この記事をまとめると
■4代目フィットがマイナーチェンジを受けスポーティ路線に舵を切った
ホンダ・フィットがスポーティ路線へ方向転換! 装備の見直しにグレードも整理して王座奪回を狙う!!
■グレードを4種類に整理し選びやすさを大幅に改善
■現行型は当面継続販売し商品力向上で販売回復を目指す
開発責任者が語る大刷新の真意
2020年2月デビューの現行4代目としては2度目のマイナーチェンジを2026年7月9日に実施した、ホンダのコンパクト5ドアハッチバック「フィット」。
グレード展開の整理とスポーティさの強化を柱とした、端的にいえば仕切り直しともいえる今回のマイナーチェンジの狙いとは。開発を指揮した本田技術研究所四輪研究開発センターの磯貝尚弘さんと、商品企画を担当した本田技研工業日本統括部営業企画部商品企画課の松村泰平さんに聞いた。
──現行モデルの4代目は、先代の3代目に対しコンセプトがガラリと変わって、見た目だけではなく走りも穏やかなほうに振られた印象があります。ですが実際のユーザーニーズはスポーティなほうが強かったのでしょうか?
磯貝さん: 4代目はデビュー当初「用の美・スモール」をコンセプトに掲げて中庸的な雰囲気になっていたと思いますが、そのぶん実用性の高さが際立ってしまいました。ですが外観で重要なのは、歴代フィットがもっていたスポーティさで、そういう声が多かったですね。
──とくに3代目の「RS」が、MTの設定もあり、内外装もスポーティさが目立つ存在だったと思います。
磯貝さん: サンセットオレンジの色が象徴的ですよね。私、3代目の最後も担当していたんですよ。それと比べると、現行モデルは少し大人しくなってしまいました。そのなかでも現行の「RS」は好印象に受け取っていただいていますね。
──一方でフィットに限らず全体的にSUVがスタンダードになり、こういう背が低めのコンパクトカーは市場規模が小さくなってきています。そのなかでグレード展開を絞らざるを得なかったのでしょうか?
松村さん: そういう市場の状況ではありますが、やはりお客さんが選びやすくしたかったのがいちばんの理由ですね。
磯貝さん: 現場からヒアリングすると、「ベーシック」「ホーム」「リュクス」「クロスター」、以前は「ネス」があると、ディーラーが5~10台まとめて発注する際、どれをオーダーしていいかわかりづらいという声がまずありました。
もうひとつ、ユーザー視点ではあまりにもグレードが点在しているので、「どれを買っておけばいいかわからない」と。ですので今回は「これを買っておけばいい」というのが「Z」グレードで、少しスポーティなものがほしければ「RS」、価格重視なら「X」、ちょっとアウトドアっぽいものがほしければ「クロスター」というように棲みわけています。
現場とお客さんの声から、このフォーメーションがいちばんいいということがわかりました。ですので市場が縮小したからではなく、従来が複雑すぎる。「確かにな」と思いました(笑)。
松村さん: オプション表を見ると行数がとんでもないことになっていますので、「どれを選べばいいんだろう」と(笑)。
磯貝さん: 商談も長くなっちゃうんですよね。そんなに時間をかけられないですし。よかれと思ったことが……。
松村さん: 選びづらさにつながってしまいましたね。
「フィットらしさ」を見つめ直した
──内装色も全体的に黒が中心になりました。
松村さん: 「クロスター」はグレーと青の2トーンで、変えていません。「X」は従来の「ベーシック」と同じ黒内装です。
磯貝さん: 両グレードはステアリングホイールも従来の2スポークのままです。
──個人的には「ホーム」に設定されていたソフトグレー内装や、「リュクス」のブラウン内装、「RS」のグレー内装が廃止されたのは残念に思いますが、実用車としては黒のほうが汚れが目立たないので好まれるのは理解できます。実際の売れ行きも黒内装のほうが多かったんでしょうか?
松村さん: 圧倒的に多いですね。
──現行モデルのデビュー当初は走りが非常にマイルドでしたが、今回も含めた年次改良のなかで、徐々にスポーティな方向に振られて居るんでしょうか?
磯貝さん: このクルマ自体のダイナミクス性能は変えていませんが、ホンダ車全体がスポーツ方向にしようという流れになっていますね。
──今回のマイナーチェンジを機に、フィットは「RS」を核としてスポーティさをより訴求していくのでしょうか?
磯貝さん: 元来もっているフィットらしさを、今回ちゃんと出したいと考えました。「走れば意外といいね」という声があるなかで、ちょっとずれていた所もあるので、そこを修正してきました。
──中国市場では独自のフロントマスクを与えたモデルを2026年1月に3000台限定で発売して、そこで販売終了になりましたが、これを日本に導入するお考えはありませんでしたか?
磯貝さん: あれは中国だけですね。日本だとちょっと……。
──アクが強すぎる?
松村さん: 市場性が違いますね(笑)。
磯貝さん: インターネット上では「次のフィットはこういう風になるのか?」 といろいろ書かれていましたが、「そうだよな」と(笑)。
──フィットはグローバルモデルですが、欧州や東南アジアでは引き続き販売する予定ですか?
磯貝さん: そうですね、そんなに台数は多くないですが。ただ欧州はユーロ7の施行を予定しているので、そのタイミングでどうするかを検討しています。あとは台湾やニュージーランド、南アフリカでも販売していますね。
──今回ここでマイナーチェンジするということは、現行モデルはまだしばらく作り続けるということでしょうか?
磯貝さん: はい。これでフィットが元気になってくれるといいんですけどね、やっぱりもったいないなと思って。他車に比べると広いですし、ちゃんとできているという自負はありますので。
──フィットが3代目以上にスポーティな方向に進化していくことを期待しています。
磯貝さん: 頑張ります。
──ありがとうございました!
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みんなのコメント
フィットだと大当たり、ヤリスだと大外れですね。
二人乗車だとヤリスで全然OKなんですがね....