スペイン・バレンシアで開催されたスマートEQの国際試乗会に参加してきた。スペイン第3の都市で、温暖な気候のリゾート地として有名なこの町の中心部は渋滞も多く、走るクルマのほとんどがコンパクトカーだ。スマートの姿もとてもよく見かける。
17.6kwWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。1回の充電で最大153kmの走行を可能にしている。充電は230ボルトソケットを利用した場合、およそ3時間30分で完了する。www.media.daimler.comあえて渋滞の多い市街地で、電気自動車の使い勝手を試すというのがこの試乗会の狙いだったようだ。スマートはブランド誕生から20周年を迎えた2018年、内燃エンジンモデルの生産を終了し、電気自動車(BEV)へ一本化する方針を発表した。
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その戦略に則り、メルセデス・ベンツの電動車ブランド“EQ”ファミリーの一員として、生まれ変わったのがスマート「EQ fortwo(フォーツー)」、および「EQ forfour(フォーフォー)」だ。ラインナップは2人乗りの「フォーツー」、そのオープントップモデルの「フォーツー カブリオ」、そして4人乗りの「フォーフォー」の3モデルから成る。
2シーターのフォーツーをオープンルーフ仕様とした、フォーツー・カブリオ。カブリオの場合、0-100km/h加速がフォーツーと比べ0.3秒遅い11.9秒となる。www.media.daimler.comそもそもスマートは、これまでも欧州でスマートED(Electric Drive)というBEVを展開していたのだが、スマートEQはハードウェアとしてはそのマイナーチェンジ版ということになる。では、モデルチェンジのハイライトはといえば、出力の向上ではなく、デジタル化、コネクティビティの強化にある。
www.media.daimler.comアプリを活用し、駐車位置の確認やドアロックの施錠、解錠を遠隔地から行えるほか、友人や知人を無料グループと有料グループにわけ、スマートフォンを使ってドアロックの解除から支払いまでを簡単に行える「ready to share」や駐車場のリアルタイムの空き状況を確認し予約することができる「ready to park」など、シティコミューターとしての使い勝手が向上している。ただし残念ながらready to shareなどの機能が使えるのはドイツ、フランス、スペイン、イタリアとスマートが普及している欧州の一部に限られており、日本への導入予定はいまのところないという。
フォーフォーに対し、逆台形型のフロントグリルを有するフォーツー。3灯式の新ヘッドライトは、スモールランプ、メインビーム、ウインカーとして機能する。BEVはコンセプトにマッチしたパワートレインエクステリアの変更点は、フロントグリルを廃してエンブレムも取り除き、シンプルに“smart”のロゴのみが配されたこと。BEVはエンジン冷却のための空気孔を必要としないためグリルレスのデザインを採用するモデルが多いが、スマートもそうすることで従来のガソリンエンジンモデルとの差別化を図っている。ヘッドライトやリアランプは、最新のフルLEDタイプがオプション設定されている。
press photo, do not use for advertising purposesインテリアの基本的な造形は内燃エンジンモデルとかわらない。ダッシュボード中央には、8インチのタッチスクリーンが配置されており、ナビゲーション機能のほか、apple carplayにも対応、また電費やバッテリーの状況などが表示される。これまで日本仕様のスマートではナビゲーションは後付けのものだったが、スマートEQ導入時にはこの純正モニターが採用されるというから朗報だ。
バッテリーやモーターの配置を表す模型。フォーツーの最長航続距離は159km、フォーツー・カブリオは157kmとなる。オプションのチャージャーを使えば、急速充電機能によりおよそ40分で80%の充電が可能。www.media.daimler.comフォーツー、フォーフォーともに容量17.6kWhのダイムラーの小会社アキュモーティブ社製のリチウムイオンバッテリーを搭載する。最高出力は60kW、最大トルクは160Nm。一充電航続距離はフォーツーが159km、フォーツーカブリオが157km、フォーフォーが153kmとされている。0-100km/h加速はそれぞれ11.6秒、11.9秒、12.7秒となっている。
スマートのUXコンセプトをリデザインした新たなインテリア。収納スペースを増やすなど、利便性が引き上げられている。8インチのタッチスクリーン。インフォテインメントシステムはスマートフォンとの接続をより強化した。press photo, do not use for advertising purposesフォーツーもフォーフォーも、後輪駆動のスマートならではの後ろから蹴り出されるような乗り味は健在だ。フロア剛性も高く、超ショートホイールベースながら乗り心地も悪くない。特にフォーツーは動き出しが明らかに軽く、ガソリンエンジンターボモデルと互角の加速性能をみせる。エネルギー回生はアクセルオフで停止まで行ういわゆる“ワンペダル”走行はしない。これはメルセデスも同様で、「できるだけガソリンエンジンモデルと変わらないドライブフィールを」というエンジニアのこだわりによるものだ。通常モードではレーダーセンサーを使用して、前走車との車間距離などが坂の勾配なども測定し自動的に調整される。そしてECOモードではアクセルオフに対してより積極的に回生を行う。運転の楽しさで選ぶなら断然2人乗りのフォーツー、開放感をもとめるなら屋根のあくカブリオで、4人乗りで実用性を求めるならフォーフォー、と用途は明確に違うのでモデル選びに悩むことはないだろう。
press photo, do not use for advertising purposes充電時間に関しては日本の急速充電規格CHAdeMO(チャデモ)には対応しておらず、おそらく日本仕様では満充電に100Vの普通充電で9時間半、200Vで4時間半を要することになるだろう、という。
www.media.daimler.com近距離も長距離も1台ですべてをまかないたいという人には向いていない。ただし家に充電設備があれば、通勤や通学、買い物など片道約60km圏内の往復のアシとしては十分に使える。うまく割り切りができれば、BEVこそがマイクロコンパクトカーとして生まれたスマートの本懐だと思うのだ。
www.media.daimler.com文・藤野太一 写真・メルセデス・ベンツ 編集・iconic
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スマホと比較しちゃいかんとは思うが、やっぱ、10年程度の寿命は欲しいけど。