運営元:旧車王
著者 :松村 透
クセ者ぞろいの参加車輌が魅了する「第7回旧車(Old Car)祭り IN 美和」イベントレポート
2025年5月11日、埼玉県川越市を舞台にした初のクラシックカーイベント「小江戸川越まちかどモーターギャラリー」が開催された。
参加条件は、国産車および輸入車を問わず1975年までに製造されたクルマであること。初開催となる今回は、70台を超えるクラシックカーが川越の街に集結した。
個人的な話で恐縮だが、川越の街は幼少期から慣れ親しんだ場所でもある。1970年製の古いクルマを所有する筆者も、いち参加者としてエントリーしつつ、初開催となるイベントを取材してみた。
ひとまず、A~Fの6つのエリアに展示された国内外のクラシックカーを可能な限り撮影してきたので、ご紹介していこう。
■A:蓮馨寺エリア西武新宿線本川越駅から750m、徒歩10分ほどのところにある「蓮馨寺(れんけいじ)」には、プリンススカイラインや、いすゞ117クーペ、「ヨタハチ」ことトヨタ 800などの国産車を中心にメッサーシュミットやフィアットアバルトを展示。
このエリアには物販コーナーやフードコーナーもあり、観光で川越を訪れた人もふらりと立ち寄れるのが魅力。「GTroman」でお馴染みの西風先生のサイン会も開かれた。
■B:大正浪漫夢通り&連雀町繁栄会エリア中小企業庁の「がんばる商店街77選」にも選ばれている川越市内7商店街のひとつでもある大正浪漫夢通り&連雀町繁栄会エリアには、イギリス車やイタリア車を中心に展示した。
鯉のぼりが5月18日まで掲揚されていたこともあり、クルマ好きだけでなく、偶然立ち寄った観光客も撮影せずにはいられないほどの光景が広がっていた。
個人的にはここが「映えスポット」としてもっとも画になったエリアに感じた。なかにはスケッチブックを片手に絵を描いているギャラリーもいた。また、丸徳商会ブースでは全日本ラリー選手権に参戦中のハイエースのラリーカーが特別展示され、こちらも注目を集めていた。
■C:コエトコエリア大正浪漫夢通り、連雀町繁栄会エリアから少し奥まったところにある「コエトコ(正式名称は川越市文化創造インキュベーション施設)」は、川越市指定文化財にもなっている、2024年4月にオープンしたばかりの施設だ。
ここには、ダイハツミゼットやマツダ ポーターキャブ、ミニ トラベラーなど、懐かしいはたらくクルマたちを展示。あまりにも画になっているので、このまま常設展示して欲しいと感じたほどだ。知らない人が見たら、映画のワンシーンのように、クルマと風景が見事にとけ込んでいたのが印象的だ。
■D:りそなコエドテラスエリア蔵づくりの街並み沿いにある「りそなコエドテラスエリア」には、マクラーレンMP4/4をやブラバム BT16Aをはじめ、懐かしいホンダ車を中心に展示。
いまや伝説のドライバーとなったアイルトン・セナがドライブしたF1カー(1988年ベルギーGP優勝車)が間近で観られるとあって、常に多くのギャラリーが、懐かしいMarlboroカラーのF1マシンを撮影していた。
■E:本丸御殿エリアりそなコエドテラスエリアから徒歩で15分ほどの位置にある「川越城本丸御殿エリア」では、2014年にこの世を去った、モータージャーナリストの故・川上完氏が所有していたという「ブリストル406」や、ロータスのワークスマシンである「Mk8」を特別展示。
嘉永元年(1848年)に建てられたという川越城本丸御殿と、異国の地で造られたジャガー、シトロエン、ポルシェ、BMWなどの名車が不思議なほどしっくりと馴染むことに驚いた。
また、フェラーリF40やランボルギーニカウンタックLP400といった、時代を超えて憧れの存在であるスーパーカーも特別に展示され、会場の雰囲気をより一層華やかなものにしていた。
■F:川越市立博物館エリア本丸御殿エリアの向かいにある「川越市立博物館エリア」には、シボレーコルベットやキャデラッククーペといったアメリカ車やフォルクスワーゲンビートル、カルマンギアなどを展示。
個人的に驚いたのは、アルファ ロメオ F11が展示されていたことかもしれない。なかには「初めて観た!」と興奮気味にスマートフォンで撮影しているクルマ好き(・・・であるに違いない!)がオーナーと談笑していたり・・・と、終始和やかな雰囲気に包まれていた。
■イベントも盛りだくさん午前中の開会式の盛り上げに一役買った地元の和太鼓チーム「響」の演奏が午後からは本丸御殿エリアでも行われた。本丸御殿をバックに、子どもたちの力強い演奏とクラシックカーの共演にギャラリーも感激していたようだ。
また、大正浪漫夢通り&連雀町繁栄会エリアではジャズのミニライブも行われたほか、その他にも、甲冑姿の武士がいたり、着物美人と愛車の撮影会が開かれるなど、オーナーはもちろん、来場者を喜ばせるホスピタリティあふれる企画が満載であった。
■まとめ:「小江戸川越」の立地を最大限に活かしたイベントはひと味もふた味も違うゾ!仕事柄、筆者もさまざまなクルマ関連のイベントを取材している。施設の駐車場などを貸し切り、参加者同士が楽しむイベントがあるいっぽうで、商店街や観光地の一角に展示スペースを設けて、偶然居合わせた観光客でも楽しめるスタイルのイベントもある。今回はあきらかに後者だ。
川越の街並みに映えるクラシックカーを展示し、さらにはオーバーツーリズム対策を考慮してエリアを分散させる。さらにはただ単にクラシックカーを眺めるだけでなく、マニアから一般の人まで、さまざまな視点で情景も楽しむことができる。
筆者自身、このイベントがなければ歩くことがなかった(気がつかなかった)場所がいつくもあり、新たな発見となったことは確かだ。近々、散歩がてら川越の街を改めて散策してみるつもりだ。
事実、家族連れからご近所に住んでいると思しき高齢者のご夫婦など、さまざまな人が行き交い、普段なかなか目にする機会がないクラシックカーを間近で眺めたり、スマートフォンで撮影している光景をあちこちで見掛けた。
企画からイベント開催までおよそ1年の歳月を費やしたそうだが、行政との調整や安全面および来場者の回遊、クラシックカーの配置など、細部にいたるまでさまざまな協議を行ったことがうかがえた。まさに、小江戸川越の立地を最大限に活かしたクラシックカーイベントといえるだろう。
・・・とはいえ、事前に企画を煮詰めに煮詰めても「実際にやってみなければ分からない」ことが山ほどあったはずだ。無事に初開催を終え、今後の課題が浮き彫りになった点をブラッシュアップしていくことで、よりイベントの魅力が増していくに違いない。
参加者だけでなく、観光客や地域の人たちの目も楽しませてくれるクラシックカーイベントは貴重だ。
主催者の方に話を伺ったところ、一般的なオーナー中心のクラシックカーイベントではなく『美術館の作品を散策するイメージ、そしてクルマに興味がない方々や興味をもつきっかけとなっていただくこと』をコンセプトに企画したのだという。イベントの名称が「まちかどモーターギャラリー」なのも合点がいく。
つまり、今回展示されたクルマは、小江戸川越の街を舞台にしたクラシックカーを愛でる「1日限定の屋外鑑賞会」というわけだ。
小江戸川越の魅力をより多くの人たちに発信するためにも、今後も「小江戸川越まちかどモーターギャラリー」が継続して開催されることを心から願うばかりだ。
●公式サイト小江戸川越まちかどモーターギャラリー公式サイト
https://www.coedo-mobile.club/
[撮影&ライター・松村透 / Special Thanks・中尾博 & 中込健太郎 ]
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