深圳のモーターショーは、上海や広州のモーターショーと比較すると、格が落ちるといわれているが、BYDとHUAWEIの本社があることもあり、この両者はとても広いブースとなっていた。本記事では、今回注目を集めていた小米とHUAWEIの紹介をする。
今年3月の小米(Xiaomi)の新車に人だかり
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特別仕様の「Xiaomi SU7 Ultra」
小米(Xiaomi)のブースには大行列ができており、その列は展示場の外まで伸びていた。目玉はやはり、今年3月に発売された「Xiaomi SU7 Ultra」である。まわりには人だかりができ、代わる代わる運転席に乗り、乗り心地を試すための列ができていた。
5月22日に発表された「Xiaomi YU7」
さらに小米では、5月22日に発表した新製品である初のSUV「XiaomiYU7」が展示されていた。航続距離は、最速15分の充電で620kmの航続が可能で、10~80%の充電は最短12分で可能となっている。
コックピットにはクアルコムの第3世代Snapdragon8を搭載し、運転補助にはNVIDIA DRAIVE AGX ThorTMを搭載している。
価格はまだ非公開としており、7月の正式発表で公開される可能性が高い。
一方で、「Xiaomi SU7」が4月1日に、高速道路で自動運転関連の事故で大学生3人が死亡する事故が起きていることは無視できない。
小米が公表した運転記録情報によれば、高速道路で自動運転をしていたところ、システムが「ハンドルを握ってください。」「前方の障害物に注意してください」と注意喚起してからすぐ、自動運転から手動運転へ切り替わり、その後2秒程度の間に、ハンドルが曲がり、車体がコンクリートのガードレールに衝突したということだ。
大学生らが載っていたXiaomi SU7は、標準タイプで字度運転システムは、NOAといい、自動運転レベル2である「部分的に自動運転ができる。」という、運転を支援するレベルのもので、基本は運転手がハンドルを握りいつでも手動運転できる状態である必要がある。なので、一概に自動運転システムのせいだとはいえないが、さらに自動運転レベルが進化していくと、このような事故が増えるかもしれない。
HUAWEIはスマホ連携に強み
HUAWEIは2019年に米国から国家安全保障上の懸念で先端半導体へのアクセスが遮断され一時スマホ事業が落ち込んだが、2024年には完全復活した。
独自OSであるHarmonyを開発し、さらに3つに画面が下り曲がるスマホなどを目新しい機種を続々と発売している。
開発費用増加により2024年10~12月期は2018年以来初めて赤字となったものの、制裁がさらに技術力を高めるきっかけとなっている。
制裁により多角化を行った一つとして自動車事業がある。
最近のHUAWEIの店舗には、スマホ、スマートウォッチ等に加えて電気自動車が展示されている。
HUAWEIの展示場は一番入口近くにあり、HUAWEI技術館として1つの区分を貸し切りにしていた。
HUAWEIは演出がひときわ豪華だった。
モーターショーでは、女性モデルの方が車の前に立ち、男性カメラマンが詰めかけるのがよく見る光景だ。
しかし、HUAWEIでは、中国の人気男性俳優、白敬亭(Bai JingTing)が登場して、トークショーが開かれ、会場は女性の熱気に包まれていた。さらに、人気司会者も登場し、すごい人だかりになっていた。
HUAWEIの電気自動車ブランドは、SUVの問界(AITO)、セダンの智界(LUXEED)、高級セダンの享界(STELATO)の3つに分かれており、特にSUVのAITOは中国中堅企業セレス・グループ(赛力斯集团)と提携したブランドで、「Aito M7」は最初の50日間で8万台の注文を受ける大成功を収めた。
スマホナビ連携がスムーズな点が特徴のHUAWEI
HUAWEIの電気自動車は、HUAWEIの独自OSであるHarmonyが搭載されており、スマホやスマートウォッチなどのHUAWEI製品との連携をとることができる。
例えば、ナビだが、中国人で車のナビを使っている人はおらず、ほとんどの人がスマホのナビを使っている。HUAWEIのスマホを車のパネルにあてるだけで、スマホで利用しているナビと自動連係できる。
そして、センターコンソールには置くだけでスマホを充電でき、保温保冷可能な冷蔵庫がついている。冷蔵庫は、充電が10%以下になると自動で停止、時間でONOFF設定をすることも可能だ。
また、センターコンソールの裏側に香りの瓶を入れておくと、車内に森林など3つのテーマの香りを出すことができる。
もちろん音声機能もあり、「小芝xiao zhi」と呼びかけると、椅子のマッサージやリクライニング、さらに、ダッシュボード下の収納の開閉ができる。
ダッシュボード上には取っ手がついており、誰でも開閉できるが、ダッシュボード下には取っ手がついていないため車のエンジンが入っており、かつ、パネルで操作または小芝に呼びかけないと開けることができないようになっている。
自動運転システムでは、ただ自動で運転支援するだけでなく、ブレーキをなだらかにかける、酔わないような運転にするなどの機能を選ぶことができる。
ただ、このAITOでも自動運転に関連する事故が起きており、同じNOAで追突事故を起こしている。
日本勢もEVラインナップが充実!
トヨタ「bz3X」
「bz3X」のコックピット
トヨタは、広州汽車集団と共同開発したSUVの電気自動車「bz3X」が大ヒットしている。
その影響で、4月の新車販売台数は前年同月比21%増の14万2800台と日系3社で唯一増えている。
今回のモーターショーでは、昨年11月に開催された広州モーターショーと異なり、半分近くがEV、さらに、EVシリーズであるbz専用のブースもあった。
次期EVは、HUAWEI開発のコックピット搭載の「bz7」
トヨタの「bz3X」が10万9,800元~(約220万円)、ホンダは、「S7」と「P7」がともに19万9,900元(約400万円)、日産は「N7」が11万9,900元~(約240万円)と、EVのラインナップを充実させている。
特に、トヨタや日産は、中国現地の部品を採用しコストを抑え、販売価格を低価格とすることが実現できた。一方、ホンダは高価格と感じざるを得ない。
ホンダ「P7」
日産「N7」
今後の中国EVは智能化が勝負
中国EVは、自動運転技術中国EVでは、充電の航続距離や充電時間がガソリン車とそこまで遜色ないところまできており、日本合弁を含めて、自動運転技術の競争が激化している。それにともない、自動運転技術を利用しての事故も増えてきているのが実情だ。
(参考)
小米汽车
NVIDIA DRIVE Thor が AI 性能を配分し、AV、コックピットおよび IVI を単一のコンピューターに集約
※2025年5月末時点の1元=20円で換算
文/大堀貴子
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