現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > “ミスの少なさ”が今季F1タイトルを決める。劣勢ノリス、僚友ピアストリとの頂上決戦後半に向けて気を引き締める

ここから本文です

“ミスの少なさ”が今季F1タイトルを決める。劣勢ノリス、僚友ピアストリとの頂上決戦後半に向けて気を引き締める

掲載 5
“ミスの少なさ”が今季F1タイトルを決める。劣勢ノリス、僚友ピアストリとの頂上決戦後半に向けて気を引き締める

 マクラーレンのランド・ノリスは、チームメイトであるオスカー・ピアストリとの2025年のF1タイトル争いは、ミスの少なさで決まると語った。

 今シーズンのF1はここまで、マクラーレンが席巻。同チームのふたり、ノリスとピアストリのふたりが、タイトル争いを繰り広げることになるだろうという見方が一般的だ。ただキャリアの長いはずのノリスは、現時点ではピアストリに対して劣勢に立たされている。それは、ミスが相次いでいることも大きい。

■マクラーレン、初日ワンツーの順調スタートもフェルスタッペンへの警戒怠らず「確実に脅威になるだろう」

 ノリスが2025年シーズに犯したミスをまとめてみよう。バーレーンGPではスタート位置を逸脱し、3番手に這い上がるまでにライバルをオーバーテイクしていくことに手間取った。またサウジアラビアGPの予選ではクラッシュもあった。またマイアミGPとエミリア・ロマーニャGPの予選Q3でアタックをまとめ上げることができず、スペインGPでも「小さなミス」の連続でポールポジションをピアストリに譲った。

 前回のカナダGPでもノリスは、予選で十分なパフォーマンスを残すことができなかった。決勝ではピアストリを上回るスピードを見せて追い上げたものの、2台は接触。結果的にノリスはリタイアを選ばざるを得なかった。これによりノリスは少なくとも10ポイントを失い、ドライバーズランキング首位ピアストリとの差は22ポイントに広がった。

 しかしノリスが度々ミスを犯す中、ピアストリは既に4回のポールポジションと5回のレース勝利を手にしている。

  もちろん、ピアストリが常に完璧な走りを見せてきたわけではない。雨の開幕戦オーストラリアGP決勝では、ノリスに続いてコースオフを喫し、2位獲得のチャンスを失った。また日本GP、マイアミGP、モナコGPではポールポジションのチャンスを逃した。

 純粋なパフォーマンスでは、ノリスとピアストリのふたりは互角の戦いを続けている。しかしノリスは、ミスの数とレース週末を完璧に送る実行力によってタイトルが決まると考えている。そしてその点で言えばノリスは劣勢だ。

「見ての通り、僕はミスが多く、後れを取っている。それは明らかだと思う」

 ピアストリから22ポイントビハインドで迎えるオーストリアGPを前にノリスはそう認めた。

「僕らはとても接近していると思う。今シーズンは、オスカーの方が僕よりも少し余裕がある。それが現実だから、僕はこれまで以上に改善し、ステップアップしていかなければならなかった。今年はマシンに苦労したり、困難なことがあったりしたからね」

「でも与えられたマシンを走らせることが僕の仕事でもある。厳しかったし、オスカーは良い仕事をしている。これだけ接近しているというのはエキサイティングだし、チームにとっても良いことだ。他のチームにはあまりない新たなステージに踏み出せたと思うからね。でも現時点では、そういう状況だと思う」

 ノリスはカナダGP終了後、ピアストリとの接触に関してチーム代表のアンドレア・ステラなど首脳陣らとどのような会話を交わしたのか、詳細を明かさなかった。しかし接触によって、チームはまた1段階強固なモノとなったとノリスは感じているようだ。

「僕は全てを理解して、それをチームに説明した。その(クラッシュの)直後から、自分の判断ミスであることは明らかだったし、その責任は自分で負った」

 そうノリスは言う。

「もちろん、最も楽しい会話ではなかったが、必要な会話であることは明らかだった。僕らは“ルールその1(同士討ちはご法度)”を理解していたし、これからもそれは変わらない」

「オスカーと僕が互いに向ける誠実さの中にある信頼。他の多くのチームが過去に経験したような顛末を避けたいから、それを保ち続けることが重要だ。互いにフェアで、ハードで、限界ギリギリのレースがしたいし、前回のようなことは繰り返したくない」

「多くのことが、週末を迎える前よりも強くなっている。予想外かもしれないが、良い結果だと思う」

 ノリスは、気持ちの面で同士討ちを乗り越えるのに「少し時間がかかった」と認めたが、既に立ち直ったと主張した。

「チームは僕にとっての全てだ。一緒に成長してきた仲間たち、F1でより多くのチャンスを与えてくれた人たちだ」とノリスは言う。

「だから、タフな2日間だったけど、そのような瞬間に対処して、アンドレアや周りのチーム、ザク(ブラウン/マクラーレンCEO)に話して、できるだけ早く動こうとするのは、非常に重要だ」

「過去もそうだったように、今週末も同じように臨むつもりだ」

文:motorsport.com 日本版 Filip Cleeren
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

マクラーレンの同士討ち、実はプラスの出来事? ノリス&ピアストリの緊張“ガス抜き”になったとブラウンCEO
マクラーレンの同士討ち、実はプラスの出来事? ノリス&ピアストリの緊張“ガス抜き”になったとブラウンCEO
motorsport.com 日本版
”イギリスでは最下位”だったはずのガスリー、決勝ではフェルスタッペンを追い回し6位「一体何が起きているんだ!?」
”イギリスでは最下位”だったはずのガスリー、決勝ではフェルスタッペンを追い回し6位「一体何が起きているんだ!?」
motorsport.com 日本版
チームオーダー要請は「ノリスにフェアじゃなかった」とピアストリ反省。ペナルティ後退でかすかな希望に縋ったと説明
チームオーダー要請は「ノリスにフェアじゃなかった」とピアストリ反省。ペナルティ後退でかすかな希望に縋ったと説明
motorsport.com 日本版
ヒュルケンベルグ3位表彰台がアウディF1懐疑論を吹き飛ばす! ザウバー「努力が実り始めている」2012年日本GP以来の好結果に湧く
ヒュルケンベルグ3位表彰台がアウディF1懐疑論を吹き飛ばす! ザウバー「努力が実り始めている」2012年日本GP以来の好結果に湧く
motorsport.com 日本版
ル・マンで完敗のトヨタ。逆襲に向け求められるものはただひとつ……|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記
ル・マンで完敗のトヨタ。逆襲に向け求められるものはただひとつ……|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記
motorsport.com 日本版
ピアストリのポジション入れ替え要求、マクラーレン的にはウエルカム案件「常々抱えずに伝えろと言っている」
ピアストリのポジション入れ替え要求、マクラーレン的にはウエルカム案件「常々抱えずに伝えろと言っている」
motorsport.com 日本版
波乱のレースに参加すらできず。0周リタイアのコラピント「ヒュルケンベルグみたいにチャンスがあったはずなのに……」|F1イギリスGP
波乱のレースに参加すらできず。0周リタイアのコラピント「ヒュルケンベルグみたいにチャンスがあったはずなのに……」|F1イギリスGP
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、タイトル争い”脱落”で吹っ切れる? マクラーレン勢の新たな悩みの種になるか
フェルスタッペン、タイトル争い”脱落”で吹っ切れる? マクラーレン勢の新たな悩みの種になるか
motorsport.com 日本版
【MotoGP】ドイツ初日最速ジャンアントニオ「レースペースもアタックも速い」ザクセン王マルケス観察し”技”盗んだ?
【MotoGP】ドイツ初日最速ジャンアントニオ「レースペースもアタックも速い」ザクセン王マルケス観察し”技”盗んだ?
motorsport.com 日本版
【F1第12戦ベスト5ドライバー】怒って当然のピアストリ/ウエットのスペシャリストが初表彰台
【F1第12戦ベスト5ドライバー】怒って当然のピアストリ/ウエットのスペシャリストが初表彰台
AUTOSPORT web
母国初優勝のノリス「タイトルに次ぐ素晴らしい出来事」独走状態から2位のピアストリはペナルティに強い不満
母国初優勝のノリス「タイトルに次ぐ素晴らしい出来事」独走状態から2位のピアストリはペナルティに強い不満
AUTOSPORT web
アロンソ、アストンマーティンのレース戦略に怒り爆発「今度からストロールを真似しようかな……」
アロンソ、アストンマーティンのレース戦略に怒り爆発「今度からストロールを真似しようかな……」
motorsport.com 日本版
レッドブルF1、不振続く角田裕毅救済のため本拠地で“集中会議”。相談役マルコは改善を楽観視「パフォーマンスは向上している」
レッドブルF1、不振続く角田裕毅救済のため本拠地で“集中会議”。相談役マルコは改善を楽観視「パフォーマンスは向上している」
motorsport.com 日本版
【MotoGP】「過去2年良い結果のコースで、さらに前進できると思う」バニャイヤ、改善傾向維持を期待|ドイツGP
【MotoGP】「過去2年良い結果のコースで、さらに前進できると思う」バニャイヤ、改善傾向維持を期待|ドイツGP
motorsport.com 日本版
ハミルトン母国イギリスで輝くも表彰台まであと一歩届かず「ここ数年で最も難しいマシンだった」
ハミルトン母国イギリスで輝くも表彰台まであと一歩届かず「ここ数年で最も難しいマシンだった」
motorsport.com 日本版
マクラーレン、ピアストリへの“厳しすぎる”ペナルティに納得せず。FIAとの対話を望む
マクラーレン、ピアストリへの“厳しすぎる”ペナルティに納得せず。FIAとの対話を望む
AUTOSPORT web
乱戦を戦い抜く天才ランス・ストロール。僅か4周だけ履いたソフトタイヤが、好結果を生む「デグラデーションは大きかったけど、結果は良かった」
乱戦を戦い抜く天才ランス・ストロール。僅か4周だけ履いたソフトタイヤが、好結果を生む「デグラデーションは大きかったけど、結果は良かった」
motorsport.com 日本版
【MotoGP】バニャイヤ、ドイツ初日は9番手もフィーリング問題なし? 「成果が上がって来ている。ペースもいいし満足」
【MotoGP】バニャイヤ、ドイツ初日は9番手もフィーリング問題なし? 「成果が上がって来ている。ペースもいいし満足」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

5件
  • エレキスパニッシュ
    ピアストリにミスが少ないのはブレーキでがんばりすぎないからかも。その乗り方が今年のクルマに合ってたのでは。
    フロントサスのアップデイトでノリスも乗れるようになった結果のPPだったりカナダのやらかしでむしろノリスが吹っ切れたのなら今後チャンピオン争いが面白くなるかも。
    でもノリス、スタートがね…
  • rtl********
    そろそろどちらかをナンバー1ドライバーと決めないと他チームに隙を与える事になりそうです、非情ですが決断が大事。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村