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【ニッポンのSUV】スズキは悲鳴! ユーザー殺到のジムニーノマド。なぜそれほど注目を集めるのか、ズバリ考察

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【ニッポンのSUV】スズキは悲鳴! ユーザー殺到のジムニーノマド。なぜそれほど注目を集めるのか、ズバリ考察

わずか4日で5万台を受注! これはニュースだ

 噂のジムニー5ドアが、初代エスクードの5ドアモデルと同じ懐かしい「ノマド(NOMADE=遊牧民、放浪者)」のサブネームを冠してデビューした。発表は2025年1月30日、発売は4月3日に設定された。

スズキ、ジムニーシリーズで初となる5ドアモデル新型「ジムニー ノマド」を発売

 ノマドは、ジムニー初の5ドアボディを備えたユーティリティモデル。世界有数の悪路走破性をそのままに、オールラウンドな使い勝手を実現した「ファーストカーとして使えるジムニー」である。生産はインド工場が担当。すでに海外では高い評価を獲得している。従来からの3ドアモデルも「納車1年待ち」という状況が続く日本では、「スムーズに供給できる体制が整ったら発売する」というメーカースタンスだった。今回のノマド発表は、そのメドが立ったということだろうか。とはいえ発表4日で5万台の注文が殺到。2月3日には受注が停止された。ちなみにメーカーの月間販売目標は1200台だ。

 僅か数日でほぼ4年分以上の注文が入った計算である。ノマドは人気を集めると予想されていたが、まさかこれほどとは、というのがメーカーの本音に違いない。

 なぜ、ノマドはそれほど人気を集めるのか。4代目となる現行ジムニーは、2018年のデビュー以来、高い人気を持続している。既存の3ドアモデルでも納車は1年待ちといわれる。ノマドでは発表から発売まで3ヶ月の余裕を持たせることで相当数を確保。納車がスムーズに行えると考えたようだ。だがフタを開けると、僅か4日で5万台である。

 ジムニーは世界屈指のオフローダーである。メーカーは“プロツール”として作っており、その実力は折り紙つき。ノマドは、本物の性能が5ドアのユーティリティとともに手に入るのだ。しかも価格は内容を考えるとリーズナブル。スタイルもハンサムだ。誰もが欲しくなって当然だろう。もちろん、ジムニーの悪路走破性は、多くの人にとって非日常のもの。だがその非日常性こそが、オーナーのプライドになる。スーパースポーツがマニアの羨望の的になるのと同じ理屈だ。もしスズキが、本気でノマドの販売予想を月に1200台と予想したのだとすれば、それはあまりに過小評価だろう。メーカーがジムニーの魅力を理解していないことになる。スズキには、1日も早く生産・供給体制を整えてもらいたい。

ノマドは全長とホイールベースを340mm拡大。その余裕が魅力

 残念ながら受注が休止されているが、あらためてノマドを紹介しておこう。ノマドは、簡単にいうとシエラのロングバージョンである。エンジンは自然吸気の1.5リッター直4DOHC16V(102ps/130Nm)。ジムニーのアイデンティティである、副変速機付きセレクティブ4WD、強靭なフレーム構造、3リンク式リジッドアクセル・サスペンションは、もちろんそのまま踏襲。トランスミッションは4速ATと5速MTが用意され、価格はそれぞれ275万/265万1000円。ベース車のシエラ(JC)比で56万6500円高いプライスタグを掲げる。

 ボディサイズは3890×1645×1735mm。全長はシエラ(同3550×1645×1730mm)より340mm長く、2590mmのホイールベースも同様に340mm延長された。ノマドは、このスペースの余裕を後席とラゲッジスペースに振り分けたのがポイントである。

 後席スペースは、3ドア比で後方に50mm移動されひざ回りのゆとりが増加。ホイールハウスの影響が少なくなったことでシート幅を90mm拡大した。シート自体も厚みが増しヒップポイントは20mm高くなった。実際に座ると、その広さは印象的。ボクシーなボディと広いグラスエリアとの相乗効果もあり、リラックスしてドライブが楽しめる空間だと実感した。後席シートバックがリクライニング可能なのもうれしい。ただし広いとはいえ実用上のシート幅はミニマム。乗車定員は4名のままだ。

 荷室は、後席使用時のラゲッジ長590mmを確保。シエラ比で350mmも長くなり、通常ユースでの使い勝手が大きく向上した。荷室拡大に合わせ、サイド部のフルトリム化が図られ、左側側面には夜間に便利なライトが追加された点が見逃せない。もちろん2分割式の後席シートバックを倒すと荷室は大きく拡大する。だが、後席が厚みを増したこともありフラットにはならない。荷室後部を嵩上げして段差を解消するアクセサリーも用意されるが、大量のアウトドアギアを積むユーザーは、実車を確認したほうがいいだろう。

 エクステリアは、まさに「長いジムニー」。5ドア化に合わせフロントを含めドアは専用設計。リアサイドにはクオーターウィンドウが追加された。シエラとの相違点はフロントグリルとリアランプ。フロントグリルはクロームの縁取りとガンメタリック塗装で仕上げた専用タイプ、右側のリアランプにはリアフォグを内蔵している。

 ボディカラーは全6色。専用色としてシズリングレッドメタリックブラック2トーンルーフとセレスティアブルーパールメタリックを設定。ホワイトは3ドア用のピュアホワイトパールではなく、フロンクスと同様のアークティックホワイトパールとなる。

 メカニズムは、全長の拡大と車重の増加(100kg)に対応してリファイン。ラダーフレームにはセンタークロスメンバーが追加され、フロントブレーキはベンチレーテッドタイプに変更。リアプロペラシャフトも長さと直径を拡大した。ATも各構成部品の強度を高めた専用品だ。メーカーは「ホイールベースの延長により。高い直進安定性と優れたハンドリングを実現した」と説明。ノマドの走りには期待が高まる。なお、最小回転半径はシエラの4.9mに対し5.7m。ボディサイズのわりに小回りは利かない。

 安全装備の充実もノマドの特徴。デュアルカメラ方式のブレーキサポートを採用し、ATは後退時ブレーキサポート&後方誤発進抑制機能をプラス。クルーズコントロールもアダプティブタイプにグレードアップした。

 パーソナルユースに最適なKカーのジムニーと小型車規格のシエラに加え、オールラウンドに使えるノマドを加えたジムニー・シリーズは魅力たっぷり。日本の道路環境に適し、豊かな自然の中に踏み込む勇気を与えてくれる。日常を変える力を秘めた「ニッポンのSUV」の代表である。

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みんなのコメント

41件
  • KOG
    昔は、パジェロもサーフもビッグホーンもみな5ナンバー枠だった。そして、それが使い勝手が良かった。
    今のオフローダーには、それがない。
    ユーザーが求めていた業界の隙間が、メーカーが気付かない位に大きかっただけ。
    だから、大ヒットになったんだと思う。
  • ken********
    とにかくかっこよいのですよね。デザインが。不便で乗り心地も燃費も悪いジムニーシエラやジムニーが売れ続けるのは、まずかっこいいから。加えて5ドアになって使い勝手が向上すれば、そりゃ売れる。

    各メーカーは「カッコよさ」の検証をすべきです。釣り目、メッキパーツ、よくわからないプレスライン、ダミーエアインテーク、無駄なデザインをそぎ落として、シルエットだけでカッコよいクルマを作ってほしいです。クロカンに限らず、セダンやスポーツカーも。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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