現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > マツダはなぜディーラーの高級化を進めるのか?

ここから本文です

マツダはなぜディーラーの高級化を進めるのか?

掲載 更新
マツダはなぜディーラーの高級化を進めるのか?

マツダ車の販売台数は前年同月比で約半分に減少!

2014年以降、マツダがディーラー改革を進めている。そのシンボルといえる黒基調の落ち着いた雰囲気の店舗は、国産メーカーなのにおいそれとは入りにくい……と言われることもある。果たして、マツダは国内販売店に何を求め、どこを目指しているのだろうか。

【今さら聞けない】マツダの「スカイアクティブ」って何?

その前に、直近のマツダの国内販売について見ていく必要があるだろう。日本自動車販売協会連合会の発表データには、マツダの厳しい状況が現れている。「魂動デザイン」や「SKYACTIVテクノロジー」によってクルマ好きから高い評価を受けているマツダ車だが、2016年に入ってから、さっぱり売れていない。

2016年6月の販売台数は、普通車(3ナンバー)が4918台で前年同月比49.4%、小型車は4244台で同61.6%。合わせて9162台で同54.4%と、ほぼ半減しているのである。ちなみに、レクサスの販売台数は4557台(普通車のみ、前年同月比110.2%)だから、マツダの3ナンバー車のスケールは、レクサス並といっていい。

これほどセールスが落ち込んでいるのだから、ディーラー改革を進めている場合ではないと思うかもしれない。だが、マツダとレクサスの3ナンバー車の販売台数が近しいというのは、マツダの進める「黒基調の高級感あるディーラー店舗」を理解するヒントになる。

少子高齢化の日本市場を睨みブランド力を強化

かつてのマツダ車といえば競合他車に対して値引きで勝負するというイメージが強かった。しかし、SKYACTIVテクノロジーを採用して以降のマツダ車は、指名買いを受けるだけの存在感を示している。つまり究極的にはワンプライスで売れるような、値引きに頼らないロイヤリティのあるブランド力を身につけようとしているのであろう。

そうなれば、1台あたりの利益率が向上するので、台数を追いかける必要はなくなる。今、日本の市場は世界に先がけて少子高齢化が進んでいる。過去にはマツダと深い関係にあったフォード(ジャパン)が日本からの撤退を決めたように、この市場には規模が拡大するという希望が持てない。であれば、薄利多売というスタイルは早晩成立しなくなるのは自明。

マツダのディーラー改革は、そうした市場変化に対応して生き残るための一環であることは間違いない。とはいえそうした変革が可能なのも、魅力ある商品を用意できてこそである。そして、どんなに魅力ある商品であっても、ライバルの進化でアドバンテージは削られていくものだ。

ブランド戦略に長けていても、商品が飽きられてしまってはナンセンス。結局は商品力である。果たして、マツダ車がどのように進化していくかが、ディーラー改革のカギを握るといえそうだ。

(文:山本晋也)

こんな記事も読まれています

春爛漫の新潟に名車が集結…20世紀ミーティング2024春季「クラシックカー&バイクの集い」
春爛漫の新潟に名車が集結…20世紀ミーティング2024春季「クラシックカー&バイクの集い」
レスポンス
マツダ新型「最大・最上級セダン」世界初公開へ!? “流麗”ボディ&横一文字ライトが見えた! 噂の新型「マツダ6」中国で近日発表か
マツダ新型「最大・最上級セダン」世界初公開へ!? “流麗”ボディ&横一文字ライトが見えた! 噂の新型「マツダ6」中国で近日発表か
くるまのニュース
【MotoGP】苦戦するヤマハへの残留決めたクアルタラロ、24歳という若さも一因に? 31歳で移籍のマルケスが指摘「彼にはまだ時間が残されている」
【MotoGP】苦戦するヤマハへの残留決めたクアルタラロ、24歳という若さも一因に? 31歳で移籍のマルケスが指摘「彼にはまだ時間が残されている」
motorsport.com 日本版
レッドブル・パワートレインズの2026年PU、設定した目標を達成中とホーナー代表自信「ライバルとの比較は、現時点ではできないが……」
レッドブル・パワートレインズの2026年PU、設定した目標を達成中とホーナー代表自信「ライバルとの比較は、現時点ではできないが……」
motorsport.com 日本版
カッコいいじゃん……ホンダが[イエ]ブランド[GTコンセプト]を世界初公開! EV[e:N]シリーズに続く第2弾は2027年までに6車種一挙投入
カッコいいじゃん……ホンダが[イエ]ブランド[GTコンセプト]を世界初公開! EV[e:N]シリーズに続く第2弾は2027年までに6車種一挙投入
ベストカーWeb
富士山に朱雀……どころかくまモンにみきゃんってゆるキャラまで! 続々増える「図柄入りナンバー」の人気ランキングをチェックしてみた
富士山に朱雀……どころかくまモンにみきゃんってゆるキャラまで! 続々増える「図柄入りナンバー」の人気ランキングをチェックしてみた
WEB CARTOP
日産がフォーミュラEをモチーフとした「シビれる」音楽を配信!? イノベーションと情熱を表現
日産がフォーミュラEをモチーフとした「シビれる」音楽を配信!? イノベーションと情熱を表現
Webモーターマガジン
トヨタ「ハイラックスサーフ“後継車”」が全面刷新!「日本で復活したら欲しい!」の声も!? 武骨な本格四駆の需要あり?
トヨタ「ハイラックスサーフ“後継車”」が全面刷新!「日本で復活したら欲しい!」の声も!? 武骨な本格四駆の需要あり?
くるまのニュース
各メーカーの性能が拮抗し過ぎたから? 開幕戦で追い抜きの少なかったGT500にHRCも訝しげ「かつてのスーパーフォーミュラのよう」
各メーカーの性能が拮抗し過ぎたから? 開幕戦で追い抜きの少なかったGT500にHRCも訝しげ「かつてのスーパーフォーミュラのよう」
motorsport.com 日本版
ホンダ、人気の軽バン「N-VAN」の一部改良を実施。内外装にアウトドアテイストをプラスした特別仕様車「STYLE+ NATURE」も同時発売
ホンダ、人気の軽バン「N-VAN」の一部改良を実施。内外装にアウトドアテイストをプラスした特別仕様車「STYLE+ NATURE」も同時発売
月刊自家用車WEB
川口の“あまりにも惜しい”道路が奇跡の全線開通!? “高速越えたら虚無”30年越しの解消!
川口の“あまりにも惜しい”道路が奇跡の全線開通!? “高速越えたら虚無”30年越しの解消!
乗りものニュース
アストンマーティンF1と“キャリア最長の契約”を結んだアロンソは引退後もチームに残留か。将来的には「違う役割を担う」
アストンマーティンF1と“キャリア最長の契約”を結んだアロンソは引退後もチームに残留か。将来的には「違う役割を担う」
AUTOSPORT web
日産が「和製スーパーカー」投稿! ゴールドアクセントが強烈!? わずか50台の限定発売… 「GT-R50」とは
日産が「和製スーパーカー」投稿! ゴールドアクセントが強烈!? わずか50台の限定発売… 「GT-R50」とは
くるまのニュース
純血の競技マシン!三菱「ランサーエボリューションII」とは
純血の競技マシン!三菱「ランサーエボリューションII」とは
バイクのニュース
日産「GT-R」のパトカーが大人向けトミカから登場! 白いボディのV-spec N1も同時に発売。
日産「GT-R」のパトカーが大人向けトミカから登場! 白いボディのV-spec N1も同時に発売。
くるくら
アウディの4ドアスポーツEV『e-tron GT』に改良新型、プロトタイプの写真を公開
アウディの4ドアスポーツEV『e-tron GT』に改良新型、プロトタイプの写真を公開
レスポンス
実は深刻なのよ……免許返納を親子間で話す家族はたったの3割 解決方法は
実は深刻なのよ……免許返納を親子間で話す家族はたったの3割 解決方法は
ベストカーWeb
【50本限定】ランボルギーニが「ラケット」を作る!? カーボンファイバー技術を応用した「パデル」用の究極スポーツ用品とは
【50本限定】ランボルギーニが「ラケット」を作る!? カーボンファイバー技術を応用した「パデル」用の究極スポーツ用品とは
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村