2年ぶりの開催となったF1第5戦モナコGP。初日フリー走行で速さを見せたのは、フェラーリだった。FP1でカルロス・サインツJr.が2番手に入ると、FP2ではシャルル・ルクレールがトップタイムをマーク。2番手にサインツJr.が続き、フェラーリがワンツーで初日を締めくくったのだ。
今季はこれまで、メルセデスとレッドブルが激しいトップ争いを繰り広げてきた。その次のポジションを巡って、マクラーレンとフェラーリが争ってきた。現在、コンストラクターズランキング3番手はマクラーレン。5ポイント差でフェラーリがランキング4番手となっている。
■フェラーリのルクレール、母国モナコ初日で首位「信じるには”良すぎる”結果……予選まで待ってみよう」
それだけに、フェラーリがモナコで一気にトップに立ったことで、メルセデスのルイス・ハミルトンやレッドブルのマックス・フェルスタッペンは驚きを感じたようだ。
しかしマクラーレンのランド・ノリスは、前戦スペインGPの走りを見て、フェラーリの活躍を予想していたという。
フェラーリの躍進を予想していたのかと訊かれたノリスは、昨年までマクラーレンでチームメイトだったサインツJr.に、メールで「勝つチャンスがあるはずだ」と伝えていたと明かした。
「ああ、予想していた」とノリスは語った。
「彼らは(スペインGPの)最終シケインでとても速かった。あそこはモナコのようなコーナーがあるからね。週末の前に、カルロスにメールしたんだけど、彼に『勝つチャンスがあると思うよ』と伝えていたんだ。僕たちとしては予想通りだったけど、視聴者にとっては予想外だったかもしれないね」
「でも彼らがどこで速いか、どこで速くないか分かっているし、このコースは彼らのマシンにとても合っているので、驚くことじゃない。今後のサーキットでポジションを取り戻すことができるはずだ。彼らはとても強いので、僕たちにとって理想的ではないけど、ベストを尽くすよ」
スペインGPの舞台であるカタルニア・サーキットの最終セクターは、低速のカーブやタイトなシケインが大半を占める区間であり、モナコと同じような性質を持っている。つまり、ここで速さを発揮できるマシンは、モナコでも速い可能性が高いのだ。
各チームの予選におけるセクター3の最速タイムを比べると、レッドブルが最速(26秒295)だったが、フェラーリは3番手(26秒580)。マクラーレンは5番手(26秒782)だった。
ノリスはFP1で7番手、FP2で6番手と悪くないポジションにつけた。彼はマシンの感触も悪くないため、さらなる改善に期待を持っているという。
「ここはタフだね。モナコは慣れるのも、スピードを上げていくのも簡単なトラックじゃない。でもFP1の時からマシンの感触は良かった。ここに来ると、壁やバンプ、路面のキャンバーなど他のサーキットとは少し異質なものを感じるんだ。自信を築き上げていくのは難しいけど、最初の周からクルマの感触は良かったし、ここで重要となるブレーキングのフィーリングも良い。僕たちは何マイルも離されているわけじゃないんだ」
「前の人たちとの差は現実的だと思う。マシンはいい感じだ。いくつか改善すべき点があるからね。期待に満ちているよ」
ノリス曰く、いかに空力性能を損なわずに、乗りやすいマシンに仕上げていくかがセットアップの肝だと語った。
「ここは他のサーキットとはかなり違う。ここではバンプとか路面のキャンバーに対する自信が大きく影響するんだ。つまりブレーキングなどに自信を持てるようにメカニカルなところを調整しながらも、空力面でブレないクルマにできるような組み合わせを見つけることだ」
「だからこそ、適切な妥協点を見つけることが必要なんだ。僕たちは正しいスタートを切ったと思っているけど、常に改善すべき点はある」
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