この記事をまとめると
■トミーカイラRはR34型GT-Rをベースにした公認チューンニングカー
もはや伝説! オリジナルスポーツカーまで販売した「トミーカイラ」という夢と執念の国産メーカーとは
■チューン内容に応じた3グレードを用意しトップグレードのR-zでは530馬力を発揮
■現在の価値は3億円ともいわれる
日本初の公認コンプリートメーカーだったトミーカイラ
「トミーカイラ」は、創業者かつプロデューサーである富田義一氏とエンジニアリングを担当する解良喜久雄氏がタッグを組み、1987年に日本初の公認コンプリートカーを輩出したトミタ夢工房のチューニングブランドです。
1995年にはオリジナルのスポーツカー「トミーカイラZZ」を製造し、12番目の自動車メーカーとして名声を確立しました。ファーストモデルとなるR31型スカイラインベースの「トミーカイラM30」を皮切りに、日産、スバル、トヨタ、スズキのさまざまな車種をコンプリート化してきました。今回は、R34型スカイラインGT-Rベースとした「トミーカイラR」を紹介します。
ほかのモデルにはないRの称号はトミーカイラのフラッグシップモデルの証
トミーカイラRは、歴代の第2世代GT-Rをベースとしたシリーズのフラッグシップモデル。一般的に、トミーカイラのコンプリートカーの車名は「M」か「m」で始まり、そのあとに排気量を表す2桁の数字が続くが、GT-Rは「R」という独自の称号が与えられているのが特徴だ。
このことからも、トミーカイラにとってGT-Rは特別な存在であったことがうかがい知れる。また、「最小限の変更で最大限の効果」という開発コンセプトが表すとおり、基本は純正のバランスを崩さずに底上げするチューニングを信条としているが、GT-Rについてはサーキットのパフォーマンスを重視した硬派なモデルも用意されている。
現時点で最終モデルとなるBNR34型スカイラインGT-Rベースの「トミーカイラR」は1999年にデビュー。当初はSTDの「R」およびチューンドの「R-s」の2グレード展開であったが、のちにフルチューンの「R-z」が加わっている。
凄みを増した独自のエアロパーツは全グレードに標準装備!
全グレードで共通となるエクステリアは、大きな開口部をもつバンパーとカナード付きリップがフロントフェイスに凄みを与え、フロントフェンダーはリヤフェンダーのボリュームに合わせ、さりげなくブリスターフェンダー化することでデザインバランスを整えるとともに、275幅のワイドタイヤを収めている。
リヤにはトリプルウイングスポイラーと呼ばれるそびえたつ大型ウィングを装着し、迫力あるフロントバンパーに負けないようバランスが取られた。リヤバンパー左右とサイドステップ後方に備わるディフューザーのデザインはレースカーからフィードバックされたもので、スタイリングにアクセントを添えるとともに、空力性能の向上にも役立っている。ホイールはオリジナルのマグネシウム製で19インチながらBNR34用純正ホイールと同じ重量に収めている(価格は1本16万円と、当時としてはかなり高額だった)。
ブーストアップからフルチューンまで3つの仕様を用意
3つのグレードの違いはエンジンの仕様と足まわり、ブレーキなど細部の装備品だ。ベーシックなRはエンジンが排気系、インタークーラー、スポーツECUによるブーストアップで、足まわりはスポーツスプリング交換のみに留まる。インテリアでは、デジタルとアナログがミックスされた特徴的なメーターがトミーカイラであることをさりげなく主張していた。出力は370馬力/42.5kg-mまで引き上げられた。
中間グレードのR-sでは、大容量タービン、大型インタークーラー、大型インタークーラーが追加され、出力向上に合わせてクラッチはツインプレートとなる。足まわりはビルシュタインのダンパーに専用のスプリングを組み合わせ、テンションロッドをピロボール化することで、ハンドリング性能を高めている。インテリアはシートが専用のスポーツタイプにアップグレードとなる。425馬力/45kg-mのスペックは、NISMOで用意されていたSチューンコンプリートエンジンを凌駕していた。
最上級のR-zは530馬力までパフォーマンスを向上
このふたつの仕様、RとR-sは前述したトミーカイラのチューニングコンセプトに基づくもので、オリジナルのパフォーマンスを全体的に底上げしたもの。街乗りからワインディング、サーキットに至るまでオールマイティに使えるバランスのよさが魅力であったが、最上級のR-zはサーキットでのパフォーマンスを視野に入れた硬派仕様で、手なずける感覚を楽しむ上級者向けの特性が与えられた。
エンジンは2.7リッターまで排気量アップされ、腰下には英国ファンドン製のスペシャルクランクを筆頭にH断面コンロッド、鍛造ピストンなどを採用。さらに、パワーの源となるシリンダーヘッドは、ポート研磨、面研、バルブのバランスの見直しなど吸排気効率を高めた。そのほかのパーツもR-z専用品が奢られた結果、出力は驚異的な530馬力/54.52kg‐mまで強化され、チューニングカーらしい迫力ある加速が味わえた。このスペックでありながら、公認コンプリートカーとして世に送り出したのは、トミーカイラの長年の経験と技術力の高さを物語っている。
価格はBNR34型スカイラインの約2倍。性能だけでなく価格もスーパー
もちろん、R-sでもオプションであったAPレーシング製の大型ブレーキキットは標準装着され、曲がる、止まる性能も抜かりなくアップグレードされた。ちなみに、RとR-sは標準車とV-specの両グレードから選べたが、R-zのベース車はV-specしか選択できなかった。
また、R-zはスペックだけでなく、価格面でも飛び抜けていた。BNR34型スカイラインGT-Rの約2倍となる1050万円のプライスタグを掲げたこともあり、生産台数は11台に留まっている(後期型は2台)。ただし、施された内容を考えればバーゲンプライスだといっても過言ではなく、チューニング市場が成熟するなか、他社と差別するための技術的なアピールの側面もあったように思う。
東京オートサロン2024年では3億円のプライスタグが掲げられた
チューニングコンプリートという新たなビジネスの先駆けとして、業界をリードしてきたトミタ夢工房だが、2003年に惜しくも経営破綻。その後、いくつかの企業がブランドを引き継いだが、さまざまな理由で長く続かなかった。現在は紆余曲折を経て、かつてトミタ夢工房に在籍していたスタップが立ち上げたGTS株式会社がコンプリートカーおよびチューニングカー事業を継承し、歴代トミーカイラユーザーのサポートを行うとともに、現行スイフトスポーツをベースとしたm14を販売するなど、トミーカイラのスピリットを絶やすことなく、その火を灯し続けている。
当時、トミーカイラの象徴であったR-zについては、2024年の東京オートサロンにて3億円のプライスタグをつけられ、大きな話題を呼んだことは記憶に新しい。
総生産台数11台という希少車であることから、今後も国内外のコレクターを中心に高値で取引されていくことは間違いないだろう。
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みんなのコメント
勿論買えるはずもないですが、コンプリートカーをこれでもか!と見せてもらったりカタログ頂いたりとお世話になりました。
旧車ブームだからってやり過ぎだろ。