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可搬式オービス、取締り件数ではなく「撮影枚数」の集計に変わったのはなぜ!?

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可搬式オービス、取締り件数ではなく「撮影枚数」の集計に変わったのはなぜ!?

たたっ、大変なことが起こった! 発見したときの衝撃ったらなかった。興奮が覚めぬまま手短に速報しようっ。

私の手元に、オービスの都道府県別の設置数と取締り件数のデータが、1996年分からある。情報公開法にもとづき、開示請求書を書いて所定の収入印紙(手数料)を貼って提出、だいたい1カ月後に開示決定を受け、さらに手続きをおこない、郵送または手交(しゅこう)で開示を受ける、それを飽きずに続けてきたのだ。

【どっちなの?】オービスの光は「赤」なのか「白」なのか

オービスの取締りのピークは2000年。全国で18万1758件だった。その後ぐんぐん減り、2018年には5万523件にまで落ち込んだ。原因はいろいろ考えられる。ここでは省略しよう。

2020年、「固定式」と「可搬式」に分けたデータが出てきた。可搬式による「取締り件数」の、都道府県別のデータをまさかゲットできるとは、うおおっ、私の喜びようは尋常じゃなかったね。都道府県別の「整備数」のデータとあわせ、2020年6月に以下のWeb記事で明らかにした。

参照:可搬式オービス「LSM-300」が使い物にならない実態が明らかに!2019年の全国取り締まり件数が少なすぎる? https://driver-web.jp/articles/detail/35997

同じく2019年の固定式のデータについても「取締り件数」と「整備数」を2020年6月に以下のWeb記事で明らかにした。

参照:オービスでの取り締まり件数…大阪だけが1万件オーバーの不思議 https://driver-web.jp/articles/detail/35888

ちなみに可搬式の都道府県別の「取締り件数」について、少し遅れて同じデータを警察庁が「発表」したとして載せた他サイトのWeb記事があった。警察庁さん、私には開示請求の手続きを踏ませて手数料をとったのに、じつは「発表」してたんですか? 尋ねてみた。発表していません、とのことだった。

さて、2020年分についても私は開示請求した。2021年6月7日付けで開示決定が出た。6月11日(金)、東京地裁で裁判傍聴をしたあと、真向かいの庁舎にある警察庁へ寄り、開示を受けた。文書をざっと見て「おお、全国の合計はこう変わりましたか!」と、もうニッコニコ。笑いがこぼれて止まらない。担当の職員諸氏から絶対「変な奴だ」と思われたろう(笑)。

帰りの地下鉄内でもしみじみながめ、帰宅。夜、芋焼酎「黒白波」の水割りを飲みながら、2019年のデータと比べつつじっくり見てみた。突然、「どっかーん!!!」となった。都道府県別の一覧表のいちばん上は、2019年は「取締り件数」だった。それが2020年はなな、なんと「撮影枚数」になっているではないか!

ご存知のとおり、オービスは現場では測定&撮影を行うだけ。写真に写ったナンバーから違反車両の持ち主を特定し、あとで交通機動隊や高速道路交通警察隊などへ違反者を呼び出して取り締まる。普通にタイムラグがある。ずるずる出頭しない者もいる。「車は他人に貸していた。誰に貸したか言わない」と上申書を出せばチャラになる、なんてネットのデマを信じ込んで出頭を拒む者もいる。

だから、取締り件数ではなく「撮影枚数」をカウントするのも分からないじゃない? おいおい! タイムラグや不出頭者は昔からある。あるのを承知で長年にわたり「取締り件数」(または「取締り状況」。以下同)としてきたのだ。私はもう40年近く交通違反・交通取締りにこだわり続けてきたが、オービスの「撮影枚数」なんて四文字熟語は、初めて目にする。そんなものをなぜ突然に集計したのっ?

2013年からずっと可搬式を追いかけてきた私として、いちばんスムーズに推測できるのはこうだ。すなわち…。

――警察庁内にTKKの可搬式に執着しゴリ推しする一派がいる。しかし残念なことにTKKの可搬式はなかなか取締りの役に立たない。“非ゴリ推し派”はとうとう怒り、世界的企業、Sensys
Gatso Group(SGG)の可搬式の全国配備を進めることにした。SGGは超高性能だ。従来のまま「取締り件数」を集計しては、ほとんどがSGGの件数になってしまう。TKKのダメぶりが明白になってしまう。ゴリ推し派は焦った。どうする? TKKは取締りはダメでも、撮影までは何とかできることもある。そうだ、取締り件数は捨て「撮影枚数」を集計させよう――。

この推測が当たりかどうか、まだ分からない。もし当たりだとすれば、ゴリ推し派のゴリ推しぶりは凄まじい。ネット上の誰でも無料で見られる場所にこんな記事を書く私が邪魔で仕方がないかも。TKKの可搬式がヤバイとか、ゴリ推し派がどうとか、そんなことを書き続けているのはどうやら私独りらしいし。

そういえば2013年に私はブログのほうで「ネガティブキャンペーン、障害になる人の信用を落とす昔からの手法」という記事を書いた(http://ko-tu-ihan.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-7e17.html)。あんなことになったらどうしよう。言い訳させてもらえば、私は警察批判とかそんなつもりはなくて、ただただマニアなのです。誰からも相手にされないバカなマニアってことで、どうか大目に見てください~。

可搬式オービスの整備数(2020年度末)と、固定式オービスのデータについては別記事で。お楽しみにっ。

〈文=今井亮一〉                            
交通ジャーナリスト。1980年代から交通違反・取り締まりを取材研究し続け、著書多数。2000年以降、情報公開条例・法を利用し大量の警察文書を入手し続けてきた。2003年から裁判傍聴にも熱中。2009年12月からメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」を発行。

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