古典的フェラーリ像を現代に相応しく
フェラーリは5月3日、ニューモデル「12 Cilindri(ドーディチ・チリンドリ)」を発表した。
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この不思議な車名は、英語で言えば「12 Cylinder」。つまり、12気筒エンジン搭載車であることをそのまま示したネーミングである。言うまでもなくこれは、以前の812スーパーファストの後継モデルとなるわけだが、昨今の内燃機関を取り巻く状況から、812がフェラーリ最後の12気筒となるのではないかと推測する向きも少なくなかっただけに、このニューモデルの登場は驚きをもって迎えられている。ボディはクーペとスパイダーの2種類。
搭載エンジンは812スーパーファストから引き継いだもので、812コンペティツィオーネAでの改良内容が反映されており、最高出力は830psに、最高回転数は9500rpmへとアップしている。エンジン搭載位置はフロントミッドシップで、そのパワーは8速デュアルクラッチ・トランスミッションにより伝達、後輪を駆動。このシャシーには4WS(4輪独立操舵)が備わるのも特徴である。
斬新なデザイン処理は空力デバイスも兼ねる
こうした古典的なフェラーリ像を反映するように、エクステリアのデザインにも伝統的な要素がちりばめられている。ロングノーズのプロポーションはもちろん、フロントマスクやサイドウィンドウの形状には、あの名車365GTB/4”デイトナ”を思い起こさずにはいられないだろう。力強く盛り上がった前後フェンダーも往年の名車たち(フェラーリにとどまらず)を思わせるが、一方で(特にクーペでは)リアウィンドウからテールにかけての斬新な処理も目を引く。
無論のこと空力にも重点が置かれており、リアエンド上面のブラックの部分は可動フラップとして機能、LD(ロー・ドラッグ)とHD(ハイ・ダウンフォース)のふたつの形態をとることができる。スパイダーのリアデッキは、ボディサイドからそのまま立ち上がったパネルがフィン状の形を見せているが、リアエンドの可動フラップについてはクーペと同じ処理がなされている。
パフォーマンスの具体的な数字について触れておくと、最高速度は340km/h、0-100km/h到達時間は2.9秒。これらはクーペ/スパイダーで共通の数字だが、0-200km/hはクーペでは7.9秒、スパイダーでは8.2秒と、0.3秒の差がある。
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