この記事をまとめると
■台湾・宜蘭県には世界唯一とされるタクシー博物館が存在する
「エアコンの温度を下げて」「窓を開けて」「タバコ吸っていい」「音楽かけて」 タクシーに要求してもダメなものってドレ?
■日本や香港のクラウン系タクシーや貴重な関連グッズを展示する
■家族連れも楽しめる施設として地域の観光スポットにもなっている
世界にまたとない「タクシーだけ」の博物館
台湾の最大都市である台北からおよそ70km、台湾国鉄で2時間ほど区間快速に揺られ、筆者が乗った電車では終点となる蘇澳新(宜蘭県)駅に到着、駅から徒歩でしばらく行くとあるのが世界で唯一とされる“計程車(タクシー)博物館”である。ちなみに台湾ではタクシーを“計程車”と漢字表記するが、中国本土では“出祖車”と漢字表記されている。
いままで数回は単なる見学者としてタクシー博物館を訪れていたのだが、今回正式取材として訪れ、館長である李 濟成氏に話を聞くことができた。
地元台湾の歴史的タクシー車両のほか、日本国内や香港仕様のトヨタ・クラウンコンフォートや同クラウンセダンで構成される“世界のタクシー”といった車両展示のほか、李氏が蒐集した2000点ともされるミニカーやタクシーメーター、行灯(社名表示灯)などのタクシーグッズの展示がメインで構成されているのが、2019年に開館したタクシー博物館となっている。
自他ともに認めるタクシーマニアである筆者がこの博物館の存在を知り、初めて訪れたときの衝撃はいまも忘れることができない。「クラウン・コンフォートがなぜここに?」とか、日本でおなじみのタクシー事業者の行灯が数多く展示されていたからである。
ミニカーなどのタクシー関連グッズもレアものばかり。さぞ館長は生粋のマニアなのだろうと思いきや、李氏の“濟成”という名前の台湾での読みが“計程車”の読みと近く、子どものころはよくからかわれ、タクシーにはあまりよいイメージをもっていなかったとのこと。
李氏によると、2000年にアメリカ・ニューヨークを訪れた際に“NYC-1009(李氏の誕生日)”というナンバープレートのついたイエローキャブのおもちゃを買ったことから、タクシーに関するグッズ蒐集がはじまったとのこと。友人・知人からのプレゼントなどもあってみるみるうちに集まるようになったため、当初はグッズのみを展示しようと考えたそう。
しかしそれだけでは……ということで、過去に使われていたタクシー車両も用意していまの場所にタクシー博物館を開館したのである。
タクシー文化そのものを体験できる
車両はどのように集めたのかと聞くと、長年使い続けたタクシー運転士に直談判して手に入れたという話も披露してくれたのだが、ネットオークションで落札することもあるという意外な話も聞くことができた。
博物館を訪れるのはやはりマニア系が多いのかとの質問には、現役のタクシー運転士の来館も目立つとのことだが、家族連れが意外なほど多いと語ってくれた。事実今回訪れたときも多数の家族連れが館内を見学していた。車両や関連用品、グッズのほかにも敷地内にはスライダー、メリーゴーランド、硬貨を入れて動く電動車など、子どもたちが楽しめるアトラクションも多数用意されている。
また館内には潰れたタクシーが展示されているのだが、これは2015年に台北松山空港から飛び立ったトランスアジア航空235便が台北市と新北市の境となる基隆河に墜落した際に巻き添えとなったタクシーの実車であった。
筆者は今回で訪れるのは3回目となるのだが、常に新しい展示物や試みが行われており、毎回訪れるのを楽しみにしている。マニアも納得する展示内容のなか、家族連れでも十分楽しむことができるタクシー博物館は李氏がこの博物館を開館するまでの流れを聞いて思わず納得してしまった(生粋のタクシーマニアというよりはグッズ蒐集家というところ)。
なお、タクシー博物館にきたのだからと、帰りは思い切ってライドシェアアプリで配車を試みると、地元のタクシー(トヨタ・プリウスα)がマッチングしタクシーで台北へ戻った。所要時間は1時間ほどに短縮できるのだが、料金は円換算で8000円ほどかかった。
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