現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ホンダF1田辺TD初日会見:4台とも順調な1日。新PUには「信頼性向上に寄与するものが少し入っている」

ここから本文です

ホンダF1田辺TD初日会見:4台とも順調な1日。新PUには「信頼性向上に寄与するものが少し入っている」

掲載 更新
ホンダF1田辺TD初日会見:4台とも順調な1日。新PUには「信頼性向上に寄与するものが少し入っている」

 2021年F1第7戦フランスGP初日フリー走行は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がフリー走行2回目でトップタイムを出す一方で、フリー走行1回目ではメルセデスが1-2を独占した。やはりパーマネントサーキットでは彼らも本来の強さを発揮するということか。ホンダF1田辺豊治テクニカルディレクターもそこは十分予想していたようで、「チャンピオンチームですし、シーズンが終わるまでどうなるかわからない」という認識だ。

 さらにフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が4番手に入り、トップから12番手のセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)までがほぼ1秒差という状況には、「もはやトップグループと中団グループという分け方の意味がなくなっている」と、昨年までとは違う接近戦を覚悟しているようだった。

レッドブル・ホンダ密着:“計画的なやりくり”で新PUコンポーネント投入。問題なく機能し初日をトップで終える

────────────────────

──フランスGP初日の総括からお願いします。

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):パーマネントサーキットを走るのは5月のバルセロナ(スペインGP)以来でしたが、当初の予想より涼しめでした。とはいえ、外気温、路面温度ともに高いレベルだったことに変わりはありません。

 一方でコーナーによってはポール・リカール・サーキット名物の強い風が吹くことがあり、急に挙動を乱してスピンしたり、コースオフするクルマが何台もありました。そんななかでレッドブルとアルファタウリの4台は大きなトラブルもなく、2回のセッションを終了できました。

──新しいパワーユニットは、初日から投入したのでしょうか?

田辺TD:はい。予定どおり角田(裕毅)選手を除く3台に2基目のパワーユニットを投入しました。新しいパワーユニットということで、基本的な動作確認、データチェックをして、こちらも問題ありませんでした。2基目は角田選手がすでに使っていることもあり、そこはスムーズでした。

 一方で週末のコンディションに合わせたセッティング作業としては、車体側、パワーユニット側ともに、まだまだやることはたくさんあります。非常に接戦ですし、もはやトップグループと中団グループという分け方の意味がなくなっているほどです。ですので、予選とレースに向けて車体、パワーユニットの最適化はいっそう重要になると思います。

──2基目については性能向上に関わるアップデートは厳しく規制されていますが、レギュレーションとは関係ない部分での変更はあったのでしょうか。それとも1基目とまったく同じものですか?

田辺TD:技術規約で変更が許されているのは、信頼性とコスト由来に限られています。それでFIAからOKをもらうには、トラブルが出た場合はどのサーキットで、あるいはどのテストベンチで、いつどんなふうに壊れたという詳細なデータが求められます。FIAが性能向上とは関係ないと判断したら、その内容を全メーカーに開示します。そこでクレームが出なかったら初めて(アップデートが)適用されます。

 ということで、今回のパワーユニットに関してはそれらの審査を経て、信頼性向上に寄与するものが少し入っています。かつてはスペック1、スペック2、スペック3など、シーズン中にも絶え間ないアップデートを投入していた時代もありましたが、今はそれもできません。基本的には何も変えず、しかも3基のみで1年間戦うという難しさが今のF1にはあります。

■「あらゆる分野で強さを発揮してきた」メルセデスを警戒
──エキゾーストも新しいものに変えていますが、こちらもアップデートは許されないのですか?

田辺TD:許されていません。同一仕様のものを年間8セット使うことができるということです。

──エンジン音がいつもと違うように感じたので、変更したのかと思いました。

田辺TD:南仏では響きが違うんじゃないですか(笑)。

──まだ初日が終わったばかりですが、メルセデスはフリー走行1回目で1-2の速さを見せました。パーマネントサーキットに戻ったことで、やはり今までのような強さを取り戻しつつあるようだと感じていますか?

田辺TD:まだなんとも言い難いですが、市街地コースとは明らかに違う状況を過ごしたと感じています。当然ですが、メルセデスというチャンピオンチームですし、「必ず前進する」と彼ら自身も言っています。シーズンが終わるまでどうなるかわからないですね。

──メルセデスがパーマネントサーキットで速いというのは、何が関係していると考えますか? 車体なのか、パワーユニットなのか。

田辺TD:全部だと思います。なぜ全部なのかといえば、彼らのこれまでの歴史ですね。それを見れば、あらゆる分野で強さを発揮してきたことがよくわかります。

関連タグ

こんな記事も読まれています

最強の「V型8気筒」ツインターボ搭載! 究極の新型「爆速ラグジュアリーSUV」初公開! 史上最もパワフルな「新型ディフェンダーオクタ」受注開始
最強の「V型8気筒」ツインターボ搭載! 究極の新型「爆速ラグジュアリーSUV」初公開! 史上最もパワフルな「新型ディフェンダーオクタ」受注開始
くるまのニュース
岡谷雄太、全日本ロードST600にWORK NAVI NITRO RACINGから参戦。カワサキからヤマハにスイッチ
岡谷雄太、全日本ロードST600にWORK NAVI NITRO RACINGから参戦。カワサキからヤマハにスイッチ
AUTOSPORT web
フェルスタッペン離脱の可能性に備えて、レッドブルF1がアロンソに接触したと海外メディアが報道
フェルスタッペン離脱の可能性に備えて、レッドブルF1がアロンソに接触したと海外メディアが報道
AUTOSPORT web
ナトリウムイオンバッテリーでEV価格を抑える 安価な次世代電池として期待されるワケ
ナトリウムイオンバッテリーでEV価格を抑える 安価な次世代電池として期待されるワケ
AUTOCAR JAPAN
新型Eクラス唯一のエクスクルーシブライン メルセデス・ベンツE300セダン/ステーションワゴン
新型Eクラス唯一のエクスクルーシブライン メルセデス・ベンツE300セダン/ステーションワゴン
AUTOCAR JAPAN
激辛&辛口な新しいGLCクーペのAMG版上陸!──GQ新着カー
激辛&辛口な新しいGLCクーペのAMG版上陸!──GQ新着カー
GQ JAPAN
まさかのレクサス風“軽”実車展示! 巨大グリルが“高級感”バク上げなホンダ「軽ワゴン」!? 豪華白内装もスゴイ「N-BOX」とは
まさかのレクサス風“軽”実車展示! 巨大グリルが“高級感”バク上げなホンダ「軽ワゴン」!? 豪華白内装もスゴイ「N-BOX」とは
くるまのニュース
バラしてわかったゴブジ号の中身! トランスミッションに異変あり?【週刊チンクエチェントVol.33】
バラしてわかったゴブジ号の中身! トランスミッションに異変あり?【週刊チンクエチェントVol.33】
Auto Messe Web
愛車の履歴書──Vol33. 宅麻伸さん(バイク編)
愛車の履歴書──Vol33. 宅麻伸さん(バイク編)
GQ JAPAN
角田裕毅、ハースの戦略を賞賛「トップ5チームが抜け出す現状では、あれくらいアグレッシブにいかないと入賞できない! 尊敬すべき戦略でした」
角田裕毅、ハースの戦略を賞賛「トップ5チームが抜け出す現状では、あれくらいアグレッシブにいかないと入賞できない! 尊敬すべき戦略でした」
motorsport.com 日本版
ニッサンがFE東京E-Prixに桜を強調する特別カラーで参戦へ。他チームへ着物提供のおもてなしも
ニッサンがFE東京E-Prixに桜を強調する特別カラーで参戦へ。他チームへ着物提供のおもてなしも
AUTOSPORT web
アウディ最大のSUV計画は生きていた! ベース価格で1500万円オーバー? 2026年までに登場か
アウディ最大のSUV計画は生きていた! ベース価格で1500万円オーバー? 2026年までに登場か
レスポンス
アルフォロメオ渾身のSUV──新型ステルヴィオ クアドリフォリオ試乗記
アルフォロメオ渾身のSUV──新型ステルヴィオ クアドリフォリオ試乗記
GQ JAPAN
メルセデス・ベンツが助手席一体型のディスプレイを採用した新型「E300 Exclusive」セダン/ステーションワゴンを発売
メルセデス・ベンツが助手席一体型のディスプレイを採用した新型「E300 Exclusive」セダン/ステーションワゴンを発売
@DIME
日産の新型「コンパクトSUV」公開! 復活の「オシャイエロー」が鮮烈! 約406万円から「新ジューク」独に登場
日産の新型「コンパクトSUV」公開! 復活の「オシャイエロー」が鮮烈! 約406万円から「新ジューク」独に登場
くるまのニュース
400万円台スタート!《レクサスSUVベストバイ》LBX vs UX vs NX
400万円台スタート!《レクサスSUVベストバイ》LBX vs UX vs NX
グーネット
パナソニックHD、パナソニックオートモーティブシステムズの株式20%取得で合意 投資ファンドが80%
パナソニックHD、パナソニックオートモーティブシステムズの株式20%取得で合意 投資ファンドが80%
日刊自動車新聞
ポルシェ、日本のストリートネオンと未来を強調する特別カラーでフォーミュラE東京E-Prixに挑む
ポルシェ、日本のストリートネオンと未来を強調する特別カラーでフォーミュラE東京E-Prixに挑む
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村