はじめに
世紀の変わり目の頃から、ボルボは変化してきた。中国資本となったこのスウェーデン生まれのブランドを、いまだに角ばったワゴンのメーカーというイメージを抱いているひともいるはずだ。しかし、現状はかつての姿とまったく違うものとなっている。
2002年にXC90が登場したのを契機に、ボルボの成長は上品で洗練されたSUVのラインナップ拡大に依ることとなった。2018年の年次報告にもそれは明らかだ。全世界64万2253台の販売台数のうち、実に56%がXCではじまる車名のモデルだったのだ。
それだけに、今回取り上げるS60が、拡大を続けるボルボの中でどういった位置付けになるのかという考察には興味をそそられる。プレミアムブランドと呼ぶに値する自動車メーカーはいずれも、代表格と呼べるDセグメントセダンを必要とする。
S60は、BMWやアウディ、メルセデスの対抗馬としては主流から外れた存在だが、それでもボルボの有力モデルであり続けてきた。
とはいえ、第2世代のS60の存在感が、モデルライフを重ねるにつれ弱まりはじめたとしても致しかたないことだ。2018年に英国で販売されたボルボは5万319台だったが、そのうちS60は960台にとどまった。アメリカで生産される新型への期待が大きくなるのも無理はない。
販売の中心となるのは、実用車的な性格が強いスペックのグレードだろう。しかし、ライバルのBMW 3シリーズが、現行モデルで運動性の優秀さを新たな高みに引き上げたとなれば、われわれが走りを検分し、多くの文字数を費やしてレポートすべきは、よりパフォーマンスを重視したT8ツインエンジン・ポールスター・エンジニアードだろう。この高性能プラグインハイブリッドの実力やいかに。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
もしもルックスだけを採点するなら、満点を付けかねないところだ。ところが、話はそう簡単ではない。もっとも、ボルボが現在のデザイン言語を、小型サルーンへみごとに落とし込んだという点で、否定的な意見を述べるテスターはいなかったのだが。
プラットフォームは、XC40を除くほぼすべての現行ボルボが用いるスケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー、略してSPAだ。ディーゼルエンジンはラインナップされず、ガソリンのターボユニットとハイブリッドのみを設定。いずれもドライブEと呼ばれる2.0L直4ターボと8速ATがベースとなる。
標準モデルとなるT5仕様では、250psとほどほどのパワーで前輪を駆動。しかし、T8仕様ではスーパーチャージャーと専用部品を加えることで303psまでアップした。
さらにポールスター・エンジニアードは、ソフトとハードの両面に手を入れ318psへ引き上げ。そのうえ、後輪駆動用に独立した電気モーターを装備して、システム出力は406ps/68.3kg-mに達する。
そうは言っても、結局のところエンジンは4気筒しかない。6気筒を積むBMW M340iやメルセデスAMG C43に肩を並べるパフォーマンスを発揮できるのかは疑問だ。それについては、追々検証していこう。
当然ながら、ハイブリッド化は重量に響き、テスト車では2013kg。最近のスポーツセダンにおける競争力のある数字が1700kg前後なのを考えれば、かなり重いといえる。これはバッテリーとモーター、ハイボルテージの電気系によるものだ。
反面、それらの恩恵により43km/hほどのEV走行が可能となり、燃費やCO2排出量が抑えられる。これは、BMWやメルセデスとは異なるアプローチだ。
とはいえ、ポールスター仕様で印象的なのは、ソフト面よりハード面のグレードアップである。エンジンルームをまたぐアルミのタワーバーは、ボディ剛性を高め、フロントのよりシャープな操舵レスポンスを実現。サイズアップしたブレンボのブレーキも備わる。
そんな中でもっとも魅力的なアイテムが、ボルボと同じくスウェーデンで生まれたサスペンションのスペシャリスト、オーリンズが手掛けた調整式ダンパーだ。デュアルフローバルブと銘打ったテクノロジーにより、ダンパーフルードが伸び側でも縮み側でも同様に流れることが可能になる。
結果、タイヤの一貫した接地が保たれ、ハンドリングやトラクション、乗り心地が、一般的なストラットサスペンションに比べ改善されるという。ダンパーのレートは22段階の調整式で、フロントはストラットタワー上部のダイヤルを手動で操作しなくてはならないが、操作は簡単だ。いっぽう、リアはジャッキアップして、タイヤを外す必要がある。
内装 ★★★★★★★★☆☆
新たなセダンのトップグレードでハイパフォーマンスモデルだが、派手なイエローゴールドのシートベルト以外、インテリアは控えめだ。こうしたカラフルなアイテムとしては珍しく標準装備で、ポールスターの名刺代わりの色合いなのだとか。テスター陣は、ボルボのハイブリッドセダンより、ポルシェ911あたりにお似合いのアイテムだという意見で一致した。
総じて、5年前に登場した6気筒のV60ポールスターよりも控えめで、高級感を優先している。カーボンファイバーを使うことはなく、アルカンターラや速いクルマを思わせるブルーのステッチなども見られない。
サポート部の張り出しもほどほどに抑えたシートはハーフレザーで、快適ながらもしっかりともも裏を支えるサポートも調整可能。長距離を走る際には、そのありがたみが感じられるだろう。
座った正面には、デジタルディスプレイのメーターパネルと、ヘッドアップディスプレイが設置されている。両者の間の情報の連携は間違いなく、融通も効くが、見た目にパフォーマンスカーっぽさを感じさせる要素はない。
マテリアルはスマートで高級な広いキャビンを演出するが、スポーティさを感じさせるものはほとんどない。前席スペースは、クラス水準に照らしても十分に広く、背が高く脚の長いドライバー向きだ。いっぽう、後席はそれほど際立っていない。収納スペースは豊富だ。
不足を感じるのは、とにかくもスポーティなクルマに乗ったときに感じる雰囲気で、このクルマの性能をインテリアから窺い知ることは難しい。とはいえ、速いボルボのドライバーは、その控えめさがいいというのだろう。
S60のトランク容量は442Lだが、リアにモーターを積むツインエンジンことハイブリッド仕様はそれが390Lに減少。それでも、旧型のディーゼルハイブリッドとは異なり、それほど荷室が小さいとは思わないはずだ。
というのも、新型S60 T8のトランクは、奥行きも高さも幅も十分にある。しかも容量の減少分が、床下の収納スペースに相当するからだ。
走り ★★★★★★☆☆☆☆
1990年代半ばに850 T5が登場するまで、記憶に残るようなパフォーマンスというのはボルボとは無縁のコンセプトだった。それを変えたのが、5気筒を積む角ばった新型のセダンとワゴンで、おとなしいルックスを補うだけの速さを備えていた。
対して、合計406psのプラグイン・ガソリンハイブリッドを積むS60ポールスター・エンジニアードが、遅いと表現されることは決してないだろう。だが、過去のモデルのような意外さが、ここでは逆の意味で生まれる危険性がある。
強気な価格設定や力強いルックス、ピレリPゼロやゴールドのブレーキキャリパーといった装備にもかかわらず、0-97km/hのテスト値は5.4秒。0-100km/h=4.4秒という公称スペックにはだいぶ見劣りするのだ。
たしかに、テスト時の路面コンディションは湿り気味だったが、このダウンサイジングエンジンのパワーとトルクをすべてフロントタイヤの接地面へ叩きつけても、発進時のトラクションに問題はなかったし、そのことに驚いたテスターもいた。
実際、専用のローンチコントロール機能が備わっていなくても、このボルボはスタートラインから弾かれたように飛び出す。その要因は、電気仕掛けの後輪駆動メカニズムだ。
ところがそのあとは、本当に強力な加速をしあぐねる。そして、このクルマはドライブトレインのレイアウトの欠点を露呈する。
シフトアップはなかなかに滑らかだが、速度が上がり、太いシステムトルクを発揮する中回転域をタコメーターの針が有効にキープするようになると、加速力がわずかながら徐々に衰えはじめるのだ。
シフトチェンジするたび、ギアが完全に繋がっていないように思えることもある。アクスルからのショックによって、シャシーの電子制御デバイスが介入してトラクションを可能な限り最適化し続けているであろうことを教えているし、ひどく前に進まないような感覚にはならないのだが。
ドライコンディションなら、こんなフラストレーションはまず感じない。しかし、濡れた路面であってさえ、4WDを備える6万ポンド級のパフォーマンスセダンであれば、そこは300ps級のホットハッチよりずっと力強い加速を期待したいところだ。
コストと暗に示されたキャラクターは、このクルマのパワートレインをどう評価するかの判断材料になる。日常遣いでは上々だが、ややペースが上がり、EV走行の領域を超えたところでは、このレベルのクルマのオーナーはもっと多くを期待していいはずだ。それを望む機会も頻繁にあるだろう。
その点では、電気モーターのレスポンスは常にクイックだが、おおむねS60のパワーデリバリーは、ハイブリッドでない競合モデルに見られるような正確さとリニアさに欠けている。また、エンジンとモーター、トランスミッションが一連となっているハイブリッドのライバルは、もっとリニアなレスポンスと優れたドライバビリティを発揮してくれる。
負荷が上がると、このボルボのパワートレインには、競合車には豊富なとある要素のクオリティが不足していることを感じさせる。それは、サウンドのキャラクターだ。
使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
インフォテインメント
インフォテインメントに関しては、S60全車ともかなり充実している。
センサスコネクトと銘打った9インチの縦型タッチ式ディスプレイは、以前より直感的になった。横方向にスワイプして遷移するメニューも、他社のシステムの多くに近いものが導入されている。
ナビゲーションや各種接続機能は標準装備で、車載Wi-Fiや1年間のデータ通信量も含まれる。
ポールスター・エンジニアードは、他グレードの標準オーディオに代わり、ハーマンカードンのプレミアムオーディオを搭載。サウンドのパワーも鮮明さも、おそらく期待に応えてくれるものだ。
また、AppleとAndroid双方のスマートフォンのミラーリング機能も備わる。もっとも、これは全車標準装備にしてほしいと、われわれは思うのだが。
しかし、それでも手を出したくなるのが、1675ポンド(約23万円)の、バウワース&ウィルキンス製オーディオ。1100Wのハイパワーで、さらなる満足を得られるはずだ。
燈火類
ヘッドライトはLEDで、アクティブコーナリングライトと、光線を部分的に遮断して対向車の眩惑を抑制するアダプティブシャドーの各機能を備える。ハイビームは明るくパワフルで、ロービームのレベルも上々。ただし、自動減光はもう少し素早く行ってほしい。
ステアリングとペダル
ペダルの間隔は十分で使いやすいが、フットレストにはラバーの踏面が据付けられないので、靴底が滑ってしまうこともある。
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
ズバリ言おう。このS60は、通常の高性能セダンに、運動性では及ばないところが見られる。
ステアリングの軽快さに欠け、メルセデスAMG C63やBMW M3コンペティションのようなグリップもない。このクラスでは唯一の前輪駆動ベースゆえに、後輪駆動セダンならばもっとパワーのないモデルにでも備わる固有のバランスをそもそも持ち合わせていない。
もちろん、それは予測できたことだ。そして、このS60のトップグレードの走りがダメだということはない。オーリンズの高性能ダンパーによって、ボルボにありがちな当たり障りない安定志向より上のレベルに引き上げられ、より楽しめるものになっている。
英国の道路においては、オーリンズのダンパーはもっとも寛容なセッティングに近づける必要がある。そうすれば、垂直方向のボディコントロールは、このクラスでは並ぶもののないほど巧みなものとなる。
このサスペンションが荷重移動を容易にすることもあって、ステアリングの修正は楽だ。そして、ステアリングの切り始めは、思いのほか楽しく正確だ。
リアに積んだ小型電気モーターが、コーナリング中のシャシーバランスを中和することも考慮すると、このクルマは熱い運転を裏打ちするのに十分な運動性を備えた、足取りの確かなスポーツセダンだといえる。
とはいえ、このクルマは決してボルボらしからぬものではない。公道上では、ほぼ疑問を呈するような動きをすることがない。これは、ESCを完全にカットできないことも一因だ。
このクルマは、どう運転されたいかが明確だ。クイックな、そして適切な操作を求めるのである。あるテスターは、このS60ポールスター・エンジニアードをうまく表現した。曰く、ルートが楽しくても、まずまずワクワクできるのは8kmくらいの間だということを除けば、理にかなったクルマだと。その走りは、それ以上でも以下でもない。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
現代のボルボには、欠かせない要素がいくつかある。そのうちのひとつが、洗練された走りだ。
イエーテボリの面々もそれは忘れずにいたようで、S60ポールスター・エンジニアードはもっとパワフルで派手なライバルに純粋な走行性能では敵わないが、車内外の遮断能力では上だ。
その感覚は、高いスカットルと身体を包むように支えるシート、キャビンの揺るぎない雰囲気に強調される。実際に計測しても、エンジンやタイヤ、走行風が引き起こすノイズは、AMGやMの競合モデルより小さい。先代のアウディRS4アバントが、僅かながら静粛性で勝る程度だ。
このポールスター名義のクルマは、純然たる乗り心地の点で言えばスイートスポットがかなり狭い。オーリンズのダンパーは22段階調整式で、数字が大きくなるほどソフトになる設定だ。
これを18より小さい数字にすると、快適性を考えるなら路面がそのままボディに伝わってくるようなものになる。思い切ってひと桁まで攻めて低速で走ると、ロータス・エキシージのように過剰な突き上げにさらされる。しかし、速度が上がるにつれて、まるで魔法のようにスムースになるのもまたロータスのようだ。
みごとかと聞かれれば、答えはイエスだ。しかし、究極的に言えば寛容さに欠け、それはオールラウンドな4ドアセダンにはふさわしくない。
日常遣いするには、もっともコンサバティブで吸収性が高いセッティングにしたままで乗るのがベスト。そうすれば、実にすばらしく落ち着いて、最上級のパフォーマンスセダンに多く見られる不要なハーシュネスは最低限に抑えた乗り心地を享受できる。
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
このS60のパワートレインは、M340iやC43のそれほどキャラクターに満ちたものではない。しかし、メリットもある。
CO2排出量は、48g/kmという低いもの。それゆえ、ハイパフォーマンスセダンでありながら、税制面の優遇を受けられる。
40km強のEV走行も可能で、低燃費も期待できる。テストでの平均燃費は12.0km/Lで、37.0km/LというWLTPモード値には遠く及ばないが、すべては使い方次第だ。
標準装備は充実している。さらには、プラグインハイブリッドシステムを備える。それでも、価格は高い。BMW 330eであれば、もっともベーシックな仕様で2万ポンド(約280万円)近く安く手に入れられる。
スペック
レイアウト
SPAは、ボルボの中大型モデルが共有するプラットフォームで、エンジンとギアボックスをフロントに横置きするため、対衝突性能は同じクラスでは随一の高さを発揮する。
PHEVの駆動用バッテリーは、センタートンネルに沿って積まれる。リアに設置され、後輪を駆動するモーターは88ps。前後重量配分は55:45だ。
エンジン
駆動方式:フロント横置き前輪駆動+電気モーター後輪駆動
形式:直列4気筒1969cc、ターボ+スーパーチャージャー、ガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ82.0×93.2mm
圧縮比:10.3:1
ハイブリッドアシスト:リア搭載モーター・88ps/24.5kg-m、バッテリー・11.6kWhリチウムイオン
最高出力:406ps/5800-6000rpm
最大トルク:68.3kg-m/4500rpm
許容回転数:6000rpm
馬力荷重比:205ps/t
トルク荷重比:34.6kg-m/t
ボディ/シャシー
全長:4761mm
ホイールベース:2872mm
オーバーハング(前):848mm
オーバーハング(後):1041mm
全幅(ミラー含む):2050mm
全幅(両ドア開き):3400mm
全高:1437mm
全高:(トランクリッド開き):1690mm
足元長さ(前):最大1120mm
足元長さ(後):最大740mm
座面~天井(前):最大1000mm
座面~天井(後):最大920mm
積載容量:392L
構造:スティール/アルミモノコック
車両重量:1979kg(公称値)/2013kg(実測値)
抗力係数:0.27
ホイール前/後:9.5Jx20
タイヤ前/後:245/35R20 95W
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:パンク修理キット
変速機
形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.25/7.9
2速:3.03/13.7
3速:1.95/21.4
4速:1.46/28.5
5速:1.22/34.1
6速:1.00/41.7
7速:0.81/51.3
8速:0.67/62.1
最終減速比:3.08:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:12.0km/L
ツーリング:14.0km/L
動力性能計測時:5.4km/L
EV航続距離:38.6km
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/L
中速(郊外):-km/L
高速(高速道路):-km/L
超高速:-km/L
混合:37.0km/L
燃料タンク容量:60L
現実的な航続距離:758km
CO2排出量:45g/km
サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、手動調整式ダンパー、スタビライザー
後:マルチリンク/横置きリーフスプリング、手動調整式ダンパー、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:3.0回転
最小回転直径:11.7m
ブレーキ
前:371mm通気冷却式ディスク
後:320mm通気冷却式ディスク
静粛性
アイドリング:41dB
全開時:75dB(4速)
48km/h走行時:59dB
80km/h走行時:65dB
113km/h走行時:68dB
安全装備
ABS/ESC/EBA/EBD/シティセーフティ
Euro N CAP:5つ星(V60 D4、2018年)
乗員保護性能:成人96%/子供84%
歩行者保護性能:74%
安全補助装置性能:76%
発進加速
テスト条件:湿潤路面/気温10℃
0-30マイル/時(48km/h):2.3秒
0-40(64):3.2秒
0-50(80):4.1秒
0-60(97):5.4秒
0-70(113):6.8秒
0-80(129):8.4秒
0-90(145):10.3秒
0-100(161):12.6秒
0-110(177):15.6秒
0-120(193):19.2秒
0-130(209):24.0秒
0-402m発進加速:13.9秒(到達速度:168.8km/h)
0-1000m発進加速:25.0秒(到達速度:211.6km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
テスラ・モデル3スタンダードレンジプラス
テスト条件:乾燥路面/気温21℃
0-30マイル/時(48km/h):2.7秒
0-40(64):3.6秒
0-50(80):4.6秒
0-60(97):5.8秒
0-70(113):7.4秒
0-80(129):9.2秒
0-90(145):11.4秒
0-100(161):14.2秒
0-110(177):17.7秒
0-120(193):22.3秒
0-130(209):28.6秒
0-402m発進加速:14.4秒(到達速度:162.2km/h)
0-1000m発進加速:26.0秒(到達速度:203.3km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.6秒(2速)/2.0秒(3速)
30-50(48-80):1.8秒(2速)/2.3秒(3速)/2.9秒(4速)/3.3秒(5速)
40-60(64-97):2.5秒(3速)/3.1秒(4速)/3.4秒(5速)/4.0秒(6速)/4.7秒(7速)
50-70(80-113):2.8秒(3速)/3.3秒(4速)/3.6秒(5速)/4.3秒(6速)/5.1秒(7速)/6.1秒(8速)
60-80(97-129):3.1秒(3速)/3.6秒(4速)/3.9秒(5速)/4.5秒(6速)/5.8秒(7速)/6.9秒(8速)
70-90(113-145):3.7秒(4速)/4.4秒(5速)/4.9秒(6速)/6.9秒(7速)/8.7秒(8速)
80-100(129-161):4.2秒(4速)/5.1秒(5速)/6.2秒(6速)/8.8秒(7速)/12.5秒(8速)
90-110(145-177):6.1秒(5速)/8.0秒(6速)/11.5秒(7速)
100-120(161-193):6.9秒(5速)/9.4秒(6速)
110-130(177-209):10.4秒(6速)
各ギアの最高速
1速:48.3km/h(6000rpm)
2速:82.1km/h(6000rpm)
3速:128.7km/h(6000rpm)
4速:170.6km/h(6000rpm)
5速:204.4km/h(6000rpm)
6速:249.4km/h(5990rpm)
7速:249.4km/h(4852rpm)
8速(公称値):249.4km/h(4014rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1813rpm/2072rpm
制動距離
テスト条件:湿潤路面/気温10℃
30-0マイル/時(48km/h):9.4m
50-0マイル/時(64km/h):26.1m
70-0マイル/時(80km/h):51.8m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.07秒
ライバルの制動距離テスラ・モデル3スタンダードレンジプラス
テスト条件:乾燥路面/気温21℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):23.4m
70-0マイル/時(80km/h):45.5m
結論 ★★★★★★★☆☆☆
メルセデスAMGをはじめとするパフォーマンス重視のサブブランドの売れっぷりを考えれば、ボルボがこのポールスター・エンジニアード仕様を設定したことに疑問の余地はない。
その第1弾となるプロダクトは、だいぶがんばったところが見受けられる。少なくとも、その気にさせてくれるデザインと、優れたボディコントロールはそうだ。
それは、プラグインハイブリッド・パワートレインの万能性もだ。この手のクルマとしてはユニークなメカニズムで、さらには最近のボルボらしい楽なドライバビリティと洗練された走りも備える。
そうした諸々を考えても、S60 T8 AWDポールスター・エンジニアードが、狙い通りのドライバーズカーになっているとはいいがたい。
ハンドリングとステアリングの正確さやコントロール性は、ボルボの新たなベンチマークといえるものだ。それでも、本当にスポーティと言えるライバルたちにはかなり後れをとっている。
4気筒のパワートレインは、しばしば速いセダンを定義づけるパフォーマンスもキャラクターも欠けている。複雑さのせいか、走りに直感的でなく不活発なところも見られる。
これはまだ難解なコンセプトの域を出ない。低エミッションと、卓越していないまでも強力なパフォーマンスは、特別なセダンをカンパニーカーにしようと考えるなら魅力的な選択肢だ。しかし、BMWやメルセデスAMGといったパフォーマンスセダン勢の立場を危うくするようなものではない。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダースボルボが、どうしてデジタル計器盤にポールスター専用の表示モードを用意しなかったのか、ちょっとばかり疑問だ。コストをあまりかけずにインテリアをスペシャルに演出するなら、悪い手ではないと思うのだが。
リチャード・レーンステアリングとブレーキは、いつものボルボより一枚上手。もし、ハイブリッドシステムの重さがなければ、もっといい働きを見せたはずだ。実際、前輪駆動のT5グレードは、4万2000ポンド(約588万円)程度の価格を含めて、全方位で説得力のある仕様だと言える。
オプション追加のアドバイス
大人しい見た目と速さのギャップを最大限楽しみたいなら、ダークなグレー系や黒系のボディカラーを。乗り心地の悪化を危惧して、大きなホイールを避ける必要はない。その点で言えば、20インチでも上々だ。インテリセーフこと、ボルボの運転アシストパッケージは付けたい。
改善してほしいポイント
・トランスミッションに真っ当なマニュアルモードを。また、シフトクオリティを磨いて、ロックアップしやすいようにしてほしい。ここが、パワートレイン最大の弱点だ。
・内燃エンジンの個性とサウンドをもっと強くしてほしい。たとえ、合成音を混ぜるとしても。
・ESPの効きを弱めて、後輪モーター駆動のクルマに多く見られるトルクベクタリング機構を追加してほしい。
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