ブラジル南東の内陸部ミナスジェライス州クルヴェロにて、9月5~6日に開催された2026年のSCBストックカー・ブラジル"Pro Series"第8戦は、予選リバースグリッドの恩恵を得た22歳のレオ・レイス(カー・レーシング/トヨタ・カローラクロス)が、土曜スプリントでルーキーイヤー2度目の勝利を飾ることに。続く日曜メインレースでは、ポールポジションからスタートしたセザール・ラモス(メルカド・リブレ・レーシング/トヨタ・カローラクロス)がセーフティカー(SC)導入の状況を巧みにコントロールし、トヨタ陣営による週末の逆襲を完成させるキャリア通算5勝目を手にしている。
創設が2016年と比較的まだ新しいシルクイート・ドス・クリスタイスで争われたレースウイークは、走り出しのFPから23歳のフェリペ・バチスタ(スターリング・レーシング/ミツビシ・エクリプスクロス)が好調を維持。どちらも元F1ドライバーであるリカルド・ゾンタ(Full Time GAZOO Racing/トヨタ・カローラクロス)やフェリペ・マッサ(タイム・ルブラックスTMG/シボレー・トラッカー)を抑え、首位でセッションを終えた。
サイクロンの影響に翻弄された“父の日”の週末も、ミツビシ・エクリプスクロス艦隊が制圧/SCB第7戦
「非常に力強いペースと素晴らしいパフォーマンスを発揮できている」と、前戦サンタ・クルス・ド・ソルでも土曜スプリントを制しているバチスタ。「今回もタイヤを温存する戦略を採り、実質的にアタックラップは1周しか行なわかった。明日はすべてを完璧にこなしてポールポジションを狙い、日曜の決勝で勝利を目指すよ」
しかし迎えた予選では気温が36℃に達する強い日差しのもとで流れが一変。セルジオ・セッテ・カマラ(チームRC/ミツビシ・エクリプスクロス)を従えたトヨタのラモスが、自身6度目となる“スナップドラゴン・ポールポジション・トロフィー”を獲得してみせる。すると予選トップ12のリバースとなるインバーテッド・グリッド規定により、土曜スプリントで最前列からスタートを切った新鋭レイスは、義務ピットを挟んだ23周のレースで主導権を譲ることなく快走。最終局面では彼ら家族にとって特別な瞬間が生まれる寸前の状況も演出する。
僚友で兄のラファエル・レイス(カー・レーシング/トヨタ・カローラクロス)も、弟のレオに続く2位でフィニッシュラインを通過したものの、後に兄はDRS(ドラッグ・リダクション・システム)の不適切使用により5秒のペナルティを科され4位に後退。結果、兄弟&カー・レーシングによる1-2フィニッシュ達成は逃したものの、アーサー・ライスト(クラウン・レーシング/トヨタ・カローラクロス)とガエターノ・ディ・マウロ(ユーロファーマRC/ミツビシ・エクリプスクロス)を引き連れたレオが表彰台の頂点に立った。
「ルーキーシーズンに2勝もできるなんて最高だ! シーズン開幕前にこんなことが起こるかと聞かれていたら、たぶん『No』と答えていただろうね」と笑顔を見せたレオ。「非常に競争が激しく僅差の争いが繰り広げられるグリッドで、ときにはコンマ1秒の差でQ3に進出できたり、あるいはグリッド順位の反転(リバースグリッド)対象から外れたりすることもある。ストックカーではすべてが完璧に噛み合う必要があるが、今日はまさに完璧だったよ」
明けた日曜はグリッドの正順、予選最速のラモスがポールシッターを務めると、上位勢はポジションを維持するなか7周目にライストのカローラクロスが息絶えランオフにストップ、これで最初のSCが発動する。再開の11周目に続き翌ラップにピットウインドウが開くと、首位ラモスは15周目までコース上に留まってから作業へ。その直後、ルーカス・フォレスティ(A.マシアス・ヴォーゲル/シボレー・トラッカー)もトラブルに見舞われターン2でリタイアを喫し、ふたたびSCが導入された。
これでバチスタやゾンタ、エリオ・カストロネベス(メルカド・リブレ・レーシング/トヨタ・カローラクロス)など、義務ピットをまだ終えていなかったドライバーたちの戦略に影響が及び、ストップサイクルが完了するとラモスが首位に復帰。その後、セッテ・カマラもトラブルでクルマを止め、残り10分を切った時点でのリスタートを迎える。
するとここからレースはさらに劇的な展開を見せ、選手権首位を行く“初代SUV王者”フェリペ・フラーガ(ユーロファーマRC/ミツビシ・エクリプスクロス)が、他車との接触を無線で報告した直後に左前輪を脱落させリタイア。もう1台もコース上でストップし、レースはふたたびニュートラルの状態に。
勝負はグリーンフラッグ下でラスト1周を戦う時間が残され、首位ラモスは背後のギリェルメ・サラス(ヴァルダ・カヴァレイロ・スポーツ/シボレー・トラッカー)をわずか0.700秒差で抑えフィニッシュラインへ。そこから0.517秒遅れでエリアスの続く超接近戦決着となった。
「ふたたび勝利の味を味わえて最高だ。シーズン序盤は非常に厳しい時期があったが、不満を言うことはなかったよ」と勝者ラモス。「ここまで来るために懸命に努力してきたからね。この勝利はとてもうれしいし、皆に感謝している」
ポイントリーダーであるフラーガがリタイヤを喫したものの、依然として100点以上のマージンを維持して迎える次戦ブラジリア、アウトドローモ・インテルナシオナル・ネルソン・ピケでの第9戦は、耐久レース形式の『コリーダ・デ・デュプラ(ダブルス・レース/Corrida de Duplas)』が復活。週末を通じて3時間レースの1発勝負で争われ、勝者には最大140点近い大量ポイント獲得のチャンスが残される。
[オートスポーツweb 2026年09月11日]
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