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SUBARU BRZの最終周ストップ原因はオイル潤滑系トラブル。エンジン交換と「吹っ切れた」井口卓人が臨むセパン

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SUBARU BRZの最終周ストップ原因はオイル潤滑系トラブル。エンジン交換と「吹っ切れた」井口卓人が臨むセパン

 6月26日にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで始まった2025スーパーGT第3戦。GT300クラスのSUBARU BRZ R&D SPORTは、第2戦富士での最終周ストップから復活を狙って公式練習1回目の走行を終えたが、初日を終えた段階では課題点もあるようだ。


●第2戦のトラブルには対応済みも「簡単ではなさそう」なセパン

優勝目前の最終周にまさかのストップ。SUBARU BRZのドライバーふたりはショックを隠しきれず「きつい。本当に」

 5月4日に富士スピードウェイで行われた第2戦決勝で、井口卓人/山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTはファイナルラップまでレースをリード。そのまま2022年以来の優勝を手にするかと思われたが、ラスト1周でのトラブルストップにより、またしても勝利を逃していた。

 この車両トラブルについて、チームの小澤正弘総監督は「エンジンオイルの潤滑系に問題が発生してしまい、油圧を失って焼き付いてしまいました。エンジンは再使用できるレベルではなかったので、セパンに向けて交換しました」と明かす。

 新エンジンは発生したトラブルに対して対策を実施したと小澤総監督。すでにシェイクダウンは5月中旬に鈴鹿サーキットで行われたGTエントラント協会主催の合同テストで終えている状態でセパンに臨んでいる。

「僕自身も第2戦後の約1カ月間、あのことを結構引きずっていて……(苦笑)。いろいろなことを考えていましたし、おそらくチーム側も何かモヤモヤしたものがあったと思っていますが、ここで勝つことができれば一気にそれが晴れるんですけどね」

 セパン戦最初の走行となる公式練習1回目で6番手タイムを記録したSUBARU BRZ R&D SPORT。新エンジンまわりは順調なものの、現状は「簡単ではなさそう」と小澤総監督は予想する。

「他メーカーのタイヤを履いている車両が結構良い感じのタイムを出していて、ロングランも安定しているので、苦戦しそうな感じはしています。セットチェンジをしながらアジャストしているところで、サーキットサファリのタイムも悪くはないのですが、我々はもう一息頑張らないと決勝で苦労するかもしれません」

 回り込むような中高速コーナーが多いセパンはGTA-GT300規定車両のSUBARU BRZ R&D SPORTが得意なレイアウトかと思われるが、小澤総監督によると現在のFIA-GT3車両も進化しているため「言うほど差はない」とキッパリ。また、路面のグリップが予想以上に低いことも難しさを増やしているという。

「タイヤの使い方で勝負が決まるかなとという気がしています。ドライバーの感触は路面のグリップが全体的に低いとのことで、山内は(公式練習の)最初にトップタイムを記録していましたけど、本人は『トップタイムなの?』と言うくらいグリップは低いです。本当に前戦のエラーを取り戻すために勝ちたいところですが、現状は簡単ではないなか、どこまで頑張れるかですね」


●最終周ストップ後は「意外と吹っ切れていた」井口。13年ぶりのセパンに難点

 第2戦富士のトラブルを引きずった小澤総監督に対し、ステアリングを握っていた井口はマシンストップ後にコースサイドで座り込む場面もあったが、レースから帰るころには気持ちを切り替えていたと改めて振り返る。

「決してスッキリではないですけど、もうしょうがないことです。どちらかと言うと、あの後にはどのレースに行っても周りの人が少し話しづらそうな感じがありました(苦笑)。でも、僕も山ちゃん(山内)も『先に向かおう』という気持ちで、意外と吹っ切れていましたね」

 そう語る井口の表情には笑顔が戻っていたが、公式練習1回目を終えて感じたことは、小澤総監督同様にグリップが不足していることだったと言う。明日以降に向けて「結構大きくセッティングを変えている」最中とのことだ。

 また、井口にとってセパンは2012年にPACIFIC NAC イカ娘フェラーリで走行して以来13年ぶり。当時と印象は異なるかと思いきや「全然変わっていないなと思いました。乗っているクルマが違うので、印象は多少違いましたけど、走行したらイメージが蘇ってきましたね」と問題はない様子。

 しかし、路面改修などの影響で逆バンク気味になった最終コーナーは「すっごく難しいです。「SUBARU BRZ R&D SPORTが低いということもあるかと思いますけど、クリッピングポイントから先が全然見えません」と語り、GT500クラスで国本雄資と牧野任祐が言及しているのと同じような難しさを感じているという。

 そんな状況でもSUBARU BRZ R&D SPORTが目指すのは「表彰台と優勝」と井口は言う。

「どんなレースになるかはまだ分かりませんが、第2戦では調子が良かったなかであのトラブルが発生してしまいました。富士の忘れ物ではないですけど、セパンには優勝する気持ちで来ています。レースをうまく組み立てて、表彰台に立てるように頑張ります」

 ドライバーふたりとチームの実力は申し分ない2021年王者のSUBARU BRZ R&D SPORT。近年はトラブルに泣くレースが多いが、12年ぶりのセパンで同じく約3年ぶりの優勝を手にすることができるのだろうか。

[オートスポーツweb 2025年06月27日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

10件
  • MINT
    ギリギリのラインでレ-スに挑んでいるのはどのチ-ムも同じだと思う。そうでなければおもしろくない。後はいかに勝利の女神を引き寄せるかで決まる。運も実力のうちって言うし。
  • FUT
    トヨタの出がらしドライバー
    まだ乗ってるんだ
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