この記事をまとめると
■Honda 0シリーズ中止によりソニー・ホンダモビリティのアフィーラもキャンセル
Honda 0シリーズ中止の余波が直撃! AFEELA全滅でソニーホンダはどうなる
■アフィーラ1は日本を代表する2社による新概念のクルマになることが期待されていた
■もしアフィーラ1が市場投入されていたとしても苦難が待ち受けていた可能性が高い
アフィーラとはどんなクルマだったのか
ホンダがHonda 0シリーズのセダンとSUV、そしてアキュラRSXの開発・販売を中止することを発表した。しかし、ホンダのこの決定は、同社だけではなく関連企業にも大きな影を落とすこととなった。そう、ソニーとホンダの合弁企業であるソニー・ホンダモビリティが発売予定であったアフィーラ1とその第2弾モデルも中止となってしまったのだ。
ところで、ソニー・ホンダモビリティが2026年後半にも納車を開始する予定であったアフィーラ1と、それに続く第2弾とはどんなモデルとなるはずだったのか。ちょっと振り返ってみたい。
ソニー・ホンダモビリティが設立されたのは2022年。電動化とソフトウェア化が急速に進むなかで、「ハードのホンダ」と「エンタメ・ITのソニー」という日本を代表する企業がお互いの強みを活かして手を組むことで、新しいモビリティの価値創出が狙いだ。単なるEVメーカーではなく、「移動するデジタル空間」を提供するというのが大きなコンセプトである。
そして登場したのがアフィーラ1だ。2023年のCESでの初公開時は単に「アフィーラ・プロトタイプ」となっていたが、2025年1月のCES 2025では「アフィーラ1」を襲名。流麗なファストバックスタイルのセダンで、シンプルかつクリーンなデザインのボディ全体には数多くのセンサーが組み込まれ、カメラやLiDARなどを駆使した先進運転支援機能を備えるほか、フロントに設けられたメディアバーによって外部とのコミュニケーションも可能とされていた。全長4915mm、全幅1900mm、全高1460mmというサイズは、テスラ・モデルSを直接のライバルに見据えているように見えた。
駆動方式は前後それぞれ180kWのモーターを搭載するAWD(全輪駆動)で、システム合計出力は360kW(約489馬力)。足まわりにはフロントにダブルウイッシュボーン、リヤにマルチリンクを採用し、ホンダの知見を活かした「走る喜び」もしっかりと担保されていた。
バッテリー容量は91kWhのリチウムイオン電池。EPA推定で最大300マイル(約483km)の航続距離を確保し、NACS(テスラ規格)のスーパーチャージャーにも対応するなど、実用性も備えていた。
そして2026年1月のCES。ソニー・ホンダモビリティはアフィーラ1のプレプロダクションモデルとともに、2028年に販売予定というアフィーラブランドの第2弾として「アフィーラ・プロトタイプ2026」を発表。
アフィーラ・プロトタイプ2026は、まさにアフィーラ1のSUVバージョンといった感じで、アフィーラ1のボディにちょっとだけ厚みをもたせて車高を上げたようなスタイリングとなっていた。新たなアフィーラの予告をソニー・ホンダモビリティが大々的にアピールしたこのとき、まさかわずか2カ月後にアフィーラプロジェクトそのものがキャンセルになるなんて予想していた人は少なかったことだろう。
アフィーラに待ち受けていたであろう厳しい現実
アフィーラ1と第2弾モデルの概要を簡単に紹介するとこんな感じだ。で、気になるのが、もしHonda 0シリーズが継続されていたとして、アフィーラ1とその第2弾が市場投入されていたらどうなっていたかであるが、正直なところ、茨の道しか見えてこない。
というのも、2023年でアフィーラ・プロトタイプが発表されたとき、すでに市場には4ドアクーペが溢れており、そのスタイリングにはまったく目新しさはなかった。確かにシンプルでクリーンと評されたデザインは次世代モデルらしいともいえたが、そこにあえてアフィーラを選びたいと思わせる何かはなかった。また、そのスペックも極めて平凡。最高出力489馬力の4WDで航続距離が約483kmでは、ライバルにまったく太刀打ちできない。
そして極めつけは価格の高さだ。アフィーラ1はすでに米国で予約受注が始まっていたが、ベースグレードの「オリジン」が8万9900ドル(約1435万円)で上位グレードの「シグネチャー」に至っては10万2900ドル(約1642万円)。テスラであれば、460馬力のAWDで航続距離610kmのモデル3パフォーマンスが約730万円で手に入るし、1020馬力で航続距離も600km以上のモデルSプレイドも約1600万円で手に入る。
凡庸なスタイリングでとりわけ高スペックでもなく航続距離にも不安が残るEVに、果たしてどれだけの人が1500万円を出せただろうか。発表されていないだけで、もしかしたらソニーによるものすごいエンタメ体験があった可能性も、ホンダによる超絶スペックが与えられた隠し玉グレードが控えていた可能性も否定できないが、いまとなっては知る由もない。
こう考えると「アフィーラは発売しないでよかった」なんて結論しか見えてこない。しかし、2023年に虎ノ門で行われたアフィーラ1プロトタイプの事前撮影会に参加した身としては、日本が誇る超一流企業のコラボによるEVに、それでもやっぱり日本人としては乗ってみたかった。
ソニー・ホンダモビリティは事業継続をそれぞれの親会社と協議するとしているから、今後のことは不透明だが、ここは一発逆転を狙って、「アフィーラ・スーパー1」のサプライズなんてどうだろうか。ベースはもちろんホンダ・スーパーワンで、ホンダ版のリリースと同時に価格もプラスアルファくらいで……ってそりゃ無理か。
ソニー・ホンダモビリティには、このまま解散になるのではなく、新たなる一手をブチ上げてくれることを期待したい。
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みんなのコメント
クルマが家電化して、これからはソフトウェア勝負って言うけど、iPhoneが出てきた時ぐらいの画期的な何かが無いと難しいよね。ーそれが何か凡人の自分には分からないけど。
アップルも自動車は諦めちゃったし。
ソニーは今回のホンダの決断に内心ホッとしてるんじゃ無いかな。