2020年夏の新型車より順次搭載
トヨタ自動車は、ペダルの踏み間違いによる異常なアクセル操作を特定した場合に加速制御を行う「急アクセル時加速抑制機能」を開発した。2020年夏に発売する新型車から順次導入予定。同機能を搭載した後付けユニットも既存車種向けに商品化する。
トヨタ、「踏み間違い事故」の新予防技術を開発。アクセルの異常操作を検知して加速を抑える
トヨタ自動車は2018年から後付けの「踏み間違い時加速抑制システム」を発売。現在12車種に対応するこのシステムは、2019年12月末時点で約2万300台に装着されたという。ただし、既存の装置はセンサーで検知できるクルマや壁などの障害物がある場合の踏み間違い事故に対応していた。
ビッグデータを活用し「異常操作」を特定
新開発したシステムは、障害物のない状況でも異常なアクセル操作を検知すれば加速を制御するというもの。前後のセンサーではなくペダル操作から「異常」を読みとるシステムの開発にあたり、活用されたのがビッグデータだ。
実際の踏み間違い事故発生時に、アクセルペダルが全開で踏まれた状況を分析。その踏まれ方や特徴をコネクティッドカーから得られたビッグデータと照合し、実際の急加速時(右折時や一時停止からの発進など)との差異を明確化することで異常なアクセル操作を特定し割り出すことに成功した。
既存のインテリジェントクリアランスソナー(前後4つずつ、計8つのセンサーで障害物を検知。アクセルとブレーキの踏み間違いの際に自動ブレーキをかける機構)にくわえ、今回の「踏み間違い時加速抑制システム」を組み合わせることで、さらなる事故予防効果が期待される。
累計1600万台にアクティブセーフティ機能を搭載
トヨタは2015年より、「Toyota Safety Sense」と呼ぶ事故を予防する安全パッケージを展開してきた。日米欧で発生した事故データに基づき、重大死傷事故の回避・被害軽減に効果が見込める3つの主な機能、「衝突被害軽減ブレーキ・プリクラッシュセーフティ」「車線逸脱警告」「自動ハイビーム」を柱にしている。
随時進化を重ねてきた「Toyota Safety Sense」は、2017年末には日米欧のほぼすべての乗用車に導入。2018年に導入開始した第2世代ではセンサーの認識能力を向上し、夜間の歩行者や昼間の横断自転車の検知を可能にした。
2020年2月に新発売する新型ヤリスには、交差点での右折時に直進してくる車両、右左折時に前方から来る歩行者を検知し衝突回避・被害軽減を図る「交差点事故対応プリクラッシュセーフティ」を採用している。
2020年2月現在、「Toyota Safety Sense」は国内累計430万台、グローバルでは世界108の国と地域で累計1600万台の車両に搭載している。
運転手の体調急変にも対応
また、さらなる進化を遂げた「Toyota Safety Sense」を2020年内に導入予定。
新機能のひとつ目が、不意に車道にはみ出した歩行者に対する衝突回避システム。車線を逸脱しない操舵量を計算した上で操舵アシストを行うもので、「緊急時操舵支援プリクラッシュセーフティ」と呼ぶ。
ふたつ目は、「ドライバー異常時車両停車支援システム」。ドライバーの体調急変によりステアリング/アクセル/ブレーキ操作が検知されない状態をクルマが検知すると、ドライバーへの警告とともに周辺車両へホーンやハザードで通知。徐々に車両を減速させて停車までもっていく。さらに停車後にはヘルプネットに自動で接続し、早期救命救急をサポートする。
3つ目が、カメラによる白線認識にAI技術を活用した「スピードマネジメント機能付きレーダークルーズコントロール&LTA(車線維持支援機構)」。カーブの大きさに合わせてあらかじめ減速し、カーブ走行時の横Gを常に一定にキープする機能だ。
これらの機能は2017年にレクサスLSへ導入した先進安全技術パッケージ「Lexus Safety System +A」で採用したものの一部。セグメントや車格を問わず、先進安全運転支援機能があまねく行き渡る未来に向けてトヨタの施策は着々と進められているようだ。
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