一般的に、昔は4~5年ごと、現在は7~8年ごとに、各自動車メーカーは、それぞれの自動車を完全な新型車へと生まれ変わらせます。フルモデルチェンジといいます。
しかし、そのライフサイクル期間中も、競合する車は続々と登場します。競争力を維持するために行われるのがマイナーチェンジです。
【歴代初3ナンバーで新型カローラ発進!!!】脱小型車で国民車はどう変わったか
マイナーチェンジは、一般的に、2~3年に1度、多いクルマだと毎年行われ、バンパーやホイールデザインが変更されたり、お得な特別グレードが追加されたりします。
一見すると、マイナーチェンジ前よりも魅力的な商品になったように見えますが、実はこのマイナーチェンジには裏側があるのです。
今回は、あまり知られていないマイナーチェンジで行われていることについて、元日産自動車エンジニアの筆者が、こっそりとご紹介します。
文:吉川賢一
写真:ホンダ、日産、レクサス、三菱、マツダ、ベストカー編集部
(画像ギャラリー)2019年マイナーチェンジした主なクルマ
フルモデルチェンジが頻繁にできないワケ
クルマは発売を開始した直後が、最も多く売れます。その後、販売台数は徐々に下降線をたどり、売れ行きは落ち着いていきます。自動車のフルモデルチェンジは開発の都合上、早くても5年、通常7年ほど度はかかります。
初代N-WGNが2013年にデビューしてから約6年後に新型へフルモデルチェンジ。
写真は2019年夏にデビューした新型N-WGN。
次期型車を開発する際には、まず始めに、現行車の反響を収集して課題を明確にしていきます。その課題を解決するために、新たな技術開発が必要な場合、開発に2~3年ほどかかります。
そして、その技術を織り込んで、次期型車のコンセプトを作り、そのクルマが収益モデルとして成り立つのか検討をします。
調査から開発、そしてコンセプト設定、収益モデルの検討といった流れがあり、顧客ニーズに沿ったクルマ作りには、膨大な工ほどが必要になります。頻繁にはモデルチェンジができないのです。
また、昔と違って、昨今はVDCやACCといった先進安全装備などの電子制御系デバイスが一気に増えたことも、少なからず影響しています。一車種ずつ実車適合をする必要があるため、どうしても時間がかかっています。
2019年にマイナーチェンジした日産セレナ。
今回のマイナーチェンジで、前方の車両や歩行者を検知する
衝突被害軽減ブレーキなど全方位運転支援システムが
全グレード標準装備となった。
日産の場合だと、夏場にはニュージーランドへ実験をしに行きます。リアルワールドの雪路面でVDCの動作チェックをするためです。
マイナーチェンジでこんなことが行われている
マイナーチェンジに限ったことではありませんが、メーカーは常々、部品の原価低減を日々狙っています。マイナーチェンジでは、この原価低減を目的に部品が少しずつ変更されています。
例えば、これまで異なるエンジンを使っていた2車種に、新たに両車で共用する新型エンジンが開発され、これまでのエンジンから、取って代わることになったとします。
その場合、これまで2車種がバラバラに使っていたエンジン本体、エンジンマウント、排気系、補器類といった部品が、1種類になります。すると、ひとつの部品をたくさん使うことになり、結果原価低減となります。
なぜ原価低減に出来るのか?
なぜなら、設備の中で最も高いのが金型であり、同じ部品を沢山作るほど、部品一つ当たりの単価を下げることができるからです。
そのため、マイナーチェンジでその新型エンジンを使う車種を、2台、3台と増やしていけば、そのたびに部品費が下がるため、利益率を上げることができます。結果、自動車メーカーは儲かるという仕組みになっているのです。
また、部品の構造や素材を見直して、コストを下げる検討もしています。例えば、アルミで出来ている構造体を鉄に置き換えたり、ウレタンをゴムに置き換えたりと目に見えない部分で原価低減が行われています。
もちろん、性能が下がってしまうことのないよう、厳しい検証実験が行われ、問題のない原価低減アイテムだけが採用されています。
モデルチェンジ手前が最も良いと言われることもありますが、フルモデルチェンジの手前は、原価低減を限界まで織り込んだ仕様であり、最も豪華な状態は、フルモデルチェンジの直後なのです。
実は、マイナーチェンジをするたびに、原価低減によって部品を外したり、安い部品になったりしているのです。
まとめ
燃費の良いエンジン、刷新されたカッコいいバンパーやホイールデザインなど、マイナーチェンジ後の方が商品魅力は高く見えますが、このような裏側があることを知ってしまうと、購入タイミングが悩ましくなりますよね。
次回、車購入の際には、こうした背景も考えてみると、面白いかも知れませんよ。
(画像ギャラリー)2019年マイナーチェンジした主なクルマ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
スバル新型「プレオ」発表に期待の声! “約100万円”の「コスパ最強」軽セダンは実用性バツグン! スバルらしい「水平対向エンジン×MT搭載」を求める声も!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?