はじめに
1938年、1974年、そして2020年。フォルクスワーゲンの歴史を振り返ったとき、これらは特別な意味合いを持つ年号だ。といえば、今回のテスト物件が、この世界最大規模の自動車メーカーにとっていかに重要なのか、伝わるのではないだろうか。
ひとびとが想像した以上に早く変革しようとしている自動車業界における、彼らの大望にとって重要、といってもいい。ビートルからゴルフへ、そこからID.3へ。フォルクスワーゲンの過去から現在がうまく切り替えできたように、未来へも移行したいというわけだ。
少なくとも、そういうプランを立てているのはたしかだ。ソフトウェアの欠陥で発売は遅延したが、それほど深刻な問題ではない。2020年12月、欧州でもっとも売れた新車はゴルフで、2万9949台だったが、それに続くのが2万6987台のID.3だったのだ。
付け加えるなら、第3位はテスラ・モデル3だった。このことから、自動車界の勢力図がどれほど急速に変化しているのか、よくわかるだろう。
フォルクスワーゲンとテスラの違いを挙げるならば、テスラがすでに4車種をラインナップし、さらに奇抜なサイバートラックをも発売しようとしているのに対して、フォルクスワーゲンにとってID.3が、これからはじまる業界きっての電動車攻勢における皮切りにすぎないということだ。
フォルクスワーゲンは今後、2028年までに70車種のフルEVを新規投入する計画を掲げている。そして、すでにその実現に向け着々と準備を進めており、2030年までに35%の達成を目指していた欧州での新車販売に占めるEV比率を、倍の70%に引き上げるとも公言している。
すでに発売済みのID.3とクロスオーバーSUVのID.4に加え、年内にはクーペ風SUVのID.5も市販化される予定だ。さらに、コンセプトカーのID.バズやID.ヴィジョンで示したように、このID.を冠するサブブランドには、ミニバスやサルーン、スポーツクーペなどさまざまなセグメントに及ぶ多様性が見込まれている。
もちろん、こうした動きへとフォルクスワーゲンを駆り立てた要因に、例のディーゼル不正問題があったことは否定できない。経営が傾くほどの打撃を受け、商売を成功裏に存続させる唯一の方法かもしれないのがID.ブランドの成長だ。贖罪の道、といってもいいかもしれない。
このイニシャルは「インテリジェントなデザイン、アイデンティティ、未来を見据えたテクノロジー」を表すというのが公式見解だ。じつに聞こえのいいマーケティング的説明だが、そうした色眼鏡は外して、ID.3の実力を客観的に探ってみたい。
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
だいたいのメーカーは、電動モデルへの移行を慎重に進めてきており、既存の内燃エンジン車用プラットフォームを改修して使うことが一般的だった。ところが、フォルクスワーゲンはじつに野心的で、専用ハードウェアの開発に多額の投資を行った。
ID.3の土台となるのは、新設計されたMEBアーキテクチャーだ。ホイールベースとトレッドのアジャストが可能で、今後はフォルクスワーゲングループ内で広く採用されるほか、2023年からはフォードが次世代EVでの使用もはじまる予定だ。
フォルクスワーゲングループとしては、EV専用の新開発プラットフォームはこれが2例目。第1弾はポルシェ・タイカンのJ1プラットフォームで、これはアウディもEトロンGTのベースとして使用している。
MEBは、電動パワートレインによる簡潔なパッケージングもあって、Cクラス級のハッチバックでありながら、ひとクラス上の広い室内を備えている。また、ソフトウェアの更新は、テスラのようにOTA、すなわち無線通信を介して行える。
トラス構造のバッテリートレーはアルミ製で、ID.3に用意される3サイズのバッテリーに対応できる。航続距離は、最大の77kWh仕様が541km、58kWh仕様が423km、48kWh仕様が322kmだ。しかし、注目すべきは重量で、中間サイズでも495kgある。
パワートレインのレイアウトは、数十年を遡った先祖返りのようなもの。リアモーターで後輪を駆動するRRレイアウトは、フォルクスワーゲンの祖であるビートルと同じフォーマットだ。
ドライブユニットはリアアクスルの真上、やや前寄りに積まれる。1万6000rpm回る永久励起交流同期モーターは、シングルスピードのトランスミッションを介して後輪を駆動する。オープンデフだが、ブレーキを利用したデバイスのXDSにより、左右輪へのトルク配分調節を行う。
モーターは、出力違いの2タイプを設定する。ハードウェアとしては共通だが、エントリーモデルのプロは145ps、上位のプロ・パフォーマンスと、77kWhバッテリーが搭載されるプロSは204psとなるセッティングだ。どちらの仕様でも、制動時には0.3Gの減速度を発生し、エネルギー回生でバッテリーを充電できる。
車体全面に目を向けると、公式発表された前後重量配分はほぼ50:50。前マクファーソンストラット・後マルチリンクのサスペンションはゴルフ同様で、標準仕様はパッシブダンパーを装着する。スポーツプラスパッケージを選ぶと、アダプティブダンパーと、プログレッシブ可変レシオのステアリングが与えられる。
内装 ★★★★★★★★☆☆
広く、まさに流行のミニマリスト的なデザインとレイアウトを採るID.3のキャビンだが、この25年ほどでフォルクスワーゲンの典型となった高い質感の水準には達していない。
ダッシュボードやドアに用いられるプラスティックは、驚くほど硬くプレーンな感じで、テスト車のそれはさまざまな色合いのグレーで仕上げられている。
センターコンソールにわずかながらみられる艶やかな黒のプラスティックや、ドアトリムに張られたファブリックを別にすれば、テスト車のインテリアはやや見栄えがダルいだけでなく、手触りも比較的つまらない。
オプションのカラーリングは多く、白いステアリングホイールやメーターパネル、オレンジのパネルなども選べるが、それでもプレーンでモノトーンのマテリアルで占められた室内にリッチさをもたらすほどではない。
機能面からみると、かなりよくできている。前席スペースには開放感がある。これは低く、雑然としたところがまったくないセンターコンソールの貢献するところが大きい。セレクターレバーやハンドブレーキレバーに場所を取られることもない。
その代わりに左右シートの間には小物入れとドリンクホルダーが用意され、ポケットに入れておいたらこぼれ落ちそうな携帯電話や財布、キーなどのもろもろはここに収めることができる。トランスミッションのセレクターは、メーターディスプレイの横に設置されている。BMW i3のようなスタイルだ。
ゴルフや、キアe-ニロなどの競合車よりホイールベースが長いので、後席も非常に広々している。レッグルームの実測値は760mmもあるが、これはe-ニロを10mm上回り、BMW3シリーズ・ツーリングへあと10mmに迫る。ヘッドルームは940mmと、そこまで余裕たっぷりではないが、平均的な体格の大人なら、長身のドライバーの後ろでも快適に過ごせるはずだ。
後席使用時の荷室容量は385Lで、ゴルフと同等だが、e-ニロの451Lには及ばない。フロアはフラットだが、開口部にそこそこ大きい段差がある。
走り
走って止まる一連の動きに、ずば抜けたところも、画期的なところも、驚きを覚えるようなところも、ID.3には一切ない。しかし、それこそがフォルクスワーゲンだ。
それはそうとして、並外れてはいないが、普通であることを再定義するという点ではよくできている。スロットルレスポンスは鋭いが、それでも十分にナチュラルなフィール。低いスピードからの加速はスムースで遅れがない。
スロットルペダルを思い切り踏み込んでも、メカニカルノイズは極めて少ない。開けた道路を走るような速度域に達すれば、そこまで速度を上げる際にみせた活気は徐々に先細ってくる。
どれもがまさしく予想通りで、フォルクスワーゲンがEVとしての走りにおいて、多くのライバルとの差別化を図ろうとはしなかったことがよくわかる。
ID.3の動力的なキャラクターを詳細にみていくと、より真価がわかりはじめるはずだ。まず、RRレイアウトの恩恵で、路面への駆動力伝達に優れる。前輪駆動EVのなかには、この点ではるかに劣るものがみられる。
とくにキアのe-ニロやヒュンダイ・コナ・エレクトリックがそうだが、スロットルペダルを急に踏み込むとホイールスピンが出る。ID.3なら、そのようなことは起きない。電子制御で抑制される前に、前輪は足掛かりを探そうとする。
その結果、一貫したストレートでのパフォーマンスと低速でのドライバビリティは、競合するEVのいくつかに勝る。完璧とはいえないコンディションにあってもだ。
氷点下に近い気温での路面が乾いた1マイルストレートでは、ゼロスタートから7.0秒で97km/hに達する。トルクで勝るe-ニロがドライサーキットでマークしたタイムを0.2秒凌ぎ、真夏にテストしたコナ・エレクトリックには0.3秒及ばなかった。
追い越し加速は、48-113km/hが6.5秒で、コナ・エレクトリックの5.8秒だけでなく、e-ニロの6.2秒にも及ばない。そこまで強力ではないかもしれないが、それでもまずまず悪くないタイムだ。
ID.3が韓国勢と異なるのは、回生ブレーキの設定レベルだ。通常のDモードと、やや強めのBモードの2段階だけで、どちらにしても完全な1ペダル運転はできない。
ではあるものの、ブレーキペダルのフィールはきちんとしていて、制動力も適切なものだ。ID.3は、113km/hからの完全停止に46.5mを要した。キアの45.3mには後れを取るが、ヒュンダイの49.9mよりはかなりいい。今回のテスト時のコンディションを考慮すれば、称賛に値する数字だ。
使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
インフォテインメント
エントリーグレードのライフでも、インフォテインメントシステムは10.0インチ画面のディスカバリープロ・ナビゲーションが標準装備される。全般的に動きはよく、グラフィックはリッチだ。
しかし、ベストな操作をするには習熟が必要で、慣れるまではクルマを停めて扱ったほうがいい。また、ゴルフVIIIで気になった使い勝手の問題、操作系のバックライトやショートカットボタンがないことは、ID.3でもそのままだった。
Apple CarPlayとAndroid Autoも標準搭載され、いずれもUSBでもBluetoothでも接続できる。ワイアレス経由では、2台のスマートフォンなどを同時接続することも可能だ。
音声認識デバイスも備えるが、期待したほど一貫してうまく機能してくれるわけではない。自然な指示を認識してくれるので、ラジオの選局はうまくいく。
ところが、ナビゲーションの住所入力は、テスト車の場合はほぼ不可能だった。町名、通り、番地の順を守らないと受け付けないのだ。改善を望みたい。
燈火類
エントリーグレードのライフでも、フルLEDのオートライトが標準装備される。ビジネス以上のグレードでは、フォルクスワーゲンがIQライトと呼ぶLEDマトリックスシステムが装備され、自動減光やコーナリングライトといった機能が備わる。
ステアリングとペダル
ブレーキペダルは左右にオフセットされることなく、運転席の中心線上に配置される。ドライビングポジションは快適で、シートは前後や上下に十分な調整しろが用意されている。ステアリングコラムのテレスコピック量がもう少しあれば、どのテスターでもピッタリくるポジションを取ることができたのだが。
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
加速性能に関していえば、ID.3は明らかにメカニズムの仕立てに成功している。ハンドリングには、よりRRレイアウトらしさが表れていることを期待するだろう。ところが、おかしなことにそうなってはいない。
ひとつには、フォルクスワーゲンの運動性における意図的なチューニングがある。これについてはあとで説明しよう。
しかし、もうひとつの理由として、EVに共通することだが、電気モーターの配置場所がどこであろうと、バッテリーに比べれば、全体的な重量配分に及ぼす影響が小さいことが挙げられる。
ID.3のバッテリーは、ホイールベース内のフロア下に、均一に配置されている。ミルブルックでの計測で、前後重量配分がほぼ50:50の等分だったのは、このレイアウトによるところが大きい。
そのため、このクルマのハンドリングは、一般的なハッチバックにきわめて近い。後輪駆動でありながら、それを運動性のアドバンテージとして存分に利用できていないし、そうしようともしていない。
実際、ID.3のようなやや短く背が高いハッチバックは、RRレイアウトによりハンドリングに妥協を強いられるものだ。ところが、このクルマはそうなっていない。
ID.3のハンドリングは円熟味があり予測しやすいものだが、やや退屈でもある。エコタイヤを履いているものの、連続するカーブで飛ばしても果敢に路面を捉え、定常的なアンダーステアに十分逆らってくれる。
また、スムースな路面では、ボディコントロールもちゃんとしたものだ。裏道のようなところでの乗り心地はやや忙しないが、つらくやっかいに感じるほどではない。それでも、車重やサスペンションが気をつけるべき横剛性ははっきり感じ取れる。
ステアリングは軽いが精確で、一定のペースで切るとおとなしくなりはじめるが、切りはじめは活発で、市街地での取り回しがしやすい。かなり直感的に位置決めできて、必要な場面ではかなりの高速安定性も発揮してくれる。ただし、ドライバーを夢中にさせてくれるような走りは持ち合わせていない。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
電動車に安心感を求めるユーザーがID.3を走らせたなら、フォルクスワーゲンに求める成熟度や洗練性を見出して、うれしく思うだろう。
郊外などの荒れた舗装では、ごくわずかに硬いエッジの立ったところをみせるのはすでに述べたが、乗り心地は穏やかで、外部からの入力に対してダンピングが効いている感覚だ。
風切り音やロードノイズは高速道路の速度域でも低く抑えられている。航続距離を稼ぐためにエコタイヤを履いたEVは、弊害として快適性が損なわれがちなので、これは喜ばしい。
テスト車のフロントシートは小ぶりでシンプル。少なくとも大柄で包み込まれるようなものではないのだが、十分に快適だ。どんな場合でも、横方向にこれ以上のサポートは必要ないだろう。
座面クッションの角度は、脚が長くてもしっかりサポートしてくれる。アジャストを追加できるオプションはないものの、ドライビングポジションはよくできている。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
EVの実用的な航続距離にブレイクスルーを期待しているユーザーは、おそらくID.3に飛びつくことはないだろう。それでも、既存のEVからは、なかなかの進歩をみせている。
テスト車は中級機種の58kWhバッテリーを積み、ツーリング時の電力消費率は5.5km/kWhだった。英国で一般的な97~113km/hでのクルージングなら、一充電での航続距離は320kmをちょっと下回るくらいになる計算だ。
もし、重量のかさむ77kWh仕様の電費が10%落ち程度に収まれば、英国の高速道路の制限速度である113km/hほどで走った場合は400km弱、もう少しペースを落として巡航すれば480km近く走れるだろう。今回のテストが、バッテリーに厳しい寒さの中で行われたことを考慮すれば、悪くない結果だといえる。
多くの自動車メーカーは、グレード展開を絞る傾向にあるが、フォルクスワーゲン の考え方は違うらしい。ID.3のエントリーモデルは3万1670ポンド(約443万円)のライフで、ビジネス、ファミリー、テック、マックスとグレードアップしていき、最上位グレードのツアーは4万2290ポンド(約592万円)。しかも、230V充電ケーブルは219ポンド(約3万円)の別売りだ。
誤解のないようにいっておくと、標準装備の内容は、どの仕様を選んでも充実している。さらに、車両価格が3万5000ポンド(約490万円)未満なら、2500ポンド(約35万円)のEV購入補助を受けられる。
フォルクスワーゲンが、ID.3のバリエーションをできるだけ広げようとしたのは明らかだ。これにより、3万ポンド(約420万円)を切る日産リーフの購入を検討している倹約家から、テスラ・モデル3のルックスが気に入って、そのエントリーグレードを買おうとしているようなユーザーまでの間なら、あらゆる潜在顧客に対応することが可能になるのだ。
ただし、ボトムエンドのグレード同士を比較すれば、ID.3のほうがお得感は強い。LEDヘッドライトや、ヒーター内蔵のシートとステアリングホイール、アダプティブクルーズコントロール、10.0インチ画面のインフォテインメントシステムがすべて込みなのだから。
全グレードとも、CCS規格の100kW急速充電が利用でき、最大容量のバッテリーである77kWh仕様を搭載するモデルは125kWまで対応可能だ。チャージは、実用面で納得できるくらい早い。また、自宅での充電用には、7.2kWのIDチャージャー・プロか、英国の充電インフラをリードするポッドポイントのチャージャーの同等品が用意されている。
スペック
レイアウト
ID.3は、フォルクスワーゲンのEV用プラットフォームであるMEBを採用する最初のモデル。RRレイアウトで、リチウムイオンバッテリーをホイールベース内の床下に収めている。
車両重量は実測で1757kg、前後重量配分は50:50だった。サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンクだ。
パワーユニット
駆動方式:リア横置き後輪駆動
形式:交流同期永久磁石式電動機
駆動用バッテリー:水冷式リチウムイオンバッテリー、64kWh(グロス値)/58kWh(ネット値)
最高出力:204ps/16000rpm
最大トルク:31.7kg-m/16000rpm
許容回転数:16000rpm
馬力荷重比:118ps/t
トルク荷重比:18.3kg-m/t
ボディ/シャシー
全長:4261mm
ホイールベース:2770mm
オーバーハング(前):734mm
オーバーハング(後):758mm
全幅(ミラー含む):2070mm
全幅(両ドア開き):3640mm
全高:1568mm
全高:(テールゲート開き):2040mm
足元長さ(前):最大1120mm
足元長さ(後):最大760mm
座面~天井(前):最大1030mm
座面~天井(後):最大940mm
積載容量:385~1267L
構造:スティールモノコック
車両重量:1730kg(公称値)/1757kg(実測値)
抗力係数:0.27
ホイール前・後:7.5Jx18
タイヤ前・後:215/55 R18 95T
ブリヂストン・トランザ・エコ
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:1速ダイレクトドライブ
ギア比
最終減速比:11.53:1
リダクション比:-
1000rpm時車速:-
電力消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:4.0km/kWh
ツーリング:5.5km/kWh
動力性能計測時:2.7km/kWh
メーカー公表値:消費率
混合:6.4km/kWh
公称航続距離:423km
テスト時航続距離:233km
113km/h巡航時航続距離:317km
CO2排出量:0g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:3.0回転
最小回転直径:10.2m
ブレーキ
前:330mm通気冷却式ディスク
後:280mmドラム
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電気式(センターコンソールにスイッチ配置)
静粛性
アイドリング:-dB
全開時:72dB(145km/h走行時)
48km/h走行時:61dB
80km/h走行時:64dB
113km/h走行時:67dB
安全装備
ABS/ESC/LKA/FCW/ACC/AEB/ドライバーアラートシステム
Euro N CAP:5つ星(ID.3プロ、LHD)
乗員保護性能:成人87%/子供89%
歩行者保護性能:71%
安全補助装置性能:88%
発進加速
テスト条件:霜降り路面/気温1℃
0-30マイル/時(48km/h):2.8秒
0-40(64):3.9秒
0-50(80):5.3秒
0-60(97):7.0秒
0-70(113):9.3秒
0-80(129):12.2秒
0-90(145):15.9秒
0-402m発進加速:15.7秒(到達速度:144.0km/h)
0-1000m発進加速:29.4秒(到達速度:160.3km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
キアe-ニロ・ファーストエディション(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温12℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.2秒
0-50(80):5.6秒
0-60(97):7.2秒
0-70(113):9.3秒
0-80(129):11.8秒
0-90(145):15.0秒
0-402m発進加速:15.7秒(到達速度:148.2km/h)
0-1000m発進加速:28.7秒(到達速度:173.8km/h)
キックダウン加速
20-40mph(32-64km/h):2.0秒
30-50(48-80):2.4秒
40-60(64-97):3.2秒
50-70(80-113):4.0秒
60-80(97-129):5.1秒
70-90(113-145):6.6秒
制動距離
テスト条件:霜降り路面/気温1℃
30-0マイル/時(48km/h):8.9m
50-0マイル/時(64km/h):24.1m
70-0マイル/時(80km/h):46.5m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.11秒
ライバルの制動距離キアe-ニロ・ファーストエディション(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温12℃
30-0マイル/時(48km/h):8.4m
50-0マイル/時(64km/h):23.1m
70-0マイル/時(80km/h):45.3m
結論 ★★★★★★★★☆☆
フォルクスワーゲンは、IDブランド初の重要なEVにおいて、本当に完璧な、客観的にみても称賛に値する仕事をした。非常に過小評価されやすいだろうが、じつによくできている。少し前にテストしたマツダMX-30のEV仕様と比べれば、それはよくわかるはずだ。
もっと航続距離の短い電動コンパクトカーと同じような価格で、もっと使い勝手のいい真っ当な4座を備え、パフォーマンスと自律運転機能でも勝っている。
後席は大人が乗るにも十分な広さがある。しかも、まともな走行環境なら、一充電で320km以上走ることができる。
広い意味での量販ハッチバックとしては、それほど際立った進歩とは思えないかもしれない。しかし、ちょうどいいサイズでまともな実用性のある電動車を乗り換え候補にしているならば、そうした要素はID.3を、3万ポンド(約420万円)前後の候補の中で検討に値するものにするだろう。
やや不満を覚えるキャビンの質感や、必要十分だが退屈な走りは、高い価格帯になると成功への障壁となりそうだ。それでも、不自然なほどなめらかでやや味気ない運動性のテイストを別にすれば、このフォルクスワーゲンは、電動化が進む未来への適切な足掛かりとなるに違いない。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイヴィスルート案内がはじまれば、ナビゲーションシステムはうまく機能してくれるのだが、目的地設定に音声入力を使うのはやめたほうがいい。地名でも郵便番号でも、しょっちゅう聞き間違いをするのだ。オックスフォードに行くだけでもひと苦労だった。
マット・ソーンダースハンドリング関連の電子制御はじつに高度だが、設定は変更がきかない。ESCは切り替えもオフにすることもできないのだ。もしそれが可能だったとしても、もっと走りを楽しめるようになるかといえば、それは疑わしいところだが。
オプション追加のアドバイス
標準装備の内容を考える限り、エントリーグレードでも満足できそうだ。そこでおすすめは、中間サイズのバッテリーと高出力版モーターを積むID.3プロ・パフォーマンスのライフ仕様となる。ただし、ホイールはそれなりのアルミに換えたいところだ。
改善してほしいポイント
・エントリーグレードのインテリアでも、もっとマテリアルにリッチさと彩りを。
・標準モデルの退屈な走りを、どうにかもっと楽しめるものにしてほしい。
・タッチ式ディスプレイを用いたシステムの使い勝手は、改善の余地がある。もう少し実体スイッチがあってもいいのではないだろうか。
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みんなのコメント
ボロクソワーゲンとか昔はバカにしてたけど時代を作って来たメーカーは先賢の目あるんだろね結果を出してる
日本人のEV車叩きは相変わらずですが、VWが切り開いて来た自動車の歴史の流れ再びと言った感じに見えます。
日本は再生エネルギー発電の大幅な後れと内燃機関への愛着等、このままでは世界一遅れた先進国になりかねません。