現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ゴツいSUVはなぜ人気? マツダがCX-5と異なる新型「CX-50」発表! イマのSUVトレンドとは

ここから本文です

ゴツいSUVはなぜ人気? マツダがCX-5と異なる新型「CX-50」発表! イマのSUVトレンドとは

掲載 更新 69
ゴツいSUVはなぜ人気? マツダがCX-5と異なる新型「CX-50」発表! イマのSUVトレンドとは

■なぜマツダは新型CX-50をオフロード仕様に仕立てたのか

 2021年11月16日に北米でマツダの新型SUV「CX-50」が発表されました。
 
 そのスタイリッシュなデザインは、すでに日本のファンの間でも好評のようですが、残念ながらいまのところは北米専用モデルとなっています。

【画像】こりゃ凄い! タフ顔な新型SUV世界初公開!(41枚)

 新型CX-50のデザインは、まさに現在の北米のニーズを反映したものです。

 北米で人気のSUVを見てみると、トップはトヨタ「RAV4」、それにホンダ「CR-V」、2020年にモデルチェンジした日産「ローグ」が続きます。

 これらと新型CX-50のデザインや性能には、共通したキーワードが存在します。それは「オフロード」です。

 まず、フロントマスクは、マツダのSUV「CXシリーズ」と共通の雰囲気ながら、ブラックアウト化することでヘビーデューティなイメージを構築しています。

 加えてワイド&ロー、かつ分厚い顔というのも、最近のオフローダーの特徴といえるでしょう。

 厳密にはSUVではありませんが、トヨタ「ランドクルーザー(GRスポーツ)」のマスクが典型的なケースといえます。

 また、新型CX-50にも採用されている前後バンパー下にスキッドプレート風の意匠を加えるのも、オフロードテイストを増幅させる手法のひとつとなっています。

 スキッドプレートとは、岩場を走行するときにエンジンや駆動系を守るガードの一種で、岩に接触した時にできるだけ抵抗なく車体が“滑る”ように考えられました。

 本格オフローダーのスズキ「ジムニー」などではお馴染みのパーツですが、SUVではあくまでもフェイクデザインであり、ガード機能は高くはありません。

 またバンパー下部が無塗装の樹脂パーツなのも、オフロード系SUVの特徴です。

 もしオフロード走行でバンパー下部をぶつけてしまっても、下部だけなら容易に交換できるうえ、無塗装なら安く済みます。

 同時にボディ同色よりもタフなイメージも演出でき、一石二鳥というわけです。

 RAV4やCR-V、ローグも、グレードによって無塗装パーツやスキッドプレート風デザインが採用されています。

 フェンダーアーチに無塗装の樹脂パーツを付けるのも定番です。

 新型CX-50の場合は、さらに一歩踏み込んで、樹脂アーチの部分に直線的な造形が施されているのが分かります。

 これは視覚的な力強さを演出しているのと同時に、障害物がヒットしたときにボディの金属部分にダメージを与えないためのガードの役割をしていると考えられます。

 また、新型CX-50の内装を見てみると、ダッシュボードが直線基調で作られているのもオフロードを意識している証しです。

 これは車体が傾斜するような場所を走行したとき、直感的にどれほど傾いているかを把握するためです。

 ランドクルーザーやジムニーなどの本格オフローダーのインパネも同様の観点から直線的にデザインされています。

 オフロード性能もマツダ「CX-5」よりも高められています。

 従来のどのマツダSUVよりも大きなロードクリアランスが持たされているだけでなく、新型CX-50には最新の「i-Active AWD」に「Mi-Drive」という電子制御式トラクションコントロールが採用されています。

 これは「ノーマル」「スポーツ」のほかに「オフロード」をいうモードを設定し、従来よりも強力な脱出性能を確保しているようです。

 ボディカラーもタンやグレーといったアースカラーを複数揃えて、アウトドア派の心を掴みます。

 RAV4はロービジカラーで成功していることから、それをさらに上回る商品力を、というメーカーの意図が垣間見えます。

 発表された映像や写真を見るとエクステリアはフルノーマルではなく、フラットタイプのルーフラックを装着して拡張性をアピールしているのも、アウトドア派の目を惹きます。

 まさに新型CX-50の何から何までが、オフロードやアウトドアを意識したパッケージになっているのです。

■アメリカで流行るものは数年後に日本でも流行る? 昨今のSUV事情とは

 それにしても、北米市場でCX-5が好調な売れ行きを見せているなかで、あえて独立車種にしたのは驚きです。

 RAV4でさえ、「アドベンチャー」というオフロード仕様は1グレードに過ぎません。それには、現在のアメリカのさまざまな事情があります。

 その理由は、アウトドアアクティビティを楽しむ人が大幅に増加し、そのライフスタイルに合ったSUVの需要が十二分に見込めるということです。

 それはライバルたちの成功からも分かります。ヘビーデューティSUVの需要を支えているムーブメントのひとつが、とくにここ数年、アメリカでブームになっている「オーバーランド」です。

 オーバーランドはオーストラリア発祥の車旅スタイルで、クルマにルーフテントやキッチンを積載して、自然のなかを何日もかけて移動するというものです。

 北米には10年ほど前にオーバーランドが上陸しましたが、コロナ禍の影響もあって一大ムーブメントになっています。

 国産タイヤメーカー広報部の担当者はオーバーランドについて、次のように話しています。

「ここ2年ほどオーバーランドブームもあって、弊社のオフロードタイヤの北米での需要は大幅に伸びています。

 豪州などではクロスカントリー4WDを使うことが多いのですが、アメリカはSUVをカスタムして使うのが一般的なようです。

 特にSUV用のサイズがよく出ており、このオーバーランドブームは自動車業界全体に良い影響をもたらしているようです」

 アメリカのオーバーランディングにSUVが使われるのは、インフラも影響しているといい、マツダ広報部の担当者は次のように語ります。

「アメリカは国立公園などでクルマが走れるエリアが整備されており、豪州や南アフリカなどのオーバーランドが流行している地域とは異なり、SUVでも十分に楽しめるようになっていると聞きます。

 ただし、場所によっては厳しい路面状況もありますので、それに十分に対応できるロードクリアランスやAWD性能、さらにはアクティビティに対応できるユーティリティなどを持たせたのが新型CX-50です」

※ ※ ※

 都市型SUVのCX-5でも行けなくはないけれど、より確実な走破性と安全性、さらにはライススタイルがアピールできるデザインを持たせた新型CX-50ならもっとアウトドアアクティビティを楽しめるというコンセプトのようです。

 マツダとしては、都市型SUVはCX-5、オフロードSUVは新型CX-50という棲み分けで、ふたつの基幹モデルを造りたいと、前出の広報担当者は語っていました。

※ ※ ※

 新型CX-50の日本市場導入はないようですが、昨今のジムニーやランドクルーザーの爆発的な売れ行きや、RAV4のオフロード性能を更に高めた「アドベンチャー“オフロードパッケージ”」の発売を例にとってみても、確実に購買層はいるはずです。

 仮に日本で新型CX-50が発売されれば、マツダ会心のヒット商品になるかもしれません。

こんな記事も読まれています

アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
AUTOCAR JAPAN
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
AUTOSPORT web
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
AUTOSPORT web
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
AUTOSPORT web
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
AUTOCAR JAPAN
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
AUTOSPORT web
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
AUTOSPORT web
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
くるまのニュース
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
driver@web
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
AUTOSPORT web
ランボルギーニと「ザ・ホワイトストライプス」が20年の時を経てコラボした理由とは? アナログからデジタルへ時代を超越した芸術作品でした!
ランボルギーニと「ザ・ホワイトストライプス」が20年の時を経てコラボした理由とは? アナログからデジタルへ時代を超越した芸術作品でした!
Auto Messe Web
併走するクルマへの目潰しでしかないのにナゼやる? 斜め後ろに「白色ライト」を点灯して走行するトラックは法令違反だった!!
併走するクルマへの目潰しでしかないのにナゼやる? 斜め後ろに「白色ライト」を点灯して走行するトラックは法令違反だった!!
WEB CARTOP
愛車の履歴書──Vol35. 益若つばささん(後編)
愛車の履歴書──Vol35. 益若つばささん(後編)
GQ JAPAN
ジャガーに新しい可能性を見た──新型F-PACE試乗記
ジャガーに新しい可能性を見た──新型F-PACE試乗記
GQ JAPAN
便利な「ドライブレコーダー」 まさかの「バッテリー上がり」招く可能性も!? 「駐車監視」の注意点とは
便利な「ドライブレコーダー」 まさかの「バッテリー上がり」招く可能性も!? 「駐車監視」の注意点とは
くるまのニュース
ホンダがフォーミュラEに参戦する可能性はあるのか? HRC渡辺社長「今は2026年からのF1再参戦が最優先……しかしGEN4は魅力的」
ホンダがフォーミュラEに参戦する可能性はあるのか? HRC渡辺社長「今は2026年からのF1再参戦が最優先……しかしGEN4は魅力的」
motorsport.com 日本版
三菱ふそうがコロナ禍で光岡バディの生産を始めた理由
三菱ふそうがコロナ禍で光岡バディの生産を始めた理由
driver@web
2024スーパーGT第2戦富士のGT300クラス公式予選Q1組分けが発表
2024スーパーGT第2戦富士のGT300クラス公式予選Q1組分けが発表
AUTOSPORT web

みんなのコメント

69件
  • なんとも薄っぺらい情報をありがとうございました。
    素人の作文以下だな。
  • 新車発売時より少し時間がたつとクロスオーバー風にアレンジして売り出す典型的なパターン。
    フェンダーを黒くして、車高を少し上げ、バンパー下に鉄板を付けてるだけ。
    見た目だけで買うならいいがオフロード性能はCX-5と何も変わりないことに注意。
    賢いボクは騙されないようにね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

291.0422.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

40.8440.0万円

中古車を検索
CX-5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

291.0422.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

40.8440.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村