その昔、カワサキと言えば「赤」だった!?
カワサキのバイク、とくにカウリングを装備する「Ninja」系は鮮烈な「ライムグリーン」がイメージです。世界スーパーバイク選手権で闘うマシンや、オフロード競技用のマシンも、一様にライムグリーンを纏っています。
【画像】「ライムグリーン」は一体いつから? カワサキのバイクの変遷を見る
現在ではカワサキのイメージカラーで定着しているライムグリーンですが、最初からそうだったわけではありません。と言うか、かつてのカワサキは「赤」で売っているメーカーでした。
時代を遡り、1960年代初頭の日本はオフロードレースが盛んでしたが、カワサキは排気量125ccクラスの実用車である「B8」をベースに、アップマフラーやブロックタイヤなどオフロード走行に適した装備を施した市販モトクロッサーの「B8M」を1963年に発売しました。
「B8M」はすこぶる高性能で、1963年にMFJ(日本モーターサイクル協会)主催の第1回モトクロスレースの125ccクラスで1~6位を独占。そんな「B8M」は燃料タンクを真っ赤に塗装していたため、「カワサキの赤タンク」と有名になり、日本の多くのライダーの憧れになりました。
1960年代はカワサキがバイクの主要マーケットであるアメリカに打って出ますが、そこで用意したのが、GPマシンが装備するロータリーディスクバルブを市販車に初めて採用した2ストローク2気筒の「250A1」です。さらにロードレース用に、このバイクをベースとした「A1-R」という市販レーサーも発売します。
「250A1」のカラーリングは燃料タンクの上部がエンジ色に近い赤で、下部が白(アイボリー)、市販レーサーの「A1-R」も同様のカラーを纏っていました。
市販車とレーシングマシンのイメージをリンクさせる手法は、とくにスポーツモデルにおいては重要で、これは現在も変わらないのではないでしょうか。
このように、当時のカワサキのイメージカラーは「赤」、または「赤×白」でした。
敢えて「不吉な色」で注目を集める
高性能な「250A1」は人気を博し、アメリカで成功を収めます……が、カワサキはその名を不動のものとするために、AMA(全米モーターサイクル協会)のビッグレースである「デイトナ200マイル」に、1969年に市販レーサー「A1-R」をベースとしたワークスマシンの「A1RS」(250ccクラス)と、350ccの「A7RS」で参戦します。その時初めて「ライムグリーン」を纏いました。
これには世界のカワサキファンも驚きました。なぜならアメリカやヨーロッパでは、ライムグリーンは葬式などをイメージさせる「不吉な色」で、ホラー映画の恐怖シーンの描写にもよく使われた色だからです。事故を嫌い縁起を担ぐことが多いレースの世界で、そんなライムグリーンを使うのはあり得ません。
にもかかわらず、マシンを始めライダーのレーシングスーツからメカニックの作業着までライムグリーンに統一したのは「とにかく目立つから」です。
また従来のイメージカラーの「赤」は、既にホンダや英国のBSAが使っていたため、カブらないための意図もあったようです。そのために1968年からライムグリーンの塗料の開発を行っていました。
そして不吉なカラーにもかかわらず、レースでの活躍や独創性からライムグリーンはバイクファンに好意的に受け入れられました。
1970年代前半は「H1R」(500cc)や「H2R」(750cc)が活躍し、カワサキは「グリーン・モンスター」と呼ばれるようになります。
世界GPでは1974年以誕生した「KR250/350」が年を追うごとに戦闘力を高め、1978~82年の5年間にGP250/350クラスで多くの勝利を重ねました。
また市販車をベースとするAMAスーパーバイク選手権では、エディ・ローソン選手が駆る「Z1000J」ベースのレーサーが1981年、1982年と連続でチャンピオンを獲得します。そして同時期の世界耐久選手権では1981年~83年まで、3年連続でカワサキが「KR1000」でメーカータイトルを獲得します。
その後もカワサキは国内外のプロダクションレースにライムグリーンのマシンで闘い、2002年からはMotoGPにも参戦。2010年代は世界スーパーバイク選手権で圧倒的な強さを見せます。
こうして「カワサキ=ライムグリーン」のイメージが世界中のバイクファンに定着しました。
「全身黄緑」のロードスポーツ車は10年遅れで登場
レースシーンでライムグリーンをイメージ付けたカワサキですが、市販バイクはどうでしょう? オフロード系は競技用モトクロッサーの「KX125/250」が1973年に初めてライムグリーンを纏いましたが、比較的直後の1970年代半ば頃から公道用の市販車にもライムグリーンが登場しています。
ところがロードスポーツ車は、1970年代の2ストロークの「マッハ」系バイクで、カラーグラフィックのラインや差し色にライムグリーンを使いましたが、「全身黄緑」のバイクはなかなか登場しませんでした。
キャンディカラーのグリーンを経て、1979年に「マッハ」系の最終版と言える「KH250/400」が明確なライムグリーンで登場します。
そしてAMAスーパーバイクの勝利を記念して、1982年に「Z1000R」の「ローソン・レプリカ」が発売されます。このバイクがライムグリーンの市販車としては、ある意味もっとも有名かもしれません。
とはいえ「Z1000R」は輸出車のため、国内では販売されません。1982年には国内で「Z1000R」と同じスタイルの「Z750GP」が発売されましたが、カラーはブラックとレッドの2色で、ライムグリーンはありませんでした。
しかし当時の国内での主戦場である400ccクラスで同年3月に発売された「Z400GP」には、同年7月にライムグリーンが追加されました。
当時日本はバイクブーム真っ盛りで、その後にレプリカブームが訪れます。カワサキは1984年にGPレーサーと同名の「KR250」を発売し、最初からライムグリーンを採用します。
そして1989年に発売する「ZXR」シリーズ(750/400/250)もライムグリーンでした。
しばらく間は空きますが、その後も「Ninja ZX-10R」をはじめとするスーパースポーツ系(Ninja250/400、Ninja ZX-25/4Rなど)は、やはり最初からライムグリーンを採用しています。
しかしスーパースポーツ系を除くとカワサキのロードスポーツ車は、エポック的なバイクでも初登場時はライムグリーンが設定されない場合が多かったりします。
たとえば「Z1/Z2」をはじめ、「Z400FX」や「GPZ900R」、「ゼファー」なども、初登場時は「赤」系が多く、この辺りは昔の赤タンクの「B8M」や、赤×白の「A1-R」の名残では……と感じなくもありません。
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みんなのコメント
あえてその色を選ぶのはなかなか攻めてますね