現在位置: carview! > ニュース > イベント > HKSが長年培ってきたチューニング技術があればハイエースだってエコカーになる! 内燃機関を捨てない次世代モビリティへの取り組みにクルマ好きなら敬礼

ここから本文です

HKSが長年培ってきたチューニング技術があればハイエースだってエコカーになる! 内燃機関を捨てない次世代モビリティへの取り組みにクルマ好きなら敬礼

掲載 1
HKSが長年培ってきたチューニング技術があればハイエースだってエコカーになる! 内燃機関を捨てない次世代モビリティへの取り組みにクルマ好きなら敬礼

 この記事をまとめると

■人とくるまのテクノロジー展にてHKSが独自の技術展示で来場者の注目を集めた

クルマの「チューニング」なんて言葉からは想像もつかない取り組みだらけ! HKSの挑戦が偉大すぎて驚く

■液体燃料・気体燃料を切り替えられるエンジンを使ったハイブリッド車両を開発

■旧車用エンジンの高効率化でも資源の有効活用とCO₂削減を目指す

 HKSが力を入れるのは決してチューニングだけではない

 公益社団法人 自動車技術会が主催する国内最大級の自動車技術展である「人とくるまのテクノロジー展2025」が、5月21日(水)~23日(金)にパシフィコ横浜で開催された。

 自動車メーカーや部品サプライヤーといった出展社がほとんどとなるなか、異彩を放っていたブースのひとつがHKSだろう。同社といえば、やはりチューニングメーカーとしての知名度が圧倒的。今回は、そんなHKSの出展内容を紹介する。

 まず目に入るのが、ブースの通路側にズラリと並んだサスペンションだ。

 HKSでは長年にわたって培ってきた技術と設備を活かし、開発・設計から製造まで、一貫して自社で手がけることができる。純正形状サスペンションから、ダートトライアル競技用サスペンション、走行状況や車両状態に応じて減衰力を自動調整する先進技術を搭載した電子制御サスペンションという3種類のサスペンションは、まさにその技術の高さと幅広さを象徴しているといえるだろう。

 そして、HKSといえばエンジンである。モータースポーツやチューニングシーンでの知名度は言わずもがなであるが、じつは20年以上前から代替エネルギーについても研究・開発を進めている。

 とくに、LPG・CNG燃料に予備としてガソリンを組み合わせて、気体燃料と液体燃料の切り替えが可能という「Bi-Fuel」技術については、実用性が認められて自動車メーカーに採用されたほどだ。

 内燃機関への知見を活かした取り組みに注目

 そのBi-Fuel技術を活かした、いま注目の1台が「HKS e-HIACE MULTI ENERGY CONCEPT」だ。

 このクルマのパワートレインは、大別すればシリーズハイブリッドシステムにあたる。つまり、エンジンは発電専用となって黒子に徹するわけだが、このエンジンが只者ではない。

 このe-HIACEでは、バイオエタノール、NH₃混合、そして開発中のカーボンニュートラル燃料である「HKS CN Fuel」を液体燃料として用いる。さらに、グリーン水素、CNメタン、RNG(再生可能天然ガス)、CN-LPGといった気体燃料も使用可能で、これらの液体燃料と気体燃料は切り替えが可能となっているのだ。しかも、その改造は純正エンジンベースにすべて自社で設計・開発しているのだから驚きだ。

 そんな夢のような話が簡単に実現できるかといえば、やはりそうは問屋が下ろさなかったようで、2024年の東京オートサロンにてこのe-HIACEが展示された際は、じつはまだ動かない状態だったという。

 そこからの開発の苦労は並みならぬものだったとのことだが、今回の人とくるまのテクノロジー展の時点までにはなんとか実動にこぎつけ、これから本格的な走行試験が始まるという。残念ながら今回のブースにその実車は展示されてはいなかったが、実際にe-HIACEが走行する動画や、使用されたパーツの一部を見ることができた。

 このような内燃機関に関するHKSの優れた技術は、既存のガソリンエンジンの効率化という取り組みにも現れている。

 こちらは、「旧世代エンジンの高効率化による持続可能な社会への新アプローチ」として、主に1990年台に製造されたエンジンを対象とした、高圧縮化、カーボンニュートラル燃料対応などといった次世代技術の開発。既存のクルマを有効活用することで、資源消費を抑えながらCO2排出量を減らすという取り組みである。

 第2世代スカイラインGT-Rに搭載されるRB26エンジンを例にとると、ノーマルエンジンの熱効率25.5%に対して、HKSの高効率仕様は40.6%を達成。数値だけではイマイチわかりにくいが、現代の市販車エンジンでも40%を超えれば「熱効率が高い」とされるといえば、そのスゴさが伝わるだろうか。

 このような「内燃機関を捨てない」サスティナビリティへの取り組みは、クルマ好きならば期待が高まるばかりだろう。チューニングメーカーの枠を飛び越えたHKSの挑戦から、今後も目が離せない。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタ「リッター47km」走る“エンジン車”に反響殺到!「プリウス」超える“超低燃費”実現した「3ドアハッチ」に「マジで買います!」の声も!「究極のエコカー」目指した“ES3”コンセプトに注目!
トヨタ「リッター47km」走る“エンジン車”に反響殺到!「プリウス」超える“超低燃費”実現した「3ドアハッチ」に「マジで買います!」の声も!「究極のエコカー」目指した“ES3”コンセプトに注目!
くるまのニュース
クルマの消耗品って高け~! 安い社外品でいいや……ってそれでOK? クルマのパーツ「ケチッてもいいとこ」「ダメなとこ」
クルマの消耗品って高け~! 安い社外品でいいや……ってそれでOK? クルマのパーツ「ケチッてもいいとこ」「ダメなとこ」
WEB CARTOP
いま世界の自動車メーカーが3輪マイクロカーに注目……ということは日本のEV軽トラ&軽バンが世界を席巻するかもしれない!
いま世界の自動車メーカーが3輪マイクロカーに注目……ということは日本のEV軽トラ&軽バンが世界を席巻するかもしれない!
WEB CARTOP
なぜか不遇のV8ランボルギーニ! SUVのウルス以外は不人気モデルだらけという残念な歴史
なぜか不遇のV8ランボルギーニ! SUVのウルス以外は不人気モデルだらけという残念な歴史
WEB CARTOP
「全米注目のアメフト大会をスポンサード」「4段×2段の8段変速を採用」知れば知るほど凄いことをしている、三菱初のFF 2BOX:初代ミラージュ【ジュネーブではデザイン賞も獲得】
「全米注目のアメフト大会をスポンサード」「4段×2段の8段変速を採用」知れば知るほど凄いことをしている、三菱初のFF 2BOX:初代ミラージュ【ジュネーブではデザイン賞も獲得】
月刊自家用車WEB
世界初の“燃料電池車のプロト”GM「エレクトロバン」ってどんなクルマだった?「アポロ計画」を機に始まった“未来のパワートレイン”への挑戦
世界初の“燃料電池車のプロト”GM「エレクトロバン」ってどんなクルマだった?「アポロ計画」を機に始まった“未来のパワートレイン”への挑戦
VAGUE
スカイラインGT-Rが「中途半端」な排気量を採用したのにはワケがある! 2.6リッターはレースで有利になるためだけに選んだ潔い数字だった
スカイラインGT-Rが「中途半端」な排気量を採用したのにはワケがある! 2.6リッターはレースで有利になるためだけに選んだ潔い数字だった
WEB CARTOP
【フランス】トヨタが「凄いマシン」を世界初公開! 液体水素レーサー「GR LH2 Racing Concept」で技術革新へ トヨタル・マン参戦40周年に披露
【フランス】トヨタが「凄いマシン」を世界初公開! 液体水素レーサー「GR LH2 Racing Concept」で技術革新へ トヨタル・マン参戦40周年に披露
くるまのニュース
ある意味「馬車の時代」に原点回帰!? いま「木」や「貝殻」を使った自動車パーツが作られ始めている!
ある意味「馬車の時代」に原点回帰!? いま「木」や「貝殻」を使った自動車パーツが作られ始めている!
WEB CARTOP
バオバブにキツネザルでお馴染みのマダガスカルに自動車メーカーが存在!!!! ローマ法王も乗った「カレンジー」が胸熱すぎる!
バオバブにキツネザルでお馴染みのマダガスカルに自動車メーカーが存在!!!! ローマ法王も乗った「カレンジー」が胸熱すぎる!
WEB CARTOP
新車購入は半年とか1年待ちとか受注停止が「普通の感覚」になってない? クルマが「買いたいときに手に入らない」時代になったワケ
新車購入は半年とか1年待ちとか受注停止が「普通の感覚」になってない? クルマが「買いたいときに手に入らない」時代になったワケ
WEB CARTOP
世界にはまだ知らないスーパーカーが存在する! モロッコの誇り「ララキ」が送り出すクルマは怪物だらけだった
世界にはまだ知らないスーパーカーが存在する! モロッコの誇り「ララキ」が送り出すクルマは怪物だらけだった
WEB CARTOP
どんどんクルマがデカくなって3ナンバーだらけの現状にもの申す! 日本はやっぱり5ナンバーサイズが合っているワケ
どんどんクルマがデカくなって3ナンバーだらけの現状にもの申す! 日本はやっぱり5ナンバーサイズが合っているワケ
WEB CARTOP
【累計販売台数70万台】大量生産型EVのパイオニアがプライドをかけて挑む!日産リーフが満を持して7年ぶりのフルチェン
【累計販売台数70万台】大量生産型EVのパイオニアがプライドをかけて挑む!日産リーフが満を持して7年ぶりのフルチェン
AUTOCAR JAPAN
究極のアルピーヌは脅威の4000万円オーバー! 「A110 R ウルティム」の有終の美を飾るにふさわしい内容とは
究極のアルピーヌは脅威の4000万円オーバー! 「A110 R ウルティム」の有終の美を飾るにふさわしい内容とは
WEB CARTOP
タイヤ&ホイールが汚いクルマは「乗り手」の質も疑われる! とはいえ形も複雑だしすぐ汚れるしどうやってキレイにするのが正解?
タイヤ&ホイールが汚いクルマは「乗り手」の質も疑われる! とはいえ形も複雑だしすぐ汚れるしどうやってキレイにするのが正解?
WEB CARTOP
ル・マンの息吹をその手に! アストンマーティンが究極のハイパーカー「ヴァルキリーLM」を発表
ル・マンの息吹をその手に! アストンマーティンが究極のハイパーカー「ヴァルキリーLM」を発表
WEB CARTOP
ついに24時間戦えますか!?液体水素で走るプロトタイプ『GR LH2 Racing Concept』を初公開。トヨタが水素技術でも世界をリード!
ついに24時間戦えますか!?液体水素で走るプロトタイプ『GR LH2 Racing Concept』を初公開。トヨタが水素技術でも世界をリード!
Webモーターマガジン

みんなのコメント

1件
  • ish********
    自動車用ガソリンエンジンの熱効率は40%を超えたらもうトップレベル!使われ方がまるで違うので比較するのは酷だが大型船舶用ディーゼルエンジンは50%を超えるそうだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村