ラパンでいうところのウサギに代わり、ギャランに入れられているのが「AMG」のロゴだ。
前後バンパー、左右フロントフェンダー、ホイールセンターと、どの方向から見ても「AMG」のロゴが必ずある。車内に入ってもどこかしらに必ずロゴが目に入る。ステアリングホイール、各ヘッドレスト、アームレストと、これでもかといった具合にAMG社のエンブレムが入っている。その数はなんと15個。ちなみに車名の「GALANT」のロゴは、ギャラン全車で使用される共通パーツとなるクオーターガラス、内側ではフロアマット、リアトランクフードにある。
そんな発見もしつつ、ギャランAMGライフはスタートした。ということで次回はさっそくやってきた難題「貴重な豪華装備が!」にて、乗り続けることの難しさをレポートしたい。
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