理想とはかけ離れた現在のグランドツーリングカーへのアンチテーゼがこめられた“快適仕様”のミドシップモデルがGT。200回以上ドライブを繰り返してきた京都への道行きで、その魅力と実力を試した。
新たに加わった極上のクルージング感覚
今だからこそ“最近のイイクルマ”を思い起こす──心に残っているクルマ達 2019-2020 Vol.5
京都を目指し高速道路に乗る。もう200回以上もこんなドライブを繰り返してきたから、小一時間もすればそのクルマと長く過ごせるかどうか、身体が自然と判断してくれる。海老名SAを過ぎ、右と左に東名が分かれたころ、ボクの心と身体はすっかりマクラーレンGTの虜になっていた。
自分でも驚いたことにボクは、最新の高性能スーパーカーに乗ったときに“やらないこと”をした。もしくは“やること”をやらなかった。これは意識的にそうした(しなかった)のではなく、高速クルージングをたんたんとこなしているなかで自然とそうなった。
ひとつめはクルーズコントロールを使った。もちろんフェラーリにもランボルギーニにも装備されてはいるけれど使った記憶はない。それに最新モデルとはいえスーパーカーのそれは未だ定速装置でしかなく、追従機能など備わっていない。要するにテストする必要さえなかったのだ。スーパーカーに乗って加減速を味わわず定速に徹するなどということがあろうはずもなかったのだが……。
新東名を流しながら何となくクルコンを作動させていたのだ。加減速が面倒になったから? そうじゃない。マクラーレンGTの加減速は姉妹モデルに勝るとも劣らず刺激的である。伸びやかで強力な中間加速はいちど味わうと病み付きになること請け合いだ。けれども背後でV8エンジンの柔らかなノートをクゥーンと響かせつつ、強靭なボディとしなやかなアシ回りが織りなすフラットかつコンフォタブルなライドフィールもまた乗り手を虜にする。高性能車の魅力といえばスタイルやハンドリング、エンジン性能あたりが定番だが、ここに極上のクルージング感覚を新たに加えたという点でマクラーレンGTは新しい。それをじっくりと味わいたいがためにボクは自然とクルコンスイッチを探したというわけだった。
Rei.Hashimotoデフォルトのコンフォートが心地よい
もうひとつ、普段なら躊躇うことなく試みることを京都に着くまで、正確に言うと比叡山ドライブウェイというスカイラインの入り口に至るまで、やらずじまいだった。それはドライブモードの切り替え、だ。
マクラーレンのロードカーには“パワートレーン”と“ハンドリング”にそれぞれ3段階のモード切り替えロータリースイッチが用意されている。他メーカーもだいたいそうだが、コンフォート・スポーツ・レースという3段階で、スーパーカーを試し斬りするにあたって、レースモードはともかくスポーツモードを試さないテストなどありえない。何ならのっけからスポーツモわよードに入れてしまう方も大勢いらっしゃる。スポーツモードにすれば大抵、サウンドはラウドになり、アシはビシッと硬くなって、変速やハンドリングがシャープになる。言ってみればスーパーカー性能のデフォルトがスポーツモードなのだ。
マクラーレンGTで京都に向かう道中、それを試すことがなかった。モードスイッチのあることをほとんど忘れていたのだ。それくらいデフォルトのコンフォートモードが心地よかった。誤解のないように言っておくと、コンフォートモードでもその加速フィールは一級品である。十分なパフォーマンスをみせていた。
京都までのおよそ450km。時間にして大抵5時間から5時間半の行程で、これは高性能車だろうがプリウスだろうが大して変わらない。速度制限があるうえ普段の流れというものがあって、休憩もするから、大体いつもそんなところだ。時間的にびっくりするほど速く到着するということはない。
けれども精神的に速く到着した気分になることはたまにある。もう浜松、岡崎、四日市まできたか、などと、供がいいGTであればあるほどに東京から離れた地名で思う。休憩も少なくなるし、何より肉体的に疲れていない。目線が常に一定で、車両感覚も掴み易く(たとえばノーズが適度に見えている)、ドライバーの入力に対するクルマのあらゆるアウトプットが滑らかであれば、いくらでもドライブを続けることができるのだ。
マクラーレンGTは速かった。音楽さえ聞かずに気がつけば鈴鹿(東京から350km)、という感じだった。実をいうと、少しだけシートの形状が腰の負担になったのだが、それに気づいたのが鈴鹿だったのだから、スーパーカーとしては許せる範囲だろう。
スポーツモードで期待通りの“スポーツカー”へ
その名の通り素晴らしいGTであることは分かった。ならば、マクラーレンとしてはどうなのか? 前述したようにナカミを考えれば容易に想像がつくけれども?
時間の余裕があったので大津インターで降り、比叡山ドライブウェイを目指してみることに。しばらく大津市内の幹線道路を走る。ここでも乗り心地は抜群にいい。そもそもマクラーレン製スーパーカーといえば最初のMP4-12Cがデビューしたとき、その上質なライドフィールで世界を驚かせたものだ。以来、他ブランドも“乗り心地”を追求し、今ではフェラーリもランボルギーニもベースモデルは一定の上質ライドを手に入れている。言ってみれば時代の先駆。そんなブランドの快適仕様なのだから、乗り心地に不満の出るはずもなく。
Rei.Hashimoto乗り心地が良いだけじゃない。それなりに幅も広く気を遣うはずなのに、ちょっとした脇道でも気後れすることなくさっさと入っていける。滋賀県までのドライブでもう十分に乗り手と一体になっているという自信がそうさせるのだろう。
果たしてワインディングロードでのマクラーレンGTは、期待通りのスポーツカーであった。“パワートレーン”と“ハンドリング”をスポーツモードとし、変速をマニュアルにしたならば、超一級のスポーツカーへと劇的な変身をみせる。もちろん、同じ4リッターV8の720Sに比べれば、何もかもが“大人しい”。けれどもそれは逆にいうとドライバー側に好ましい“余裕”を与えてくれる。620psでもビッグパワーには違いないけれど、優秀な電子制御の助けもあって、手に負えない感じはしない。気持ちのいいスポーツドライビングを楽しめた。
一粒で二度美味しい、GTでありスポーツカー。マクラーレンの最新型は京都の古い町並みにもよく似合った。
文・西川 淳 写真・橋本 玲 編集・iconic
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読みにくい記事だなあ