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あの未来感のある動きがよかった……一時期流行した「リトラクタブルハードトップ」が激減したワケ

掲載 更新 65
あの未来感のある動きがよかった……一時期流行した「リトラクタブルハードトップ」が激減したワケ

 この記事をまとめると

■今ではリトラクタブルハードトップを装備するクルマはほとんどない

屋根の開閉でひと苦労! せっかくのオープンカーなのに開ける気がおきないクルマ3選

■昔流行った理由のひとつに「オープンカーでも安心感がある」というのがあった

■今ではキャンバストップやソフトトップが主流だ

「リトラクタブルハードトップ」という機構を覚えているか?

 電動リトラクタブルのハードトップを備えたオープンカーは、今やダイハツ・コペンぐらいか。2000年代から10年代にかけて、スポーツカー系だけでなく4座のオープンでもけっこう隆盛したのに、どこにいってしまったのだろう?

 メルセデス・ベンツの初代SLKの大ヒットが先鞭となった電動リトラクタブル・ハードトップを、多くの自動車メーカーが止めてしまった理由は、一部の2座スポーツカーを除けばコンバーチブル・ボディをラインアップするのが、そもそもコスト的に難しくなってしまったためだ。以前ならVWイオスとかプジョー308CC、207CCといった、ゴルフ5や初代308、207といったハッチバックと共通プラットフォームのオープンカーがあった。

 だがリーマンショック以降、プラットフォームの共通化と最適化が進められ、そこまでボディ・バリエーションを揃えることがコスト的に難しくなってしまった。加えてCO2排出量過多でメーカーに罰金ペナルティが生じる欧州CAFE規制がために、重量の嵩む電動リトラクタブルハードトップはさらに難しい選択肢になってしまった。

 リトラクタブルハードトップに未来はあるか?

 とはいえリトラクタブルのハードトップの流行こそが一時的で、元々存在した、より簡素なソフトトップに戻っただけ、という見方もできる。大体、電動リトラクタブル・ハードトップが流行った頃は、まだインフォテイメント・システムどころか車載ナビがダッシュボードに一体化していない時代で、仕向け地によっては1DIN・2DINといったカーオーディオやナビが盗難に遭いやすく、オープンカーでもクローズ時の安心感が求められていた。

 だから大衆車クラスにまで電動リトラクタブル・ハードトップは普及したし、BMWの3シリーズやボルボC70など「ちょっと違うんですよ」的なブルジョワ・クラスでは、密閉できるがゆえの静粛性やパーソナル感が強調されていた。

 ただし2座のスポーツカーと同じく、販売面で数が出づらいオープンカーは、ほとんどのメーカーにとって採算の見込みづらいモデルとなりつつある。もっといえばドロップヘッドクーペの昔から屋根が無かった2座のスポーツカーとは別に、優雅なソフトトップのオープンをニューモデルとしてラインアップし続けるメーカーは、ある程度の利ザヤを稼がせてくれる上顧客を一定数以上、抱えているプレミアム・ブランドといえる。

 ロールスにベントレーといった雲上ブランドが、そうであることに驚きはないが、現行で4座オープンカーをラインアップできているプレミアムなメーカーは限られる。Cクラス、Eクラス、Sクラスを擁するメルセデス・ベンツ、6シリーズ・カブリオレこそカタログ落ちしたが2シリーズから4シリーズ、8シリーズでズラリとカブリオレを揃えるBMW、そしてミニ・コンバーチブルぐらいだ。

 いずれ今どきのソフトトップは、内張りが厚くなって遮音性や耐候性も高まり、デフォッガー入りのリアガラスもほぼ標準化している。閉めたままの高速走行や雨の日も、昔のそれとは比べものにならないほど快適になった。カブリオレほど開放的ではないが、フィアット500Cやルノー・トゥインゴ・キャンバストップも今やクラシカルな存在で、貴重な入門オープンカーといえるのではないか。

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みんなのコメント

65件
  • 元々そんなにないのに激減とは??
  • 以前プジョー206CCに乗っていました。メタルトップはかなりの重量があり、閉じる瞬間かなりの衝撃がありました。5年乗っていて2回壊れましたし、最後はシャーシが歪んだのかリアウィンドウがピタッと閉まらなくなってしまいました。
    そこでフィアット500代え、今は2代目のコペンエクスプレイに乗っていますが、こちらはトップが樹脂なので衝撃なくスムーズに閉まります。国産車は故障対応も不安がないので、会社への行き帰りは極力オープンにすることにしています。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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