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サーキットベストの「固すぎる足」は語り草! やりすぎタイプRこと「FD2型」シビックを振り返る

掲載 13
サーキットベストの「固すぎる足」は語り草! やりすぎタイプRこと「FD2型」シビックを振り返る

 この記事をまとめると

■3代目のシビック タイプRは8代目シビックをベースとした

ホントに走り以外「どうでもよかった」が伝わってくるホンダ「タイプR伝説」5つ

■大きくて重いベースであったがタイプRの名に恥じないスペックを実現

■純正のサスペンションはかなりハードで街乗りには不向きだったといわれる

 3代目のシビック タイプRを振り返る

 国産ネオヒストリックスポーツカーの世界的な人気と中古車相場の高騰、残存台数減少などによる入手困難度の上昇は、近年ますます拍車がかかっているように見受けられる。

 そのなかにあって、20歳代の若い社会人でも辛うじて購入できそうな車種としてWEB CARTOP編集部がオススメするのが、8代目ホンダ・シビックをベースとしたFD2型シビック・タイプRだ。

 当記事ではこのFD2シビックRがどんなクルマだったか、現役当時の印象を振り返りつつ紹介したい。

 FD2シビックRが発売されたのは2007年3月。2005年9月にデビューした8代目シビックの4ドアセダンがベース車に選ばれた。

 というのも、北米向けの2ドアクーペや、初代フィットをルーツとする「グローバルスモールプラットフォーム」を用いた欧州向けの3ドア&5ドアハッチバックは、8代目の日本デビュー当時、日本には導入されず。

 1世代前の7代目シビックでは、国内生産の4ドアセダン「フェリオ」と5ドアハッチバック、またイギリス生産のEP3型3ドアハッチバック「タイプR」をラインアップ。日本では8代目シビックへの世代交代を機に、4ドアセダンのみへと絞られ、「フェリオ」のサブネームも廃止された。

 また2001年7月に4代目となった姉妹車のDC5型インテグラが「タイプR」を含めて3ドアハッチバッククーペを設定していたが、これもFD2シビックRに後を引き継ぐ形で2007年2月にモデル廃止とされた。

 こうしたことから、4ドアセダンをベースに「タイプR」を作らざるを得なかったというのが実情だろう。

 ただしこのうち8代目シビック3ドアは、イギリスで生産されたFN2型「タイプRユーロ」が、のちに2009年11月と2010年8月の2度、台数限定で日本に導入されている。

 さらに、8代目シビック自体、プラットフォームやパワートレインなど主要メカニズムの多くを7代目よりキャリーオーバー。FD2シビックRも必然的に、DC5インテグラおよびEP3シビック「タイプR」のメカニズムを継承しながら、さらなる速さを手に入れることを宿命付けられた。

 DC5インテRよりボディサイズが大幅に拡大(全長×全幅×全高=4385×1725×1385mm・ホイールベース2570mm→同4540×1770×1430mm・2700mm)し、車重が1180kgから1270kg(エアコン装着車同士の比較)へと90kgも増加したにもかかわらず、である。

 不利なセダンボディを疑うことなきRスペックへ

「タイプR」向けハイチューン仕様のK20A型2リッター直列4気筒DOHC「i-VTEC」エンジンは、吸排気抵抗の低減やピストン形状変更による高圧縮比化(11.5→11.7)などにより、DC5インテR用の220馬力/8000rpm&206Nm/7000rpmに対し、225馬力/8000rpm&215Nm/6100rpmへと向上。6速MTも1~3速のオーバーオールギヤレシオを低く、4~6速を高く設定するなど、加速・最高速双方の性能アップを図っている。

 だが同時に実施されたスロットルのドライブ・バイ・ワイヤ化によるアクセルレスポンス向上のほうが、ドライバーにとっては体感しやすい変化だったのも事実。果たして実際の速さにどれほど結びついているかは、同条件で0-400mなどのテストを行いタイム計測しなければわからない……というのが偽らざる本音だろう。

 その一方でボディとシャシーは、同時に軽量化も行うことでベース車からの車重増加をわずか1.8kgに抑えながら、徹底的に強化された。

 とりわけサスペンションは、前後ともスプリングをプログレッシブレートとし、ダンパーはサイズを拡大、スタビライザーもフロントを中実化しながら、とくにリヤのスプリングレート、ダンパー減衰力、スタビライザー径を大幅にアップ。これらにより、リヤのロール剛性を上げ、タイヤの接地圧を高めることで、トラクションと旋回性能をともに向上させている。

 さらにはタイヤも、225/40R18 88Yのブリヂストン・ポテンザRE070を専用開発。太溝を3本配置し排水性を確保しながら各部のブロック剛性を高め、とくにサーキットでのドライグリップ性能を向上させた。

 これらの結果、確かにサーキットでの速さは進化した。しかしその代償として、公道での乗り心地は、これがサーキットベストの「タイプR」であることを考慮してもなお筆舌しがたいものへと変貌を遂げた。

 路面の凹凸をすべて忠実に拾い、とくに車体のリヤ側を常に上下動させることで、乗員の視線をぶれさせ眼精疲労や車酔いを誘発。首や腰にも多大な負荷をかけ続ける。頸椎と腰椎の椎間板ヘルニアを患う筆者は、FD2シビックRに試乗するたび、この持病を悪化させていたことを、今でもよく覚えている。

 だから、ホンダアクセス純正の「スポーツサスペンション」を含め、市販のFD2シビックR用チューニングサスペンションは、この乗り心地を改善しつつ同等以上の速さを得る方向でセットアップされたものが少なくなかったと記憶している。

 中古車を購入する際は、一般的にはフルノーマルの車両を選んだほうが、購入後の耐久性の面でもリスクが低いと思われる。しかし、ことFD2シビックRに関しては、チューニングサスペンションが装着された個体を積極的に選んだほうが、むしろ購入コストを抑えられ(社外パーツがついた個体は安価な傾向にあるため)、街乗りでも快適に走れるのではないだろうか。

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みんなのコメント

13件
  • ***********
    乗ってた。
    乗り換える時にドノーマルで13年乗って下取り220万。
    青だったから、白ならもう少し高くなってたのかな。
    あれだけ酷評されてたのに分からないものだねぇ。
  • ハンセン
    この車を4ドアで、ファミリカーと言って家族を説得するのは、
    詐欺行為ですから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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