F1のチーム代表らは、FIAの会長であるモハメド・ビン・スライエムに対する内部告発を受けて行われているFIAの調査において、早まった判断をしないよう警告し、適切な手続きを取るよう呼びかけている。
『BBC』の報道によると、今週初めに内部告発者がFIA会長に対して2件の告発を行ったことが表面化した。1件目は昨年のF1サウジアラビアGPのペナルティを覆す試みだ。5秒間のピットストップペナルティ消化の際に、アストンマーティンF1のクルーがマシンに触れるのが早すぎたため、フェルナンド・アロンソに10秒のペナルティが科せられた。
FIA、モハメド・ビン・スライエム会長に関する2件の告発を受けて声明を発表「懸念事項を評価中」
内部告発者は、ビン・スライエムがFIAの中東・北アフリカ地域スポーツ担当副会長シェイク・アブドラ・ビン・ハマド・ビン・イサ・アル・ハリファに個人的に電話し、ペナルティの取り消しを要求したと主張している。最終的には、結果としてアストンマーティンが再審請求の行使に成功した。
2件目の報告では、ビン・スライエムが重要なイベントが行われる予定の数日前にラスベガスでFIA関係者に圧力をかけ、サーキットを認証しないように強いたとの主張がなされている。
内部告発者の主張が世間に知れ渡ったこことを受け、FIAは声明を発表し調査が続いていることを認めた。
「FIAは、統治機関の特定のメンバーが関与している可能性のある申し立てを詳述した報告書を、コンプライアンス責任者が受領したことを確認した」
「コンプライアンス部門は、適正な手続きが綿密に行われるよう、こうした問題に対して一般的に行われていることと同様に、これら懸念事項を評価中だ」
木曜日、サウジアラビアでは一部のF1チーム代表が、関連するすべての事実が完全に開示されるまで、FIA会長に対して判断を下すことを控えるよう促した。不適切行為の疑惑を含む内部調査によって、最近スポットライトを浴びせられたレッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーは、ビン・スライエムが置かれた厳しい状況について予想どおりの姿勢を示した。
「私があらゆる調査を見て確かに学んだことのひとつは、事実を先取りしないことだと思う」とホーナーは語った。
「調査が行われる必要がある。関係者は、繰り返しになるが、FIAの規約に定められたプロセスは守られるだろうと確信している」
「私が強く求めるのは、先入観を持たないことだ。事実を待つべきだ。判断を下す前に、何が実際に起きたのか見守らなければならない」
ウイリアムズF1のチーム代表ジェイムズ・ボウルズは、ホーナーと同じ考えだ。
「調査のプロセスが実施されていることを喜ばしく思っている。今この瞬間ではなく、そのことを振り返ってから判断が下されるべきだと考えている」
「今のところ、私が理解する限りではこの件は調査中であり、それは正しいことだと思う」
一方アストンマーティンF1のチーム代表マイク・クラックは、アロンソのペナルティに関する2023年のサウジアラビアGPの一件は、彼のチームおよびFIAにとって「明確に解決された」と語った。
「我々は当事者の一部だった。過程全体がどのようなものだったかは、オフィシャルの文書で読み直すことができると思う」
「我々は再審請求権を行使した。我々は新しい証拠を持ち込み、ペナルティは撤回された。つまり、彼らそして我々にとってすべてが明瞭だし、解決済だと考えている」
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