レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、前戦オーストリアGPで2位フィニッシュし今季初めて優勝争いができたと喜んだが、イギリスGPはかなり厳しい状況となっている。
フェルスタッペンは予選でパワーユニット(PU)の問題に悩まされて7番手に終わったが、たとえその問題がなかったとしても、レッドブルにはトップ争いをするだけのペースが単純に不足していると彼は考えている。
■【分析】F1イギリスGPの決勝レースは、1ストップが主流に? エネルギーマネジメントの変更で、タイヤへの負荷が軽減か
前戦オーストリアGP後、FIA公式記者会見では「昨年のような逆転タイトル獲得はまだ可能か」と質問されたフェルスタッペン。しかし、シルバーストンのパドックで同じ話題を向けられると、その答えは非常に簡潔だった。
「もうその質問はしないでほしい」
前戦オーストリアGPの舞台であるレッドブルリンクは、これまでフェルスタッペンが最も得意としてきたサーキットの一つだった。一方で、シルバーストンはレッドブルのマシンだけでなく、レッドブルPUにも向いていないコースだとフェルスタッペンは考えている。
2026年の新レギュレーションでは、シルバーストンは「エネルギー不足」となるサーキットの代表例とされ、通常以上にエネルギーマネジメントが重要になる。
フェルスタッペンは、そうしたサーキットがレッドブルにとって弱点になっている上、マシンバランスも決まっていないと語った。
「こういうタイプのサーキットでは、僕たちはあまり良くない。それに今週末は、マシンバランス自体もあまり良くなかった」
そのためフェルスタッペンは、今後のレースでも同様の特徴を持つサーキットでは苦戦すると予想している。
「スパ(ベルギーGP)も基本的には同じだし、モンツァ(イタリアGP)もそうなる。それは残念だよ。スパは僕のお気に入りのサーキットの一つだけど、今年はまったく違う感覚になるだろう」
その理由はもちろんエネルギーマネジメントにある。イギリスGPのスプリントでは、今年たびたび話題となっている「ヨーヨーレーシング」も再び見られた。電気エネルギー残量が極めて重要になっていることから、その残量が少ないマシンは成すすべ無く後ろのマシンに抜かれてしまうのだ。
この問題に対するフェルスタッペンの考えは変わっていないが、同じ批判を繰り返しするつもりもないという。
「今のF1はそういうものなんだ。どうしようもない。今は家に帰ることを楽しみにしているよ」と語ったフェルスタッペンは、オランダメディアから「夏休みも待ち遠しいのでは?」と聞かれると、笑いながらこう返した。
「そうだね。でも夏休みは短すぎるよ!」
1年前のレッドブルは、グラウンドエフェクト規定最終年で伸びしろも限られる中、夏休み後に大きく巻き返しフェルスタッペンは5度目のタイトル獲得まであと一歩と迫った。
しかしフェルスタッペンは、今年もそれを再現できるとは考えていない。
「今は予算制限もある。だから以前のように次々とアップデートを投入することはできない」
「レースごとに状況を評価していくけど、やはりエネルギーマネジメントの影響が大きいサーキットでは、僕たちは苦戦する傾向がある」
フェルスタッペンは純粋な戦闘力不足だけでなく、2026年は例年以上に不運にも見舞われていると感じている。
今回のシルバーストンではPUトラブルが発生。前戦オーストリアではリヤウイングの問題が予選Q3でのクラッシュにつながった。
開幕戦オーストラリアGP予選では原因不明のクラッシュを喫し、さらにモナコでは2番グリッドからスタートしながら、別のPUトラブルによってリタイアを余儀なくされた。
フェルスタッペン自身、「タイトル争いをしていない今だから精神的なダメージは以前ほどではない」と話しているが、それでも2026年の不運の多さには驚いているという。
それはF1の合間を縫って参戦したニュルブルクリンク24時間レースでも同様で、終盤までトップを走っていたにもかかわらず、マシントラブルによって勝利を逃している。
「まるで黒猫を轢いてしまったような気分だ」と彼は言った。
「何が原因かは分からない。でも、僕はあまり迷信深い方ではないので、いずれ良くなるだろう」
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