8月2日、静岡県の富士スピードウェイで2026年スーパーGT第4戦『FUJI GT 300km RACE』の決勝が66周で争われた。3メーカー14台が参戦するGT500クラスは100号車STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)が優勝を飾り、今季からのニューマシンであるホンダHRCプレリュードGTに初勝利をもたらした。2位には8号車ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)が続いてプレリュードがワン・ツー、3位は37号車Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)となっている。
レースウイークを通して夏の暑さを感じさせる気候になっている2026スーパーGT第4戦富士。迎えた日曜決勝日も朝から強い日差しがコースを照らしていたが、12時からのウォームアップ走行を前に雨が降り始める。すぐに雨は止んだもののコースコンディションはウエット路面に変化。だが、ふたたび太陽が顔を出したことに加え、走行するマシンにより路面は急速にドライアップ、各車はセッション中にウエットタイヤからドライタイヤに履き替えて決勝直前のウォームアップ走行を終えていた。
しかし、決勝スタート進行中に大粒の雨が降り出し、コースは一瞬で再度ウエットコンディションに。気まぐれな天候はここでも各チームを悩ませ、13時30分のパレードラップ開始前に雨が止み、夏の日差しがふたたびコースを照らしたことから、各車ともスターティンググリッドでスリックからウエット、さらにもう一度スリックタイヤに交換。GT300クラスでは一部車両がレインタイヤを選択したが、GT500クラスは全車スリックをスタートタイヤに選択した。
ただ、路面はウエットコンディションということで決勝はセーフティカー(SC)先導で幕開け。SC隊列のまま4周を経て、5周目からレーシングスピードでのレースが始まった。そのスタートでは前日の予選でポールポジションを獲得した8号車ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTの大津弘樹を先頭に全14台がスピードを上げたが、イゴール・オオムラ・フラガがステアリングを握るModulo HRC PRELUDE-GTがホームストレートで宙を舞う大クラッシュ。すぐにレースは赤旗中断となりフラガの救出が行われ、意識があることが確認された。
大破したModulo HRC PRELUDE-GTの回収およびコースチェック完了後、レースは14時15分にSC先導で再開された。なお、Modulo HRC PRELUDE-GTと絡んだとみられる23号車MOTUL Niterra Zはピットへマシンが戻された後にガレージへ。12号車TRS IMPUL with SDG Zは『他車への接触』で90秒のペナルティストップ、さらに『SCリスタート時の追い越し』でドライブスルーペナルティが科された。
SCは9周目まで隊列を先導し10周目に退去。そのリスタートでは8号車ARTAの真後ろにピタリとつけた100号車STANLEY HRC PRELUDE-GTの山本尚貴がターン1のGRコーナー進入でオーバーテイク。トップ3独占のホンダHRCプレリュードGT陣営の首位が変わるなかレースが進んでいく。
そんななか14周目にはふたたび雨粒が落ち始める。15周目の最終パナソニック・オートモーティブコーナーでは37号車Deloitte TOM’S GR Supraの笹原右京が16号車ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTの野尻智紀をパスして5番手に浮上。後方ではサクセスウエイト80kgの36号車au TOM’S GR Supraは山下健太がポジションを上げ、8番手の入賞圏内に入ってくる。
上位では17号車Astemo HRC PRELUDE-GTの野村勇斗と、38号車KeePer CERUMO GR Supraの小林利徠斗というGT500ルーキー同士の3番手争いが激化。20周目のホームストレートからGRコーナーで小林がインをついて野村の前に出たが、バトルの最中には37号車Deloitteの笹原が2台に急接近し、21周目のGRコーナーからコカ・コーラコーナーでダブルオーバーテイクを決めてみせた。
22周目には38号車KeePer、16号車ARTA、19号車WedsSport BANDOH GR Supraがミニマムスティントで先陣を切ってピットイン。翌周以降には17号車Astemo、さらに8号車ARTAは24周にピットに向かい、それを見た100号車STANLEYは25周完了でピットへ。中継映像上25.9秒のピット作業で牧野任祐がコースへ、その背後には全日本スーパーフォーミュラ選手権でのチームメイトで、前日の予選でもポールをかけて争った8号車ARTAの太田格之進が迫るが、1回目ピット完了後に37号車Deloitteのジュリアーノ・アレジが太田の前に出る。
29周目には36号車auと14号車ENEOS X PRIME GR Supraがピットイン。36号車auはサクセスウエイトに加え燃料流量リストリクターとサクセス給油リストリクターの3重ハンディが課されているが、中継映像29.1秒のストップ時間でコースへ。同時ピットの14号車ENEOSはもちろん、先にピットに入った38号車KeePerの前に復帰したが、大湯都史樹が坪井翔をかわして6番手となる。33周目には39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraがピットインし、これでGT500全車がピットストップ完了となった。
100号車STANLEY、37号車Deloitte、8号車ARTAというトップ3で中盤に入っていくなか、ブリヂストン提供情報によると30周目の気温は31℃、路面温度は36℃とやや下降傾向。そんななか47周目、ADVANコーナーで6番手争いを繰り広げていた36号車au坪井と38号車KeePer大湯が交錯。接触があったか大湯がブレーキロックしてマシンがやや横を向いたが、両車とも走行を続ける。2台のバトルには14号車ENEOSの福住仁嶺も迫り、GRスープラ勢の中団争いが白熱する。
54周目のコカ・コーラコーナーでは36号車auが38号車KeePerを捉えて5番手に浮上。坪井はその勢いのまま前をいく17号車Astemoを追い、59周目のGRコーナーでオーバーテイクして最重量マシンが4番手となる。その前方では37号車Deloitteと8号車ARTAの2番手争いが繰り広げられ、GT300が絡んだ58周目のダンロップコーナーで太田がアレジに接触しながら追い抜き2番手へ。これでプレリュード同士のトップ争いとなり、太田は残り5周で1周1秒ずつギャップを縮めにかかる。
100号車STANLEYと8号車ARTAとの差が1.078秒となるなか迎えたファイナルラップ。セクター3で牧野の背後に太田が迫り、最終コーナーでインを伺うがオーバーテイクには至らず。コントロールラインを0.662秒差で先にくぐった100号車STANLEY HRC PRELUDE-GTがトップチェッカー。STANLEY TEAM KUNIMITSUにとっては2025年第7戦オートポリス以来の勝利となり、今季からのホンダHRCプレリュードGTの初優勝を獲得した。フィニッシュ直後のインタビューでは昨日の予選や、今季のスーパーフォーミュラで結果を残せていない牧野が号泣しながらチームに感謝を伝えた。
太田がラスト5周で猛烈な追い上げをみせた8号車ARTAは惜しくも2位となったが、プレリュードの記念すべき初勝利をワン・ツーフィニッシュで飾った。3位は1.478秒差で37号車Deloitteが入り、ランキングトップの36号車auはサクセスウエイト80kgながら4位、17号車Astemoが5位となっている。2026年のスーパーGTは、8月22~23日に三重県の鈴鹿サーキットで第5戦の300kmレースが開催される予定だ。
[オートスポーツweb 2026年08月02日]
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