■ライズ&ジムニーシエラの人気が凄い
近年、全長4m以下のコンパクトSUVに注目が集まっています。トヨタ「ライズ」やスズキ「ジムニーシエラ」以外にインドでもトヨタ「アーバンクルーザー」や日産「マグナイト」といったモデルです。
とくに、2020年は、ライズが登場車年間販売台数で2位を記録。ジムニーシエラは発売から2年以上経過するものの、現在も長い納車待ちが続いています。
では、これらのモデルにはどのような特徴があるのでしょうか。
ライズは、ダイハツ「ロッキー」のOEM車という形で2019年11月に発売されました。
日本自動車販売協会連合会の発表した2020年の年間販売台数では、12万6038台を記録して登場車全体では2位、SUVジャンルでは1位を獲得するなど、昨今の激化するSUV人気において存在感を示しています。
ボディサイズは、全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmとなっており、最小回転半径は4.9mから5mとなり、国産コンパクトSUVのなかでも最小の部類です。
外観デザインは、トヨタのミドルサイズSUV「RAV4」に似たタフさを表現するデザインを採用。
なお、コンパクトなサイズでも快適な居住空間と荷室の空間を確保しており、荷室は369リッターとコンパクトSUVのなかでもトップクラスの容量サイズとなっています。
プラットフォームは、ダイハツの開発した「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」が採用されており、パワートレインや安全機能など、ダイハツの技術を採用しています。
パワートレインは直列3気筒の1リッターのインタークーラー付ターボエンジンが搭載されており、WLTCモード燃費は、2WDが18.6km/L、4WDが17.4km/Lです。
グレードは、ベースグレードとなる「X」、安全装備が追加された「XS」、アルミホイールを奢る「G」、最上級の「Z」が2WDと4WDにそれぞれに設定され、価格は167万9000円から228万2200円となっています。
一方のジムニーシエラは、2018年7月に20年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、現行モデルは4代目です。
同時に軽自動車の「ジムニー」と小型車(5ナンバー車)のジムニーシエラが発売されましたが、元々それぞれの国内販売目標台数(年間)は、ジムニーが1万5000台、ジムニーシエラが1200台と生産能力の関係上、ほかの国産車よりは少ない状態でした。
しかし、昨今のSUVにはあまりなかったスクエアボディやアウトドアブームに発端とするファッション性やギア感といったトレンドとマッチしたこともあり、幅広い趣向性を持つユーザーが関心を持った結果、1半年以上の納車待ちが続くほどの人気ぶりとなりました。
2020年1月頃には工場の生産台数を上げたことで、納車時期は半年ほどと短縮していますが、発売から2年半ほど経過しているモデルとしては異例の長さといえます。
そんな、ジムニーとジムニーシエラは、いまは希少となった「ラダーフレーム構造」を採用。なかでも、ジムニーシエラでは最低地上高210mmと、国産SUVにおいて飛び抜けた悪路走破性能を誇ります。
ボディサイズは、全長3550mm×全幅1645mm×全高1730mmとなっており、軽自動車規格のジムニーにオーバーフェンダーなどを装着したことで、5ナンバーサイズに変更されています。
外観デザインは、角ばったデザインで従来のモデルを彷彿とさせる本格派SUVといった印象を与えながらも、古臭さを感じさせないポップさが表現されています。
パワートレインは、1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンが搭載されており、WLTCモード燃費は4速ATが13.6km/L、5速MTが15.0km/Lです。
グレードは標準グレードの「JL」、上級グレードの「JC」があり、どちらも4速ATと5速MTを設定し、価格は179万3000円から205万7000円となっています。
ライズとジムニーシエラの違いについて、トヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「ライズは、主に街乗りメインで利用してもらうようなモデルとなっています。
ジムニーシエラと比べて山道などを走るのには向いていませんが、DNGAという独自のプラットフォームを採用しているので、走ったり曲がったりといった操作はしやすいと思います。
一方でジムニーシエラは、主に山道や悪路走破性を求める場合に、指名買いで購入されるというほうが多いモデルのように思います。
ライズとジムニーシエラは、サイズ感はほとんど同じといえますが、街乗りだったらライズ、悪路走行が多い場合はジムニーシエラなど、どういった場面での利用が多いかを検討してみると良いと思います」
■日本導入を熱望する声も! 日産の海外専用SUV「マグナイト」とは
ライズやジムニーシエラなど、各社が白熱するSUV市場ですが、日産では2020年10月21日にコンパクトSUVの「マグナイト」をインドで発表し、同年12月2日より予約受付が開始されています。
2021年1月時点では、日本での発売の予定はありませんが、いったいどのようなクルマなのでしょうか。
マグナイトは、日産が発売する初となる4m以下SUVで、インドでは2021年の初頭から販売予定とされており、その後、順次他の地域への投入が予定されています。
日産のインド法人によると予約開始から5日で5000台を突破したと発表しました。問い合わせは5万件を越えるともいわれています。
ボディサイズは、全長3994mm×全幅1758mm×全高1572mmとなっており、ライズやジムニーシエラと同等のサイズです。
外観デザインは、SUVらしい力強い外観に加え、ヘッドライトが細長くシャープになっており、スタイリッシュさも感じられます。
パワートレインは、1リッター自然吸気エンジン(MT仕様)と1リッターターボエンジン(MT仕様/CVT仕様)を設定。
グレードは、エントリーグレードの「XE」、中間グレードの「XL」、上級グレードの「XV」、最上級の「XV Premium」の4種類をラインナップ。
また、すべてのモデルにおいて「クルーズコントロール」、「アラウンドビューモニター」、「日産コネクト」が搭載される予定となっています。
価格は販売地域によって異なりますが、インドでは日本円で約70万円から約133万円となっています。
※ ※ ※
日本ではかねてから軽自動車やコンパクトカーの需要が高い状態が続いていましたが、そこにSUVブームが加わったことで「コンパクトSUV」というジャンルが確立されました。
さらに、今回のような全長4m以下のモデルは扱いやすく、価格帯も100万円台から設定されるなど、ユーザーからの関心は年々高まっています。
現在の日本市場では、前述のライズ/ロッキー、ジムニーシエラ、スズキ「クロスビー」などが全長4m以下のコンパクトSUVです。
しかし、ここにマグナイトやアーバンクルーザー、そしてホンダにも海外向けに「WR-V」が存在するため、これらのモデルが日本市場に投入されれば、ますます混戦する可能もあり、ユーザーとしては選択肢が広がります。
今後、全長4m以下SUVの動向から目が離せません。
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