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スズキ最新「軽セダン」は“走り”がイイ! 名車「アルトワークス」乗りの“開発者”が手掛けた「こだわりの一台」! エンジンも改良した“大幅刷新”の新アルトは「MTターボ仕様」登場にも期待大!

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スズキ最新「軽セダン」は“走り”がイイ! 名車「アルトワークス」乗りの“開発者”が手掛けた「こだわりの一台」! エンジンも改良した“大幅刷新”の新アルトは「MTターボ仕様」登場にも期待大!

■スズキ最新「軽セダン」は“走り”がイイ!

 スズキの軽セダン「アルト」は2025年7月に一部改良を実施し、内外装の一部デザインを刷新しただけでなく、ボディ剛性アップなど様々な面において手が加えられました。

【画像】超カッコいい! これがスズキ最新「軽セダン」です!(62枚)

 その目的や今後の展開などについて、開発責任者にお話をうかがいました。

■「ワークス」登場の可能性は?

 今回お話をしていただいたのは、アルトのチーフエンジニアの竹中秀昭さんです。

 普段は「アルトワークス」にお乗りという、こだわりを持った方でしたので、まずはそこからお話をスタートさせましょう。

【筆者(以下Q)】突然ですが、竹中さんはアルトワークスにお乗りだとか。

【竹中さん(以下、敬称略)】先日、会社が4連休だったのでアルトワークスに乗って、(浜松スタートで)広島から山口、福井、石川、富山あたりまでぐるっと2000kmほど乗ってきました。

 この後のアルトをどうしようかなと悩みながら。現行アルトにはワークスが無いので、そんなことも考えつつ…。

【Q】そうすると、次は“ある”ということですか(笑)。

【竹中】そこは全く明言できません(笑)。

 先代は担当ではありませんでしたが、ワークスを作る際には車体剛性を確保するためにスポット溶接を増し打ちするなどで、すごく走りやすくなっているんですよね。

 今回のアルトのマイナーチェンジでも車体剛性を上げるために構造用接着剤を使ったり、減衰接着剤を採用したりすることで足回りをしっかり動かせるようにしています。

 この減衰接着剤というのは車体のアンダーフロアの周りに塗布するんですけど、足回りからの振動を室内に伝えにくくするために、途中で減衰させるという接着剤です。

 実はマイナーチェンジで入れるのはすごく大変だったのです。でも生産技術にも頑張ってもらいました。

 がっちりした車体でよく動く足というのが理想形ですので、結果としてすごく車体が良くなりました。

 デバイスをつけてどうのという以前に、軽量でNVH(騒音・振動・突き上げ感)もよく、操安もよくハンドルを切ればちゃんと曲がるのが良いわけです。

 そこで今回は電動パワステのチューニングで戻りを良くしてスムーズに動くようにもしています。

評価を担当しない社内の営業の方に乗ってもらっても、「これは!」と言ってもらえましたので、自信を持ってお勧めできるでしょうし、ディーラーでも「まず乗ってもらって」と言っています。

【Q】素性がさらに良くなったということですね。

 そうすると、やっぱり楽しいクルマはできそうな気がします。

【竹中】現在のアルトにはマニュアル車もターボもありませんし、いまの(経営や市場)環境の中でやらなければいけませんのでこれまでみたいなことはできないのですが、それでも何ができるんだろう、少量台数でもスズキらしさとか、自分らしいというクルマを作れたらと思っています。

■「スズキらしい軽」をやりたかった

【Q】さて、竹中さんがアルトの責任者に決まった時、どう思いましたか。

【竹中】私は途中から担当したのですが、損益的な部分や燃費の話、台数がいまひとつ伸びていないなど、いろいろ問題がある中で受け取ったので、大変だなと思いました。

 ただ、自分が会社に入った時にスズキらしい小さい軽をやりたいと思っていましたから、「いよいよやれるぞ」という思いもありましたので嬉しかったですね。

【Q】では今回の商品改良では、どういうことを考えたのでしょう。

【竹中】アルトは低価格・低燃費でありながら、安心安全を求めるお客様に向けたクルマです。

 つまりその辺をバランス良く作り上げなければいけないのです。

 その中でも今回は燃費をさらに改善しようというところがポイントでした。

 安全についても、最新の予防安全支援システムを搭載しました。

 特にぶつかりにくいとか衝突被害軽減というようなところは強化していますし、このクルマには必要だと考えました。

【Q】今回の改良にあたり、ユーザーの声から見えたアルトの強みと弱みはどういったところでしょうか。

【竹中】一番はスズキのラインナップの中でも一番お手頃、お求めやすい価格、そして軽ナンバーワンの燃費が購入する最終的な決断のキーポイントになっていました。

 また8代目アルトは少し個性的で人を選ぶようなデザインだったので、女性や若年の方に少し敬遠されていたところもありました。

 しかし9代目アルトは全体的に可愛らしい感じも増えましたので、離れた方が戻って来てくれていて、そこは狙い通りです。

 一方でちょっと男性が離れ気味かなというところは、比率的には出ています。

 そして、「値段が上がったよね」という声が出ているのも事実です。

 前回のマイナーチェンジで10万円少々上がりましたので、そこは苦しいところです。

 お求めやすいはずのクルマではありますが、「100万円じゃ買えないのか」と言われてしまうんですね。

 軽は100万円ぐらいと言われていた時代から、今は150万円くらいから、トールワゴンなど大きいモデルだと200万円を超えるのは当たり前になっていますので、その中でも今回は頑張って価格を維持していくことを求められました。

 それから燃費に関してです。

 軽ナンバーワンを誇っているにも関わらず、競合車種の方が「燃費が良い」と思われていることが浮かび上がって来ました。

 そういわれてしまうということは、アピール不足だという反省しかありません。

【Q】今回はその辺もきちんとしていこうと。

【竹中】はい、今回のマイナーチェンジでは、燃費向上や安全装備の拡充のみならず、そもそもこのパッケージが使いやすいことや、8代目よりも視界や見晴らし、取り回しも良く、車体全体も良くなっている。

 そういう本来の良さを、自分たちからも発信していかなければいけない。

 それをお客様だけでなく、営業や広報、そして販売する人たちにしっかり浸透させていかなければいけないのです。

 そういう活動を改めてしっかりします。

 ですから、「実際に試乗もしてもらってくださいね」「そのときにはこういうことを話してほしいです」という発信を自分たちの言葉で伝えています。

 MTはありませんし、ターボも無いけれど、軽くてキビキビ走れて燃費も良いとか、素性の良い軽さが基本性能を高めていることをしっかり伝えていきたいのです。

■「?」があるクルマはダメ

【Q】竹中さんが理想とする軽自動車とはどういうクルマですか。

【竹中】難しいですね。

 クルマを選ぶ時って色や外観が可愛いとか、かっこいいという第一印象で決まるとは思います。

 ただ私としては、乗った時に「あれ?」とか「おや?」とか「え?」というクエスチョンマークがつくような状況にならないクルマですね。

 乗って素直に思った通りに動くこと。意図通りに動けば、意に反していないので、クエスチョンマークがつかない。

 あるべきところにあるものがあって、走る、曲がる、止まるが違和感なくできる。

 それをシンプルな構成でやるのが軽自動車の一番目指すところです。

 ですからこの「?」がつかないクルマを作ろうよ、自分で「?」ってついたらやり直し、そういう感じの話をよくしています。

【Q】やはり素性を良くしないと絶対その「?」が出てしまいますね。

【竹中】そうですね。後でお金をかければできるものもあるかもしれませんが、今回採用した構造用接着剤でも、素が良くなければベースからの作り込みの幅が少なくなる。

 ですので、素性を高くしておかないといけないのです。

【Q】アルトをマイナーチェンジするにあたって、竹中さんが一番やりたかったことは何です。

【竹中】まず違和感なく走るところに関しては、マイナーチェンジではあるものの車体に手を入れています。

 これは改良前の「ラパン」もそうだったのですが、ちょっと“やわい”というか、ねじれる感じがしたのです。

 そこで車体を強くしたいというのは思っていたことでした。そこはあまりお金をかけずに、でも一番やりたかったかことですね。

 つまり基本性能を上げたい。そのうえで、法規対応や時代に合わせて進化させました。

【Q】今回その剛性を上げたところに関し、具体的な例をいくつか挙げていただけますか。

【竹中】構造用接着剤を車体、バックドアを含めたドア周りの可動部やボディ側の四隅などに使いました。

 そういったところに歪みが溜まりますし、応力が出てしまいますので、それを抑えたい。

 そしてフロア周りですね。ここは減衰接着剤を入れています。その結果、車体剛性がそれほどお金をかけずに向上できたのです。

 他の部分はそんなに補強はしていません。もともと2021年の改良でやっていますし、2019年の「ハスラー」の改良で採用した環状の骨格構造はすでに要素として入っていますので、骨格そのものはそれなりに強い。

 そこにもう一息というところがあったわけです。

 それで車体の剛性のところと、ハンドルのセンターの遊びも含めて、切り始めにちょっと違和感があったわけです。

 具体的な挙動としては、切った時に車体がよじれてサスが動いてという順番を感じていましたので、車体をしっかりさせたことで車体はそのままで足が動く。

 それに合わせてパワステのチューニングをして、違和感が少なくなりました。

■燃費向上で全てができた

【Q】今回、パワートレーン系も少し変わりましたね。

【竹中】はい、アイドリングストップが無いこれまでと同じR06A型エンジンは、制御を少し変えて燃焼効率を上げ、理想空燃比で走れるところを増やしながら、ある程度トルクも出して排ガスも燃費もクリアできています。

 ハイブリッドのR06D型は燃費も少し改善しながら、車外騒音の法規対応もしなければいけませんので、吸気系を変えています。

 R06D型エンジンはゴロゴロした印象があり少し苦労しましたが、クランクの剛性を上げるなど内部をだいぶ変えて、同じエンジンの形式ですが音質もだいぶ変わりました。

 とにかく「本当に素を良くするところを頑張ろう、後付けのものはダメだ」と進めました。

 このクルマは特に後からお金や重量をかけるのはダメ、そこが大事なところです。

【Q】最後に、このアルトに関して強調しておきたいところはありますか。

【竹中】マイナーチェンジで燃費が良くなりました。

 ハイブリッドは0.5km/Lほど(27.7km/Lから28.2km/L)上がっています。

 これ、本当にすごく大変で、アイドリングストップが無いクルマは0.6km/L(25.2km/Lから25.8km/L)上がっていますので、開発者の努力のたまものです。

 そのためにタイヤも変えて、先ほどの構造接着剤にまで手が入れられました。

 一般的には転がり抵抗の少ないタイヤにすると、ちょっと硬くなってロードノイズが大きくなったり、操安性が落ちたりしやすいのです。

 そのためにパワステもチューニングしましたし、車体にもちょっと手を入れられました。

 そして安全についても、右左折時の交差点対応など最新の先進装備にしてます。

※ ※ ※

 通常、マイナーチェンジの多くはフェイスリフトなど外観の小変更にとどまることが多いのですが、このアルトはそれ以上に、かなり手が加えられえていました。

 実際に乗ってみても、改良前を知っていれば驚くほどの変化です。

 また、競合のダイハツ「ミライース」からは、競技車ベースながらMTターボ仕様が販売される予定なので、走りの良くなったアルトにも「新たなワークス」の登場にどうしても期待が高まってしまいます。(内田俊一)

文:くるまのニュース 内田俊一

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みんなのコメント

14件
  • isi********
    ええ記事や。
  • TEZZ_AQUILLA
    スズキの軽自動車にかける真面目さが滲み出るインタビューでした。
    クルマの素性を底上げする…見てくれをよくすればいいって事じゃないですよね。でもまぁ消費者はまず見てくれから入るから難しいのも事実。実際に乗って確かめてくれれば判る、という段階に持っていけるか否か、ですからね。
    いいクルマ作り、頑張って下さい。
    出来ればMTもお願いします。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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