この記事をまとめると
■北米向けに発表された日産ローグPHEVが「三菱感強すぎ」と賛否を巻き起こしている
SUV全盛時にこのイケてるクルマがなぜ売れない? 日産のかつての代表車種「エクストレイル」が苦戦するわけ
■ローグPHEVはアウトランダーPHEVをバッジエンジニアリングして誕生している
■次期ローグPHEVではでは日産らしいスタイリングが実現されそうだ
北米のローグPHEVがまんまアウトランダーPHEV
2026年から日産が北米市場で販売開始した「ローグPHEV」に賛否の声がある。いわずもがな、ローグというのはエクストレイルの北米市場での名前であり、つまり主力モデルへプラグインハイブリッドを追加したという点では、トレンドを掴んでいる点で評価すべきだ。
しかしながら、三菱自動車のデザイン・アイデンティティであるダイナミックシールドの痕跡がはっきりと残るフロントバンパーなど、ひと目で三菱アウトランダーPHEVとわかるスタイリングに対して、「おいおい、これはいくらなんでもナシだろ!」とツッコミたくなる気もちはわかる。
日産と三菱自動車の関係に詳しい人であれば、「そもそもローグ(エクストレイル)とアウトランダーPHEVは同じプラットフォームを使っているのだから、もう少しやりようがあったのでは?」と考えるかもしれない。
とはいえ、こうした対応について理解できる部分もあるし、経営資源の最適化という点ではむしろ評価すべきだともいえる。
三菱自動車が製造を担当している日産ルークスと三菱デリカミニといった軽自動車においては、メカニズムを共有する姉妹車とは思えないほど、スタイリングを別物に仕上げている。ファンからすれば、そうしたモデルと同等レベルにローグとアウトランダーのプラグインハイブリッドを差別化してほしいと思うのは自然な話だ。
そうはいっても、姉妹車においてまったく異なるイメージのスタイリングを実現するには開発の初期段階から、そうした商品企画を想定しておく必要がある。北米市場へのローグPHEVの投入タイミングから想像するに、アウトランダーPHEVについては、日産バージョンの設定は初期から想定してはいなかったのだろう。
次期エクストレイルPHEVは日産らしくなる!?
ましてアウトランダーのモデルライフを考えると、いまのタイミングであれば、最小限のコストで日産バージョンにすることが求められるはずだ。パートナーシップを利用したOEMモデルでお手軽にプラグインハイブリッドを追加したと断じるのは簡単だが、自動車ビジネスとしては、非常に正しいスタイルになっていると評価すべきだ。
結果として、内外装はほとんどアウトランダーPHEVのまま、フロントグリルと各種エンブレムを変更する程度の、いわゆる「バッジエンジニアリング」に留まっている。ローグPHEVのドライブモードに「ターマック」という三菱的な名称が残っているのもご愛嬌だ。
とはいえ、三菱カラーが色濃く残る日産のプラグインハイブリッド車は、これが最後になる可能性が高い。
先日、日産が発表した長期ビジョンにおいて、「パートナーシップを通じてプラグインハイブリッド(PHEV)やレンジエクステンダー(REEV)を提供」することがアナウンスされた。
ここでいうパートナーシップとは、三菱自動車やルノーとのつながりのことで、三菱のプラグインハイブリッド技術、ルノーのレンジエクステンダー技術といったアセットを利用する意味と理解できる。商品企画の初期段階から、パートナーシップのアセット活用を考慮しているということは、前述した軽自動車に見られるように、ハードウェアのアーキテクチャーは共有しながら、各ブランドの個性に合わせたスタイリングを生み出すことも含めていると理解できる。
たとえば、欧州向けのモデルとしては、ルノー・サンクと日産マイクラというコンパクトEVにおいてアーキテクチャーを共有しながら、それぞれの伝統を感じさせるスタイルを実現している。
そうであれば、次期ローグPHEVでは、日産らしいスタイリングになることは容易に想像できる。ちょっと気が早い妄想になってしまうが、数年内には日産らしいスタイリングのエクストレイルPHEVが、日本向けに設定されることを大いに期待したい。
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