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フェラーリがニッポンのためにつくった「J50」。往年の名車をモチーフにしたスペチアーレ 【Playback GENROQ 2017】

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フェラーリがニッポンのためにつくった「J50」。往年の名車をモチーフにしたスペチアーレ 【Playback GENROQ 2017】

Ferrari J50

フェラーリ J50

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日本上陸50周年を記念した10台のみの限定モデル

日本上陸を果たしてから50年という記念すべき年となったフェラーリ。それを形にするべく、2016年末に1台のスペシャルモデルを日本で公開。その名も“J50”。往年の名作たちをモチーフにした集大成とも思える、まさに記念車に相応しい内容とデザインで多くの来場者を魅了した。

「50年を記念すべく往年の名作を集約。そのモチーフは見る者に委ねられる」

日本に上陸を果たした最初のフェラーリとは何だったのか。フェラーリ ジャパンによれば、それは1966年にカスタマー自身の手によって持ち込まれた、275GTBであったという。それから半世紀、日本市場はフェラーリにとって、きわめて重要な輸出市場となり、いわゆる伝統的かつ成熟した市場としてその重要性をさらに高めている。

この史実に基づき、フェラーリ ジャパンは2016年を“フェラーリ日本進出50周年”とし、さまざまなイベントやプロモーションを展開してきた。そしてその最後を飾るイベントとして企画されたのが、東京の国立新美術館で開催された「フェラーリ日本進出50周年記念式典」。ここで我々はまさに歴史的なサプライズと対面することになったのだ。

「フォーリ・セリエの精神を現代に復活させ、フェラーリの日本進出50周年を祝する10台」

フェラーリの歴史を華やかに彩るひとつの作品──。それは“フォーリ・セリエ”と呼ばれる、シリーズモデルには飽き足らない特別なカスタマーのために少量生産されたモデルたちだ。かつてイタリアで隆盛を誇ったカロッツェリアが、まさに美を競い合うかのように独自のボディをデザインしたフォーリ・セリエは、その限られた生産台数から現在でも熱狂的なフェラリスタのコレクターズアイテムとして非常に高い人気を誇っている。

そのフォーリ・セリエの精神を現代に復活させ、フェラーリの日本進出50周年を祝するために10台のみが限定生産されることになったのが、今回の記念式典でアンヴェールされた「J50」だった。ちなみにフェラーリ ジャパンによれば、この10台のJ50はすでにソールドアウト。正式な発表はないものの、そのプライスは、一説には250万ユーロ(約3億円)とも噂されるが、それに対する議論は、もはや何の意味も持たないということになる。

「シンプルに表現するのならば、伝統と革新が融合した世界がそこにある」

J50のベースとなっているのは、最新世代の8気筒ミッドシップ・オープンたる、488スパイダーだ。フェラーリはかねてからシリーズモデルをベースとしたワンオフの製作に積極的で、フェラーリにワンオフモデルをオーダーすることは、フェラリスタにとっての究極的な夢となっている。そしてこのJ50もまた、これまでに誕生したワンオフモデルと同様に、フェラーリのスタイリングセンターに組織される、特別なチームによってそのプロジェクトが進められていったという。

デザインコンセプトは、1970年代から1980年代に世界中の市場で人気を博したフェラーリのロードカーを想像させるスタイルをタルガトップとの組み合わせで実現すること。とはいえ、実際に姿を現したJ50には、かつてのスタイルを忠実に再現することを意識した、いわゆるレトロフィットを目的としたものではなく、そのディテールのどこにかつてのフェラーリを感じさせるのかは、見る者の目に委ねられるという実に趣味性の高い造形が生み出されている。しかもそれは現代を生きるスーパースポーツとして最高水準のエアロダイナミクスと、そしてまた安全性などロードカーとしての基準を完全に満たしたもの。シンプルに表現するのならば、伝統と革新が融合した世界がそこにある。

「ベースの488スパイダーに20psものエクストラを与え690psを発揮」

スポーツカーに必要不可欠な低さを演出するための手法も実車を見て強く印象に残った部分だった。ボディサイドを流れるウエストラインやキャラクターラインのコンビネーションが低さを強調する視覚的な効果を生み出し、フェラーリ初のLEDヘッドランプを採用することで、フロントノーズもよりシャープで前衛的なスタイルが実現した。ウインドウグラフィックや透明なポリカーボネートによるスケルトンタイプのエンジンカバー、そしてこちらはジェットエンジンのアフターバーナーにインスピレーションを得たというリヤデュフューザー等々、J50のエクステリアには、これらのディテールによって、きわめて斬新な印象が醸し出されることになった。ちなみにタルガトップは軽量なカーボンファイバー製。10人のカスタマーは、もちろんエクステリアやインテリアのカラーなど、その仕様を自身の好みでどのようにもアレンジできる。

ミッドに搭載されるエンジンは、もちろんベースの488スパイダーと同様、3.9リッターのV型8気筒ツインターボとなるが、最高出力はさらに20psがプラスされ、690psというスペックになった。シリーズモデルからのさらなる運動性能の進化もまた現代のフォーリ・セリエには必要不可欠な要素なのだろう。

2017年は、フェラーリが創立70周年を迎える。それを記念した特別仕様車のプランは、すでに2016年のパリ・サロンで発表されているが、フェラリスタとしては、また新たなフォーリ・セリエの誕生も期待したいのではないだろうか・・・。

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)
PHOTO/Ferrari S.p.A./Ferrari Japan

※GENROQ 2017年 2月号の記事を再構成。記事内容及びデータはすべて発行当時のものです。

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みんなのコメント

2件
  • え?2016年のニュース?(掲載は2017年)
    2021年のニューモデルかと思った。
    5年前のデザインとは思えないのは、さすがフェラーリだからかな。
  • ラフェラーリなどは販売価格の倍位で取引されていますが、J 50はプレミア価格になりますかね?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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