■命にかかわる「迷惑トラック」 荷主も処罰です
茨城県警は2025年4月21日、公式SNSを更新し県西地区で過積載の貨物車両に対する取り締まりを実施したと明らかにしました。
今回取り締まりを行ったのは、国道50号、国道125号、国道294号です。
【画像】「えっ…」 これが摘発された「違法な過積載トラック」です!
過積載とは、トラックやダンプなどの貨物車それぞれに定められた「最大積載量」をオーバーした状態を指します。
ジェンガ遊びのように廃材をドカ積みし、今にも荷くずれしそうな山積み状態は論外ですが、そんな状態でなくても過積載であれば大事故につながるリスクが高まります。
まず、想定より重たい荷物を積んでいると、ブレーキが効かなくなります。物理で習った「慣性の法則」が働くので、どんなにトラックの性能が良くても、これを超越することはできません。
全日本トラック協会の資料によると、10トントラックで上限の10トンを積んでいる場合、80km/hで走行しているときの制動距離は50.3mです。
このトラックで、80%の過積載状態にした18トン積み状態では70.3mと、20mも延長します。この長さはおよそ大型トラック2台分、もしくは電車1両分とかなりの距離になります。
もし、過積載車の前に人やクルマが飛び出してきたら、本来止まれるべき地点から遥か遠くまでオーバーランし、突っ込んでいくことになります。
この突っ込んだエネルギーも、やはり先ほどの物理の法則上、80%オーバーの質量に比例するので、ぶつかった相手に与える衝撃もいつもより強くなります。
さらに、この「異常な重さ」は、トラック本体にも負担をかけ、ひいては周囲の交通にも大迷惑をかけます。例えばカーブでは想定より強い遠心力が働いたり、横風に耐えられなくなります。やがて、バランスを崩し、横転・転覆の大事故につながります。
あるいは、パーツに強い負荷がかかり続けると、やがて耐えきれず荷台やシャシがポッキリ折れたり、タイヤがバーストし、いつ立ち往生しても不思議ではありません。
長期的に見れば、異常な重さでエンジンやミッションなどの駆動系にダメージが蓄積され、燃費が悪化し、メンテナンスコストもかかり、寿命を縮めます。
また道路に対しては、開いた小さな穴ぼこをどんどん深くさせ、橋や高架も傷めつけます。
走行時はクルマが重くて加速しないので、アクセルを床まで踏みつける必要があり、騒音を発生させて、排気ガスも撒き散らしてしまいます。
もし事故を起こしたら、この違法な過積載状態が厳しく指摘されるでしょう。民事・刑事上で裁きを受けるだけでなく、多額の損害賠償が請求されます。
悪質な場合、国交省から事業者名が公表され、「あそこは過積載を平気で行う悪質業者だ」と噂が広がり、取引先から契約を打ち切られ、仕事を失うことになります。
さらに過積載の現状は、ドライバーや運送会社だけの責任ではありません。そもそも、「この荷物を何時までに何処何処へ運べ」と依頼し、過積載状態に至らしめた“当の本人”である荷主も責任があります。
運送業界の実情としては、ドライバーや運送会社の立場が非常に低く、ドライバーや運送会社が「この荷物量は過積載になりそうだから無理だ」と正しい判断をしても、依頼した荷主の指示に逆らえないような、「下請けいじめ」「圧力」が諸悪の根源となっています。
再三の警告でも改善されない場合、数日から数年にわたってそのトラックを運転したり、運転させたりすることを禁ずる「使用制限処分」や、懲役または罰金刑が下ります。
今回、茨城県警では筑波山の西側、下妻や筑西周辺を通る国道50号、国道125号、国道294号で徹底した過積載の取り締まりを実施。
明らかに目で見てわかる異常な量を積んだトラックを見つけては、臨時の測定所へ連れていき、その場で重量測定して検挙したようです。
SNSでは「効率重視ではなく、重量制限を守って、大切な命と道路を守りましょう!」と呼びかけています。
なお、茨城県警ではこれまでも、白バイや覆面パトカーを使って過積載の可能性があるトラックを見つけては測定所へ誘導し、即検挙といった方法に加え、高速の出入口などに測定器を設置し、抜き打ちで検挙しています。
特に産廃運搬に関しては県と合同で取り締まりを強めており、ヘリコプターを使って産廃の出元や行先をチェックするなど、徹底して追求を進めています。
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