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【SUPER GT × DTM 交流戦】富士に挑んだアウディ勢…その戦いを首脳ディーター・ガス氏の談話とともに振り返る

実質4日間(11月21~24日)の日程で、富士スピードウェイにて開催された「SUPER GT × DTM 特別交流戦」。4台が参戦したDTMアウディ勢の戦いを、陣営首脳ディーター・ガス氏の現地での談話とともに振り返る。

SUPER GT/GT500クラスマシン15台(レクサス、ホンダ、日産)に、兄弟車といえる成り立ちをもつDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)のマシンが7台(アウディ、BMW)加わり、ついに日本初開催を迎えた特別交流戦。この“ドリームレース”は、様々な意味で盛況のうちに幕を閉じた。日欧5つのマニュファクチャラーのマシンが計22台で争うレースには、ハコのカテゴリーの世界的な未来図を夢想させる力があったといえるだろう。

そうしたメモリアルバトルにアウディは4台の「RS5 DTM」で参戦した。ドライバーは、DTMのシリーズ王座獲得歴がある#33 レネ・ラストに#99 マイク・ロッケンフェラー、そして近年DTMを主戦場にしている日本馴染みの強豪ロイック・デュバル、さらにはDTMの今季レギュラー選手ではないが、やはり日本での長い活躍歴があるブノワ・トレルイエという布陣である(デュバルとトレルイエはかつてアウディがWEC-LMP1クラスに参戦していた時代にその主戦も務めていた)。

2019年のGT500マシンとDTMマシンは車両規定的に近い成り立ちを有するが、まだ「同じ」とはいえない面も少なくはない(20年から規定面では「クラス1」準拠同士になる)。それら現況等を総合的に考えた場合、「GT500の方が少し速いだろうと予想していた」と語るのはアウディ モータースポーツのディーター・ガス代表である。

◆ガス代表「GT500の方が少し速いだろうと予想していた」

特別交流戦の“本番初日”にあたる23日の土曜日、レース1の決勝レース終了後にガス代表は富士スピードウェイでいわゆるカコミ会見を開いた。この週末はサウジアラビアでのフォーミュラE 2019/2020シーズン開幕2連戦(現地22~23日)が同時進行しており、ガス代表はそちらのアウディ勢の情報も気にしながら、笑顔で日欧のメディアに対応した。

「レースに向かうにあたって当然のことではあるけれど、今回の富士でのレースに対してもシミュレーターを使うことを含め、たくさんの準備をしてきた。そして、現在のGT500とDTMの空力やエンジンの開発範囲の面などを考慮すると、GT500の方が少し速いだろうとも予想していた。実際そういう状況のようだね」

土曜のレース1、ほぼドライアップしていたと考えていい路面での戦いでは、GT500勢がトップ5を独占(優勝はレクサスLC500のN.キャシディ)。DTM勢は#21 トレルイエ(アウディ)の6位が最高だった。10月のDTM今季最終戦(ホッケンハイム)に3台のGT500マシンが出走した際には(雨も多かったなかで)彼らが大苦戦したのだが、当時と同じく全車がハンコック製のDTM用ワンメイクタイヤを履いているのに、戦況は一変した印象もある。

富士での木曜~土曜の客観的状況からは、ドライではGT500優勢、雨になるとDTMの相対戦闘力が上がり、ヘビーウエットまでいくと今度はDTM優位、そんな雰囲気だった。気象状況によるタイヤやブレーキの取り扱いに起因するパフォーマンス変動はもちろんとして、日欧の路面のμの違いが根本的な戦況への影響力として大きいのでは、そんな観測も日本勢のドライバーから聞かれている。

また、今回の富士では走行初日の木曜(ドライ)、アウディ勢にタイヤ破損の問題が散見されていた。これについてガス代表は、「原因についてはまだ完全にクリアにはなっていない。富士のコースのためのセットアップによるものかどうかというところだが、この長い直線のエンドでは大きなダウンフォースがかかることになり、それがタイヤに影響しているのかもしれない」との旨を語り、欧州のコースで戦うために基本設計が為されているDTMマシン(とタイヤ)で日本のコースを戦うには、やはりそれ相応の難しさがあることを感じさせた。

◆トレルイエの起用は正しい判断だった

アウディ勢でレース1の予選最上位につけたのは#28 デュバルだった。彼はライトウエットの路面で争われた予選で2位に。しかし決勝直前、レコノサンスラップと呼ばれる走行機会に、濡れ/乾きが混在する路面状況だったなかでクラッシュを喫し、決勝には参加できなかった。

#28 デュバルが無事にレース1をスタートできていれば、と思うところもあったが、本人に聞くと「ドライでのレースには正直なところ、あまり楽観はしていなかった。GT500マシンの方がダウンフォースがあるから、それがタイヤを長くもたせることに有効に働く。だから、1周のタイムを競う予選では対抗できても、レースはちょっと辛いだろうと感じていた」とのこと。ガス代表も大会後のプレスリリースで「GT500の方がタイヤの摩耗は少なかった」とコメントしている。

決勝6位に食い込んだ#21 トレルイエは、「正直この(良い)結果には驚いている。とてもハッピーだよ」と語った。DTMの今季レギュラーではない彼は今回、日本のヒトツヤマレーシング(GT300クラスで長くアウディ勢として活躍中)と「WRT Team Audi Sport」のジョイントプロジェクトといえる体制から参戦した。その彼がアウディ陣営ベスト、DTM勢でもベストの決勝順位を得たことに対し、ガス代表は以下の旨を語った。

「ベン(トレルイエの愛称)の起用はやはり正しい判断だったということだね。彼はアウディファミリーのドライバーであり、我々がWECでの活動を休止してからは彼と継続的にレースを戦うことができずにいたけれど、今回こうして、ヒトツヤマレーシングやアウディ ジャパンのサポートもあって彼のドリームレース参戦が実現した。そして良い結果が出たことを嬉しく思う」

ガス代表は「日本にファンが多く、日本のレースをよく知るベンを日本でフルシーズン走らせることができたら嬉しい」との意を話し、条件さえ整えばGT500マシンを仕立てる意思がないわけではないことも示唆している。ただ、そこにはやはり新たな財源(予算)の確保が必要になり、それが決して簡単な話ではないことも強調している。

ここで話は少々飛ぶが、今回の特別交流戦を実際にやってみて、ガス代表を含むメーカーやシリーズの首脳からは「ロジスティック(輸送)のコスト」について言及するコメントが多く聞かれたように思う。両シリーズが継続的に交流戦を開催したり、双方のシリーズにスポットで遠征したり、そしてレギュラー参戦したりするためには、この問題の効果的な解決が大きなウエイトを占めてきそうだ。

また、ガス代表はDTMの将来について、「次の段階のコストダウンとして、エンジンに関しても共通化を進める必要があるのかもしれない」「電動化についても真剣に議論する時期が来るだろう」などの内容も語った。コストダウンを強く意識しながら、戦う者にも観る者にも一層エキサイティングなレースシーンを提供したいという意思を言外に含ませているようだった。

◆交流戦は“クラス1”にとって完璧なプロモーションになった

日曜のレース2(決勝時ドライ)は、セーフティカー導入が連発する荒れた展開にはなったが、GT500勢ではホンダNSX-GTが速く、それにBMWとアウディのDTM勢が挑む構図が基本線となった。そしてアウディ勢では#28 デュバルが決勝3位に。予選2位タイムから他車の降格でポール発進を得た#28 デュバルは、タイヤの問題が起きて想定外の早期ピットインを強いられたが、見事なカムバックを果たし表彰台に上がっている(優勝はNSXのN.カーティケヤン、2位にBMWのM.ヴィットマン)。

展開次第では富士のドライでもDTM勢が戦えるところを見せたレース2。そのレース2ではGT500勢においてNSXが際立つ戦闘力を見せたことを含め、短期には“中身”を把握するのが難しい大会でもあったが、今回はまず、GT500とDTMが一緒にやれることを示すのが第一義、そしてそれは概ね成功だったと評していいだろう。

ガス代表は大会後に発行されたプレスリリースのなかで、こう語っている。「交流戦は“クラス1”(の未来)にとって完璧なプロモーションになったと思う。今後はベルギーのゾルダーで2020年4月に開催されるDTMシーズンの開幕戦に向けて準備に入るが、もちろん次の『ドリームレース』も楽しみにしている。今週末のレースで闘争心に火がついた」。

多くの人々の胸中にガス代表と同じような思いを宿し、日本初開催の「SUPER GT × DTM 特別交流戦」は終了した。

ちなみにだが、アウディがWECのLMP1クラスを戦っていた時代、あれだけたくさん勝っていたのに、なぜか富士スピードウェイでは勝てなかった。今回もその“雪辱”は果たせなかった格好になるが、もし来年以降も富士での交流戦開催等があるならば、ぜひとも富士制覇を狙ってほしいものだ。

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