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「スーパーGTでEBMが戦うのは特別なこと」第3戦セパンに現地参加のEBM GIGA RACING代表アール・バンバーが語る経緯と魅力

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「スーパーGTでEBMが戦うのは特別なこと」第3戦セパンに現地参加のEBM GIGA RACING代表アール・バンバーが語る経緯と魅力

 6月26~28日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催されているスーパーGT第3戦『SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025』。このレースには現地参加の海外チームとしてEBM GIGA 911 GT3、EBM Vantage GT3の2台を走らせているEBM GIGA RACINGが参戦しているが、チームを率いるル・マン24時間優勝経験者のアール・バンバーに、今回の参戦の経緯とスーパーGTとの繋がり、そしてスーパーGTに対して持つ印象を聞いた。

 GT500クラス15台、GT300クラス19台が参加しているスーパーGT第3戦セパン。この一戦には、マレーシアからEBM GIGA RACINGがポルシェ911 GT3 R、アストンマーティン・バンテージAMR GT3の2台体制で参戦し、フレッシュな印象を与えている。特に6月26日にスタートした公式練習では、アドリアン・ダ・シルバ/ドリアン・ボッコラッチ組EBM GIGA 911 GT3がトップタイムを記録するなど活躍をみせているが、そんなEBM GIGA RACINGを率いるのが、2015年、2017年にル・マン24時間を制したアール・バンバーだ。

アール・バンバー・モータースポーツ(EBM)がアストンマーティンでスーパーGT第3戦セパンにスポット参戦か

 EBMは2017年にアールの弟ウィルがポルシェカレラカップに挑戦するために生まれたチーム。バンバーによれば、その誕生に助力してくれたのがスポンサーのLKM、そして今回参戦しているダ・シルバなのだという。カレラカップ、さらにGT3に活動の場を広げ、2020年にはセパンで開催予定だったスーパーGTに参戦予定だったものの、コロナ禍により実現せず、今回ついに参戦が叶った。


●マレーシアと深い関係をもつEBM

 なお、バンバーにEBMはどの国のチームなのかと聞くと「カレラカップでのチームの登録はシンガポールなんだけど、ニュージーランド人、マレーシア人が半分か少し多いくらいかな。多国籍だよ」という。

 今回の参戦の大きな原動力となったのは、チーム誕生にも関わったダ・シルバだ。「僕はマレーシアに12年ほど住んでいたことがあるんだけど、エイドリアン(ダ・シルバ)は今回のプロモーターであるハロ・スポーツ&エンターテインメントのファリザル・ビン・ハッサンと友人で、エイドリアンがずっとこのレースに出たがっていて、2020年に参戦を計画していたんだ」とバンバーは語る。

「コロナ禍でその時は実現しなかったけれど、こうして今回スーパーGTがセパンに戻ってきてくれたことはマレーシアにとっても、マレーシアのモータースポーツ界にとっても素晴らしいことだと思っているよ」

 2020年の参戦時は、ダ・シルバとマレーシア人ドライバーのジェゼマン・ジャファーがコンビを組む予定だったが、今回はポルシェにダ・シルバとボルコラッツィ、アストンマーティンにキーロン・リーとジャファーを起用することになった。ジャファーについては、マレーシア人ドライバーをスーパーGTに出場させたいというプロモーターの意向もあるという。

 タイヤについては、バンバーがミシュラン・モータースポーツを経由して、日本ミシュランタイヤに打診し、ポルシェにはミシュランを装着することを決定。アストンマーティンについては、D'station Vantage GT3がダンロップを使用していることもあり同じタイヤを履くことに決まった。

 こうして参戦を開始したスーパーGT第3戦セパンだが、「ドライバーはみんなスーパーGT用のタイヤのグリップを気に入ってくれているよ。もちろん彼らはこのタイヤを使ったことがないからね。それにGTワールドチャレンジ・アジアだったら2分08秒台くらいのラップタイムだけど、今回は2分03秒くらいだから、この経験を楽しんでくれている。また、他のドライバーたちの礼儀正しさにも驚いているようだ」とバンバーはチーム全体が参戦を楽しんでいると語った。


●「僕はスーパーGTに見られる革新性が好きだ」

 そんなバンバーにとって、実はスーパーGTは以前から憧れをもっていたカテゴリーなのだという。12年間マレーシアに住んでいたときにスーパーGTを観戦したことがあるというエピソードを語った。

「14歳のころ、初めてマレーシアに来て、フォーミュラBMWに出場したりしていたんだけど、その頃観戦したのを覚えている。19~20歳くらいまでマレーシアに住んでいたんだよ。まだ家もあるからね。それにオフシーズンにスーパーGTのクルマがテストしていたのもよく観ていたんだ。グリーンのNSX(TAKATA童夢NSX)のダウンシフトの音はよく思い出すね! だからこうして、GT500やGT300と一緒に自分のチームがレースすることは、僕にとって特別なことなんだ」とバンバー。

 また、WEC世界耐久選手権でともに戦っているジェンソン・バトンやフレデリック・マコウィッキも「GT500に挑戦すべきだ」とバンバーに伝えたというから面白い。

「スーパーGTはとてもクールなシリーズだと思うし、僕はスーパーGTに見られる革新性が好きなんだ。残念ながら世界的に、現在モータースポーツでは開発の要素がほとんどなくなってしまっていると思っている。でも、スーパーGTは本当に新鮮で、革新性、エンジニアリングを駆使してレースに勝つことができる。この戦いは本当にクールだし、参加しているチームは、プラスアルファの要素をエンジニアリングで加えることができる。タイヤメーカー、自動車メーカーがプッシュしていて、特別な要素があると思っているよ」

「ピットストップだって、他のシリーズとはレギュレーションが違って、メカニックたちは今回自分たちの頑張りでアドバンテージがとれると意気込んでいるよ」

 バンバー、そしてEBM GIGA RACINGにとって、スーパーGTの参戦は非常に魅力的なものである様子だ。シリーズ参戦の希望を尋ねると「エンジニアたちともシリーズで参戦できたらワクワクするだろうねと話していたんだ」とバンバー。まずは今回、その手ごたえが感じられることを期待せずにはいられない。

 バンバーのインタビュー全文については、7月発売のオートスポーツNo.1611で掲載予定だ。世界のモータースポーツを見てきたバンバーが語るスーパーGTの魅力について、ぜひご一読を。

[オートスポーツweb 2025年06月27日]

文:AUTOSPORT web
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