現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【王者打倒の最右翼に急浮上!!】ホンダF1 チャンピオン争いなるか!? 高まる期待と頂点への課題

ここから本文です

【王者打倒の最右翼に急浮上!!】ホンダF1 チャンピオン争いなるか!? 高まる期待と頂点への課題

掲載 更新
【王者打倒の最右翼に急浮上!!】ホンダF1 チャンピオン争いなるか!? 高まる期待と頂点への課題

 ついにF1開幕!! 昨シーズン3勝をあげたホンダF1が、ついに王者メルセデスAMGの背中を捉える!? チャンピオン争いへの期待と課題とは。

 2020年のF1開幕戦オーストラリアグランプリが、いよいよ今週末の13日に開幕(予選=14日、決勝=15日)。昨季からレッドブルにパワーユニットを供給し、シーズン3勝をあげたホンダF1は、2015年の復帰後6シーズン目を迎える。

【話題のホンダe、新型ノート】今年続々発売 新コンパクト激戦の予感

 引き続き「レッドブル」と「アルファタウリ」の2チーム、計4台にパワーユニットを供給するホンダF1は、さらなる飛躍を遂げることができるのか。元F1メカニックでジャーナリストの津川哲夫氏が解説する。

文:津川哲夫
写真:Getty Images / Red Bull Content Pool

【画像ギャラリー】第四期ホンダF1 復帰後の全参戦マシンをチェック!!

ホンダF1にとって今季は「大きな山場」

ともにホンダエンジンを搭載するニューマシン、レッドブル「RB16」(上)とアルファタウリ「AP01」(下)

 いよいよ2020年F1シーズンの開幕だ。今シーズンは現行F1規則の最終年、2021年からはこれまでのF1史を覆す過激な規則変更が施行され、F1はその姿を大きく変えてしまう。したがって各チーム、何が何でも今シーズンに結果を出したいところだ。

◆3月15日(日)まで限定!! ホンダF1見るなら『DAZN』 今だけ2か月無料キャンペーン実施中!!

 これはレッドブル軍団にパワーユニット(PU)を供給するホンダも然り。2021年のPU規則は現行のままだが、それに加えて開発制限が強化されるので、本格的なPU開発戦争は今シーズンが最後の山場、ここで結果を出さねば後がない。

 ホンダはレッドブルグループと共闘して、レッドブルとアルファタウリ(編注:昨季までトロロッソとして参戦、今季よりチーム名変更)チームにパワーユニットを供給している。

 このホンダ連合軍は今シーズンかなり戦力を上げている。それは2019年と今シーズンの間に規則変更が全くなく、昨年からの開発がそのまま継続されているからだ。「それは他チームも同じじゃないか!?」と文句を言われそうだが、ホンダ連合軍は少し様子が違う。

弟分のアルファタウリ・ホンダは昨季優勝車で戦闘力向上へ!

トロロッソの青系から白を基調としたカラーリングに一新されたアルファタウリ・ホンダの新車。ボディサイドの「HONDA」デカールも映える

 レッドブル・ホンダはもちろん最新型マシンの「RB16」を投入するが、アルファタウリ・ホンダは今シーズン車として昨年のレッドブル「RB15」を投入する。

 つまり、昨年の優勝車(編注:レッドブル・ホンダは昨季3勝を記録)を、そのまま今シーズン用に更なる開発を加えて送り込んでいるのだ。その戦闘力の高さをあえて説明する必要はないだろう。

 (今季は)規則変更がなかったため、各チーム昨年型からの継続開発・アップデートという手法を取っている。

 そのため昨シーズン終了時の勢力図に極端な変化は少なく、そうしたなかで「RB15」をアップデートするなら間違いない戦闘力が保証されているわけだ。

 また、本体のレッドブルは「RB16」という今シーズンに特化した新車を投入。チャンピオン争いへの強力なチャレンジャーだが、テストは冬季テストのみで開幕戦を迎える。

 一方、アルファタウリは昨年1年間走り切って充分なデータも信頼性も確立しているマシンだから、レッドブルのバックアップには実に強力な存在となる。

 実際、昨年のトロロッソ・ホンダも複数の表彰台をゲットしているのだから、AT01(=レッドブル譲りの新マシン)を得れば更なる好成績はほぼ確実と言っていいだろう。

昨季は3勝!! ホンダF1 タイトル争いへの「期待と課題」

昨季はコンストラクターズ・ランキング3位だったレッドブル・ホンダだが、今季は期待のニューマシンを得てチャンピオン争いが至上命題だ

 ここまではセカンドチーム、バックアップの話しだが、本命レッドブル・ホンダ。

 2019年は「RB15」を過激な開発でかなり難しいマシンにしてしまい、この制御・セッティングにシーズン前半を費やしてしまった。これはホンダ製パワーユニットの開発速度の早さも起因している。

 昨年はレッドブル・ホンダのコラボ初年度(もちろんトロロッソとはその前からのコラボだが……)、車体の開発速度とPUの開発速度が合致せず、戸惑いがあったのだろう、ということは想像に難くない。

 しかし、シーズン後半でのレッドブル・ホンダ軍団のタッグは見事に開花して、澱みなく開発が進んできた。その結果、見事にシーズン3勝を達成、信頼性、パフォーマンス共に危なげない向上を続けてきた。

 今シーズンのレッドブル・ホンダ軍団のタスクはチャンピオンシップへの挑戦。もちろん、かなり過酷な挑戦だが、すでに冬季テストから王者・メルセデスAMGへのチャレンジャー筆頭の位置を確保し始めている。

ホンダにとってメルセデスは「もう手が届くところにいる」

「(レッドブル・ホンダには)まだまだ攻め込んだ開発が出来るゆとりがある」というのが津川氏の見解

 実際、昨年は優勝こそあるものの、ホンダのパワーユニットがまだNo.1には及ばないことはハッキリとしていた。

 特にパフォーマンス(出力)ではフェラーリには及ばず、メルセデスにもまだ追いついてはいなかった。それでも同等の戦いのなかでフェラーリを交わし、メルセデスを追い上げたのは確か。

 しかし(これはどのPUでも多かれ少なかれ発生する問題だが)、メルセデスの弱点であった高温・高所での冷却効率の悪化とパワーダウンに関して、ホンダPU搭載車の4台は何の不安もなく通常パフォーマンスを発揮している。

 つまり、安全率が極めて高く、まだまだ攻め込んだ開発が出来るゆとりがあるということだ。

 一方、メルセデスはすでにパワーユニットでは開発限界に近づいていると考えられる。したがってホンダにとってメルセデスはもう手の届くところにいるというわけだ。

昨季、ホンダPUにとって2006年以来の優勝を飾ったオーストリアGPの表彰台にて。レッドブルのエース、フェルスタッペンが指さす「H」マークは、今季輝きを放てるか

 フェラーリは昨年パフォーマンスでは先行するも、(PUだけでなく)他の全ての面で信頼性に欠け、すでに総合力ではレッドブル・ホンダに遅れを取っていた。

 そう今やレッドブル・ホンダはメルセデス討伐の先鋒となっているのだ。もちろんメルセデスの牙城はそう簡単に陥落することはないはずで、かなりの乱戦苦戦が待っているのは当然だが、それを戦う力をすでに持っていることだけは確か。

 あとは戦闘巧者のメルセデスにどういった戦いを挑めば勝機に恵まれるか、今シーズンのメルセデスはすでに高温・高所対策が施され、弱点は極めて少なくなっている。そのぶんPUパフォーマンスにおける伸びへの期待は少ない。

 今、挑戦者としてのホンダが必要なのは、まさにパワーアップ。

 完璧な信頼性に加えてのパワーアップが可能なら、過激さを緩めコンベンショナルな信頼性と弱点の少ないトータルパフォーマンスのレベルを上げているはずのRB16ならば、レッドブル・ホンダ軍団の進攻は、勝利への路(みち)につながるはずである。

【画像ギャラリー】第四期ホンダF1 復帰後の全参戦マシンをチェック!!

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

 専用品がない旧車や緊急時の味方!!「液体ガスケット」とは?【バイク用語辞典】
専用品がない旧車や緊急時の味方!!「液体ガスケット」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
全長3.9m! ダイハツの「コンパクトSUV」は“一文字テール”が未来的! パワフルな「1200cc×ハイブリッド」やターボ搭載した「トレック」とは!
全長3.9m! ダイハツの「コンパクトSUV」は“一文字テール”が未来的! パワフルな「1200cc×ハイブリッド」やターボ搭載した「トレック」とは!
くるまのニュース
「支払は今度で……」なんていまだ人情話もある日本の路線バスもシッカリ経営に! キャッシュレス化がもたらすメリットとは
「支払は今度で……」なんていまだ人情話もある日本の路線バスもシッカリ経営に! キャッシュレス化がもたらすメリットとは
WEB CARTOP
【KTM 990RC R発表】RC8シリーズ以来の大排気量スーパースポーツRC・公道へ再降臨!デビューは2025年春以降
【KTM 990RC R発表】RC8シリーズ以来の大排気量スーパースポーツRC・公道へ再降臨!デビューは2025年春以降
モーサイ
悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
motorsport.com 日本版
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
AutoBild Japan
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
くるまのニュース
2025年は車を買う! でもどれにする?…スライドドア付き軽自動車・予算別ガイド、3ゾーン48車種
2025年は車を買う! でもどれにする?…スライドドア付き軽自動車・予算別ガイド、3ゾーン48車種
レスポンス
いつ見てもかわいいレトロデザイン!! 超小型車 フィアット新型「トポリーノ」は欧州で大人気! ネットに続々寄せられる熱い思いとは
いつ見てもかわいいレトロデザイン!! 超小型車 フィアット新型「トポリーノ」は欧州で大人気! ネットに続々寄せられる熱い思いとは
VAGUE
ラリージャパンで国沢光宏が躍動! 二つの顔を持つ紳士がルーテシア ラリー5で激走
ラリージャパンで国沢光宏が躍動! 二つの顔を持つ紳士がルーテシア ラリー5で激走
ベストカーWeb
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
レスポンス
ソニー、移動をエンタメに変える「MR Cruise」事業化…あらゆる車両に搭載可能に
ソニー、移動をエンタメに変える「MR Cruise」事業化…あらゆる車両に搭載可能に
レスポンス
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
くるまのニュース
日本人初の快挙! moto2チャンピオン小椋藍がトライアンフ トリプル トロフィーを受賞
日本人初の快挙! moto2チャンピオン小椋藍がトライアンフ トリプル トロフィーを受賞
バイクのニュース
【10年ひと昔の新車】ボルボ V60 オーシャンレース エディションは、世界一周ヨットレースを記念したスペシャルバージョン
【10年ひと昔の新車】ボルボ V60 オーシャンレース エディションは、世界一周ヨットレースを記念したスペシャルバージョン
Webモーターマガジン
孤高のミニバンSUV、デリカD:5に「BLACK Edition」新登場、定番の「CHAMONIX」には新たに8シーターを設定
孤高のミニバンSUV、デリカD:5に「BLACK Edition」新登場、定番の「CHAMONIX」には新たに8シーターを設定
カー・アンド・ドライバー
ダイハツの「“すごい”コペン」登場! 軽規格超えた「ワイドフェンダー」×770ccエンジン搭載! 2L並みパワーでめちゃ速い「デカいコペン」 どんなマシン?
ダイハツの「“すごい”コペン」登場! 軽規格超えた「ワイドフェンダー」×770ccエンジン搭載! 2L並みパワーでめちゃ速い「デカいコペン」 どんなマシン?
くるまのニュース
トヨタの「高級スポーティミニバン」がスゴい! 「走りが楽しい」反響多数!? 王道「アルファード」と異なる「個性」に注目! ヴェルは何が違う?
トヨタの「高級スポーティミニバン」がスゴい! 「走りが楽しい」反響多数!? 王道「アルファード」と異なる「個性」に注目! ヴェルは何が違う?
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村