「フェルナンドは”野獣”だよ！」フェルスタッペン、今季優勝してほしいF1ドライバーとしてアロンソを挙げる

　マックス・フェルスタッペンは、レッドブルがレースで勝てない場合に優勝してほしいドライバーとして、アストンマーチンのフェルナンド・アロンソの名を挙げている。

　レッドブルは2年連続のダブルタイトル獲得に向けて爆進中。今季はカナダGP前までの7戦で全勝を飾り、その圧倒的な強さから、今シーズン残りのレースもすべて勝利を収めるのではないかとさえ言われている。もし全勝を飾ることになれば、F1史上とてつもない偉業達成ということになる。

　しかし、フェルスタッペンはその可能性を否定。レッドブルとて全戦全勝を期待するのは無理があると彼は考えている。

　カナダGPを前に、レッドブルが優勝を逃した場合、どのドライバーに表彰台の頂点に立ってほしいかと尋ねられたフェルスタッペンは、アロンソの名前を挙げた。

「フェルナンドだ。彼が好きなんだ」とフェルスタッペンは言う。

「彼は本物のレーサーだし、彼はそれ（優勝）に相応しいと思う」

「彼は絶対に諦めない。彼がどれだけこのスポーツを愛しているか分かると思う。長年、中団グループでしか走れないマシンに乗っていると（F1への）愛を失ってしまうかもしれないから、時には『マジかよ』って思うこともある」

「でも、彼は本物のレーサーだ。彼は野獣だよ」

「だから、もし僕が今年のレースで勝ってほしいドライバーを訊かれたら、フェルナンドの名前を挙げるよ」

　またフェルスタッペンは独走を楽しんでいるものの、最近口にしている「もっと良いバトルをしたい」という願望は本音だという。

「正直、良い競争があるのは良いことだと思う」とフェルスタッペンは言う。

「2021年はもちろん楽しかった。2022年の展開も楽しめたけどね」

「もちろん、（2022年の）最初の頃は信頼性の問題もあったし、マシンも少し重かった。ただ、ある時点から最後までマシンは本当に圧倒的な強さだった」

「ただスポーツ全体としては、ひとつのチームだけが圧倒的な強さを誇っていると、みんなが少し退屈してしまうのはもちろん理解している。だから、もっと多くのチームがひとつの集団になって、ちょっとした問題が起きたり、セットアップが100％完璧にできていなかったりして、他のチームも勝てるようになれば良いと思う」

　ただフェルスタッペンはそう語る一方で、現在の成功をつまらなく感じたことは一度もないとして、毎レース勝利を目指して臨んでいると強調した。

「勝利は他の何よりも良いことだ」

　そして、自身を攻め立てるライバルがいないことでモチベーションを保つのが難しいのでは、と尋ねられたフェルスタッペンは次のように答えた。

「僕としては、勝てるだけのマシンがあると分かっているから、このモチベーションはさらに高まる」

「週末に向けて5位あたりがベストだと思うと、それがかなり良いリザルトだとしても、レースで勝てると分かっている時よりもモチベーションは下がるかもしれない」