カーライフ [2026.05.26 UP]
気になるEV、1週間徹底試乗レポート![三菱 アウトランダーPHEV]前編/じっくり解説編
文⚫︎ユニット・コンパス 写真⚫︎ユニット・コンパス、三菱 ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
次期三菱アウトランダー、PHEV専用車として2028年デビューか?!
話題の電動モデルを日常的なシチュエーションで検証してきたこのコーナーが、今回からリニューアル! これまでは実際の使用感を中心にお届けしてきましたが、今回からはモデルの魅力を紹介・解説する「前編」と、お馴染み編集部・大塚が実際に1週間試乗して感じたことをレポートする「後編」の2部構成でお届けします。そしてテーマは、もちろん「徹底的にユーザー目線」! 今回は前編として、三菱 アウトランダーPHEVの魅力や進化ポイントを詳しく解説していきます。
前回の記事はこちら▼
https://www.goo-net.com/magazine/knowhow/carlife/279577/
電動化時代のSUV、三菱 アウトランダーPHEVという完成形
アウトランダーPHEVは、SUVとしての力強さや走破性に加え、EVならではの静粛性や滑らかな加速感、さらに長距離移動にも対応する安心感を兼ね備えているのが特徴です。まさに「日常はEV、遠出はハイブリッド」という考え方で、三菱が長年培ってきた4WD技術にも注目できます。
3代目となる現行モデルは、2021年にデビュー。2024年10月の大幅改良では、駆動用バッテリー刷新によるEV航続距離の延長や走行性能の向上に加え、インテリアの質感や快適装備、オーディオシステムなども進化。電動SUVとしての使い勝手を高めると同時に、プレミアムSUVとしての完成度にもさらに磨きがかけられています。
そもそもアウトランダーとは?
三菱 エアトレック
三菱ブランドを代表するクロスオーバーSUVの三菱 アウトランダー。そのルーツは、2001年に登場した「エアトレック」にさかのぼります。エアトレックは、国外では当初から「アウトランダー」の車名で展開されており、街乗りでの扱いやすさとSUVらしい走破性を両立したモデルとして位置付けられていました。
その後、2005年に日本国内でも「アウトランダー」の名を冠したモデルが登場。車名には、「未知の場所へ踏み出していく冒険者」という意味が込められており、オンロードでの快適性に加え、アウトドアやロングドライブにも対応できるSUVとして進化を続けてきました。
初代アウトランダー
歴代アウトランダーには、モータースポーツなどで培われた4WD技術や車両制御技術が積極的に投入されてきました。現行モデルに採用される車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」は、その象徴ともいえる存在です。前後輪間のトルク配分や左右輪間の制御、4輪ブレーキ制御などを統合し、「走る・曲がる・止まる」を高いレベルで制御することで、さまざまな路面状況で優れた安定性を実現しています。
また、3列シート仕様を設定している点も特徴のひとつです。SUVとしての走行性能だけでなく、ファミリーカーとしての実用性も重視されてきました。日本市場に加え、北米や欧州、オセアニアなど幅広い地域で販売され、アウトランダーは三菱を代表するグローバルSUVへと成長していきます。
そして2013年、2代目アウトランダーが登場。このモデルからPHEVモデルが追加されました。当時、SUVと電動化技術を両立させることは容易ではありませんでした。SUVは車体が大きく重量も増えやすいため、大容量バッテリー搭載による室内空間や走行性能への影響が課題となっていたからです。
2代目アウトランダー
そこで三菱自動車は、EV開発で培ってきた技術とSUV開発のノウハウを融合し、プラグインハイブリッドシステムを採用。エンジンによる発電機能も活用することで、EVらしい静粛性や力強いモーター走行に加え、長距離移動への対応力も両立させました。また、駆動用バッテリーを床下に配置することで、低重心化と室内空間の確保にもつなげています。
その後も改良を重ねながら進化を続け、2021年には3代目となる現行モデルが登場。「威風堂堂」をコンセプトに掲げ、デザインや走行性能、質感、安全装備などを全面的に刷新しました。三菱のフラッグシップSUVとして、存在感をさらに強めています。
威風堂々を体現したフォルム
三菱 アウトランダーPHEVの大きな魅力のひとつが、存在感のあるスタイリングです。フロントフェイスで存在感を放つグリルでは、かつてのスポーツモデル「ランサーエボリューション」を想起させる力強さを表現。一方、厚みのあるバンパーコーナーには、「パジェロ」が持っていた堅牢さや安心感を感じさせる造形が取り入れられています。
2024年の改良では、新たなボディカラーとして「ムーンストーングレーメタリック」が追加されました。光の当たり方によってブルーが浮かび上がる独特の色合いが特徴で、昼夜や天候によって印象が変化。アウトランダーPHEVの存在感あるスタイリングをさらに印象的に演出しています。
足元には大径20インチアルミホイールを採用し、存在感のあるスタイリングをさらに強調。シャープなT字型テールランプと合わせて、リアビューにも力強さとワイド感を与えています。大型SUVらしい堂々とした佇まいも、アウトランダーPHEVの魅力です。
シンプルかつ緻密に作り上げられたインテリア
インテリアは、「空間のゆとりこそがプレミアム」という考え方を元に設計されています。全体をすっきりとまとめながら、各部の出っ張りや厚みを抑えることで、室内空間の広がりを最大限に追求。居心地の良さと開放感を重視した仕立てとなっています。
インパネには、水平基調の「ホリゾンタルアクシス」デザインを採用。視覚的な広がりを演出するだけでなく、悪路走行時などでも車両姿勢の変化を把握しやすいなど、SUVとしての機能性にも配慮。また、上級グレードにはセミアニリンレザーシートを設定。革本来の風合いを活かすため、シボの型押しを抑えたナチュラルなレザーに、透明感のある薄い顔料を施して仕上げられています。使い込むことで風合いが深まっていく、レザーならではのエイジングも魅力です。
さらに、触感に配慮したソフトパッドを用いたインパネや、操作感まで丁寧に作り込まれたドライブモードセレクター、安心感のある握り心地を追求したステアリング、さらりとした質感のサテンメッキ仕上げのインナードアハンドルなど、各部に統一感あるデザイン思想が感じられます。
使い勝手にも配慮されたラゲッジスペース
7人乗り仕様では、サードシートの居住性を確保しながら、使用しない際には床下へすっきり収納することが可能。セカンドシートを倒せば荷室長は最大約2040mmとなり、長尺物にも対応できる広いラゲッジスペースを確保しています。足先の動きで開閉できるハンズフリー機能付きエレクトリックテールゲートは開口部も広く、荷物の積み降ろしもしやすいのがポイント。
SUVでPHEV、進化し続けるパイオニア
2024年の改良では、駆動用バッテリーの大容量化と制御系の刷新によってシステム出力を向上。EV航続距離は最大102km(WLTCモード)まで伸びました。日常の移動の多くをモーター走行でまかなえる性能を持ちながら、長距離移動ではエンジンによる発電や駆動を組み合わせることで、航続距離への不安を軽減しています。
また、走行状況に応じて最適な走行モードを自動で切り替えて、効率性と快適性を両立してくれます。市街地では、モーターのみで走行する「EV走行」を中心に静かで滑らかな走りを実現。加速時やバッテリー残量が少ない場合には、エンジンで発電しながらモーターで走る「シリーズ走行モード」へ切り替わります。さらに高速走行時には、エンジン主体で走行しながらモーターがアシストする「パラレル走行モード」を採用し、高速域での効率的な走りに移行します。加えて、EV走行を優先する「EVプライオリティモード」、バッテリー残量を維持する「バッテリーセーブモード」、エンジンで発電・充電を行う「バッテリーチャージモード」も用意し、状況に応じて切り替えが可能です。そして減速時の回生ブレーキのレベルは6段階に調整できるというこだわりにも驚かされます。
「走る蓄電池」として頼れる電源性能
三菱 アウトランダーPHEVは、大容量駆動用バッテリーを活かし、走る蓄電池として活用できる点も特徴です。駆動用バッテリーの総電力量は22.7kWhを確保し、外部給電機能にも対応。車内にはAC100V・1500W対応コンセントを備えており、アウトドアや車中泊で電気製品を使用できるだけでなく、停電時や災害時には非常用電源としても活用できます。
また、満充電・満タン時には一般家庭で使用する電力を最大11日分程度まかなえるとされており、PHEVならではの安心感も大きな魅力です。
あらゆる状況で違いを生み出す制御システム
三菱が長年培ってきた車両運動統合制御技術「S-AWC(Super All Wheel Control)」は、前後に独立した高出力モーターを搭載するツインモーター4WDを採用することで、前後輪の駆動力配分を制御する4WD制御に加え、左右輪の制動力を制御する「AYC」、横滑りや発進時の空転を抑える「ASC」、ブレーキ制御を行う「ABS」などを統合制御。「走る・曲がる・止まる」を滑らかにつなげることで、さまざまな路面で安定した走行性能を実現しています。
さらに、走行シーンに応じて選べる7つのドライブモードも用意されています。「NORMAL」は街乗りから高速道路まで幅広く対応する標準モード。「ECO」は電費・燃費を重視した穏やかな制御を行い、「POWER」はモーター性能を積極的に引き出すことで、力強い加速性能を発揮します。また、「TARMAC」は舗装路での安定感や操縦性を高めるモードで、ワインディングなどでも高い安定性を発揮。「GRAVEL」は砂利道など滑りやすい路面でトラクション性能を高めます。さらに「SNOW」は雪道での発進や旋回時の安定性を向上させ、「MUD」はぬかるみなどの悪路でタイヤの空転を抑えながら高い走破性を確保します。
先進運転支援も充実
三菱 アウトランダーPHEVは、セーフティ性能や運転支援機能も充実しています。
高速道路同一車線運転支援機能「MI-PILOT(マイパイロット)」は、車間距離を維持しながら追従走行を行うアダプティブクルーズコントロール(ACC)と、車線維持支援機能を統合制御するシステムです。高速道路での長距離移動や渋滞時の運転負担軽減に大きく貢献します。さらに、ナビゲーション情報や標識認識機能とも連携しており、カーブや分岐、制限速度に応じて減速をサポートする機能も搭載。ドライバーの操作を自然に支援してくれる点も特徴です。
そのほかにも、前方車両や歩行者との衝突回避を支援する「衝突被害軽減ブレーキシステム」、駐車時などの踏み間違いによる衝突を抑制する「踏み間違い衝突防止アシスト」、後側方車両検知警報システムなど、多数の安全装備を採用しています。
ヤマハと共同開発した「音」
2024年の改良で大きな注目を集めたのが、ヤマハ株式会社と共同開発したオーディオシステムです。開発では、「クルマも楽器」という考え方をもとに、アウトランダーPHEV専用の音響空間を追求。単に高性能なスピーカーを搭載するだけでなく、車内空間そのものをひとつの楽器として捉え、音の響き方まで細かくチューニングされています。とくにフロントドア部分は、スピーカーボックスとしての機能も考慮して構造を見直し、共振や不要なノイズを抑制。さらに、オフロード走行時や雨天時でも音質変化を抑える補正機能も採用されています。
まとめ
三菱 アウトランダーPHEVは、EVならではの静粛性や力強い加速、SUVとしての高い走破性、そして長距離移動への安心感を高次元で融合したモデルです。2024年の改良では、バッテリー性能の向上をはじめ、インテリアの質感、安全装備、さらにはオーディオシステムに至るまで幅広く進化。単なる電動SUVの枠を超え、上質な移動体験を追求したプレミアムSUVとして完成度をさらに高めています。「EVに興味はあるものの、航続距離には不安がある」という人はもちろん、「アウトドア性能や快適性も妥協したくない」というユーザーにとっても、非常に魅力的な選択肢となる1台です。
次回は、編集部・大塚による試乗インプレッション編をお届けします。実際の走りや乗り味はどうなのか、日常シーンでの使い勝手も含めて詳しくチェックしていきますので、ぜひご期待ください!
三菱 アウトランダー P Executive Package(7人乗り)
全長4720mm全幅1860mm全高1750mmホイールベース2705mm車両重量約2180kg乗車定員7名駆動方式4WDバッテリー総電力量22.7kWhバッテリー種類リチウムイオン電池モーター最高出力前85kW/後100kWモーター最大トルク前255N・m/後195N・m一充電走行距離(モーター)約102km(WLTCモード)エンジン2.4L 直4エンジン最高出力98kWタイヤサイズ 前後255/45R20車両本体価格(標準、消費税込み):671万6600円
※撮影車両は下記オプション追加。
有料色(ムーンストーングレーメタリック):11万円
電動パノラマサンルーフ:14万3000円
前後ドライブレコーダー+ETC2.0車載器:16万50円
フロアマット:6万8750円
三角停止表示版:3300円
ラインアップ/車両本体価格(標準、消費税込み)
M(5人乗り):529万4300円
G(5人乗り):591万300円
G(7人乗り):600万1600円
P(5人乗り):634万4800円
P(7人乗り):643万6100円
P Executive Package(5人乗り):662万5300円
P Executive Package(7人乗り):671万6600円
BLACK Edition(特別仕様車・5人乗り):673万5300円
BLACK Edition(特別仕様車・7人乗り):682万6600円
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みんなのコメント
を350くらいで買ったけど、シートにマッサージ機能があるとか255/45R20のタイヤとか先代と違ってもはや高級車。装備で不満があるとすれば前期はシートベンチレーターが無い事くらい。重たいせいかなんかブレーキのタッチが柔らかいのとショックがフワフワするのが気になってるが、グーネットなんだからその車の歴史より、走行距離別でへたり具合を新車と比較する様な記事の方が喜ばれるんでは。
ワイディングのつづら折りの下り坂で回生制動だけでブレーキ踏まずに降りられるくらい強力な制動から滑走まで選べる。
S-AWCは先代のフットワークからは新型は重い感じはするけど、それでもタイトターンでアンダーステアが顕著に出ないのは凄い。
ただ、この車はステア操作をためらうと車が迷う。
雪上は特にそうだけど、ドライバーがどうしたいか意志を明確してステア操作をする方が的確に動く。
その意味では下手くそには乗りこなせないかも。
降りた頃には満充電状態。